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孝経 儒教の歴史二千年の旅 (岩波新書 新赤版 2050)

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黒い森会長
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2025年1月刊。儒教の教典の一つ「孝経」のテキストの変遷とその注の研究について、書かれている。一応、時代順になっているように見えるが、「あとがき」にもあるように、トピックを中心に描いている。そのため、儒学史に不案内な人間としては、人名と、書名を追いかけるので一杯だった。それでも、「孝経」の2種類のテキストの存在、失われた敵スタが日本で見つかるお話とか、「順」と言う概念など、内容は面白かった。
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電羊齋
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本書の内容をまとめると『孝経』を軸にした儒教二千年の歴史といったところか。基本を抑えつつ、興味深い指摘も多い。なかでも、今文・古文の対立といわれるものは実は清末民国の政治・学術状況が漢代に投影されたものであるという指摘が面白い。そのほかにも、古今の『孝経』についての議論、唐の玄宗御注、元々為政者の姿勢を示す物であった『孝経』が宋から明清時代に民衆教化のために使われた歴史、明清代での『孝経』の位置づけ、日本での『孝経』の受容と刊本など話題が豊富。巻末には鄭注を元とした『孝経』の翻訳が掲載されており有用。
0255文字
非実在の構想
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孝経だけでなく儒教経典全体の解釈史になっていて面白い。解釈する人は、自らの牽強付会ぶりにどこまで自覚的だったんだろうか。
0255文字
さとうしん
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新書にありがちなサブタイトルとメインタイトルを逆にすべき例。『孝経』を中心にして見る儒学学術史であり、儒学経典史といった趣。最後の章で鄭注に沿った経文全文の翻訳があるほかは『孝経』の内容そのものはあまり問題にしていないが面白い。今文・古文の対立の図式は清末の政治・学術状況を漢代に投影したものであるとか、鄭玄と王粛の学術上の位置づけの話、特に王粛の議論が意外と穏当であり、だからこそ漢代以来の礼制を受け継ぐ南朝で受け入れられたとか、孔伝が実は『管子』を多く利用しているといった指摘が刺激的。
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