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侯景の乱始末記──南朝貴族社会の命運 (志学社選書, 001)

感想・レビュー
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nizi
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中国史オタクが一度は遭遇する(そして笑う)宇宙大将軍のお話し。もっとも侯景の乱の論述はそれほど長くなく、当時の貴族制度の解説の方が細かい。それにしても、幻の新書扱いされていた本が甦ったのはいいことだ。
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サケ太
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魏晋南北朝の時代で、大きな騒乱を巻き起こした男を中心に、当時の社会の変動を描く。“宇宙大将軍”侯景という男についてはぼんやり知っていたが、時代の流れを感じとれて面白かった。
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読書家さん#f46kt2
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あーーーーーーこりゃすごい。。。
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六点
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人類史上最高に「アレ」な肩書の持ち主である魏晋南北朝、東魏→後梁の武人、侯景の反乱を軸に、南朝の社会変動を描いた斯界の名著である。中公新書として出版されたものが半世紀ぶりに再刊されたものである。なお、新書の古書価は未だ高価である。ぬこ田は高校の世界史程度の知識しかないのだが、貴族の時代から、その後千年以上に亙り支那を支配した科挙官僚の時代への変化を準備したダイナミズムの、その幾ばくかを感じることができた。「遊牧民」の支那史に対するインパクトの大きさは実に大きいと思う。良い書肆が良い本を出す、嘉むべき事だ。
0255文字
toiwata
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“貴族制が頂点に達し、安定をえたことが、同時に硬直をもたらし、ひいてはそこに衰退の影の宿っていることにかれらは気づかなかった。“ (p. 250)
0255文字
もち
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おもしろかった! 魏晋南北朝の名前だけは知っていたひとたちの乱世に翻弄される様が新鮮におもしろかった。作品の読解だけでなく、個々の生涯も知っていきたい。
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Speakten
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548年東魏に派遣された徐陵は、歴史の大きなうねりに巻き込まれて長期に拘留され、最終的には新興王朝に格式を与えうる文才と教養を持った重鎮として仕えた。その才能を生かしたライフワークが玉台新詠の編さんか、と勝手に思いこんでいたのだが、宮体詩の集成はむしろ30前の534年頃には成っていた。アイドルに熱をあげコレクションをするエネルギーがあるのはやはり若い頃だよね、というのと同じか。15年経て自分たちの王朝や貴族社会が滅んでいくのを体験した彼は昔の自己の投影ともいえる玉台新詠を一体どんな気持ちで見返した事だろう
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かみかみ
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表題の侯景の乱とその後の梁朝とその後継政権のあらましと歴史的意義を記述した名著の復刻増補版。侯景の乱は漢朝以来の中国王朝における貴族社会の栄華に終止符を打った戦乱だった。名望や徳の高さといった世評を拠り所とする貴族の地盤が実力主義の北朝の武人たちに掘り崩され、隋朝以降に科挙制度が徐々に浸透するにあたっての地均しになったことが見て取れる。
0255文字
MUNEKAZ
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もとは1974年に中公新書ででたもの。タイトルにもなっている侯景の乱の紹介だけかと思いきや、表題作も含む3つの中編に新たに1編を追加した連作集。全体を通して詩歌の紹介が多く、南朝貴族の精神と文化、そして衰亡が表れてくる構成で面白い。江南の貴族社会を嵐の如く破壊していった侯景の乱、その文才故に運命に翻弄される貴族・徐陵、北朝の傀儡として細々と命脈を保つ後梁王朝といずれも悲哀に満ちた読ませる内容。マイナーな時代に興味を抱かせる一冊。
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見もの・読みもの日記
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本書によって初めて知った南朝貴族社会は、日本人になじみの「古典中国」とは全然違っていて、繊細で可憐で、虚無や退廃の匂いがし、面倒臭いが魅力的な世界だった。最近、中国の架空歴史ドラマが、この時代を匂わせる設定を使って名作を生み出しているわけが分かる気がした。
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すいか
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さすが伝説的名著、馴染みの薄い南北朝時代の諸相が生き生きと描かれて引き込まれる。南北の継続的な緊張関係はもとより、梁陳期における長江中流域の勢力と建康政権、東魏→北斉と西魏→北周と、華北と江南それぞれの東西関係が叙述されることによって、いわば四つ巴の勢力関係の展開がダイナミックに浮かび上がるのが読みごたえがあり、興味深かった。西魏の傀儡政権として成立した後梁が、西魏と北周の滅亡を目撃し、隋によって滅せられながらもその一族の女性が隋の皇后としてその滅亡に立ち会うという、歴史の数奇なめぐりあわせに唸らされた。
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kuroma831
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当時の南朝の空気感が感じられる名著
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非実在の構想
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後梁春秋めっちゃ熱い
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さとまる
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候景の乱についての評伝のような内容かと思っていたのだが、それを背景にした南朝貴族文化がどのような変質を遂げっていったかを語る物語であった。魏晋南北朝や六朝についての知識は非常に曖昧だったのだが、それでも筆者の語り口が読みやすくてページをめくる手が止まらなかった。後漢~三国と隋唐に挟まれて印象の薄いこの時代だが、この本をきっかけに興味をかき立てられた。
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astrokt2
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堅実な歴史家的叙述を期待して買いましたが、その期待を満足させつつもより一層小説でした。奇書というべきでしょうか。表題作では、ほとんど身一つで亡命した敗残の将の無謀な反乱と嘘の様な快進撃、人生最後の瞬間に威厳を取り戻すかつての賢帝、各々が思惑に絡められてまともに機能しない方鎮の諸将、あるいは北朝のエージェントだったのか、という一抹の疑いを残す反乱軍の軍師... 南北朝期きっての怪事件に絡む人間模様が、政治史・文化史の濃密な論評と一体に記述されます。所収の他の章とあわせ、南朝衰亡史の大河小説の感があります。
astrokt2

「侯景はつぎつぎに肩書きを加え(中略)宇宙大将軍・都督六合諸軍事という、前代未聞の将軍号を称して世の失笑をかった。(中略)宇宙とか、天地四方を意味する六合とか、おおげさな形容詞はまったく噴飯ものであった。」という記述に喝采した読者は多いはず

12/11 00:53
0255文字
さとうしん
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侯景の乱の推移と、それと前後して北朝の使者となった南朝貴族徐陵の動向、そして乱後に成立した傀儡政権後梁王朝の姿の三章構成により、梁朝の衰亡、更には南朝の貴族社会そのものの荒廃を描き出す。巷間よく話題にされる侯景の「宇宙大将軍」という号は、当時から失笑物だったようである。
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崩紫サロメ
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待望の復刊。侯景は南北朝時代、複数の国に仕え、梁で権勢を振るい、「宇宙大将軍」と称した末に帝位を簒奪したがあっけなく殺害された武人である。彼の人生自体、非常に興味深いが、本書は単なる人物伝では終わらない。侯景の乱が南北朝の対立構図を大きく変えたものであることを指摘する。つまり、北朝の優勢、南朝の凋落である。また、南朝最後の陳も従来の貴族国家ではなく土豪将帥層を基盤とすることなど、大きく変質していく。侯景、徐陵など複数の人物伝を通して社会の大きな変化を描き出す、名著と言える。
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電羊齋
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第一章では、時代が生んだトリックスター侯景が江南を破壊し、南朝貴族制を斜陽へと追いやる。第二章では、時代に翻弄された南朝貴族徐陵の数奇な運命が印象的。数々の困難に遭い、その貴族的な教養、風格、文名をいろいろな陣営に利用され続けた人物。侯景と徐陵の人生は互いに対を成しているように思えた。侯景は時代の生んだトリックスターとして思う存分暴れまわり、南朝貴族制の破壊者となった。徐陵は時代に翻弄された受け身の運命を強いられ、各陣営に利用され、南朝貴族制の黄昏を見届けた。
電羊齋

また、登場人物たちの詩文が多く取り上げられ、詩文に込められた故実や教養をじっくり解説することで、当時の貴族、士人たちの教養ひいては文化の奥深さを紹介する。

12/01 22:53
電羊齋

数多くの登場人物たちにより、政治史、文化史、時代の変わり目、南朝貴族社会の黄昏、そして南北朝時代からやがて隋唐時代へと向かう時代の転換点が浮き彫りとなっている。文章も非常に読みやすい。 まさに名著。

12/01 22:55
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侯景の乱始末記──南朝貴族社会の命運 (志学社選書, 001)評価77感想・レビュー18