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世界哲学史2――古代II 世界哲学の成立と展開 (ちくま新書)

感想・レビュー
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KAZOO
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シリーズ2冊目です。本当に授業のような感じでじっくり読むには適しています。ローマ時代のルクレティウスやキケロの話から、キリスト教の成立、東洋の大乗仏教や中国での仏教と儒教の論争、ゾロアスター教とマニ教、プラトン主義とかなり盛り沢山の講義が続いています。私はあまり触れたことのないゾロアスター教の楽観的二元論という考え方が新鮮に感じました。楽しめました。
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かずー
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仏教、儒教、いとむつかし。
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ふるかわ
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古代の終わり、教父哲学まで
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みのくま
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本書で一番面白かったのはマニ教である。マニ教はキリスト教にゾロアスター教の善悪二元論を導入し、旧約聖書の神を悪の神、新約聖書の神を善の神と位置付ける。この世界を完全無欠な善であるはずの創造主が創ったのであるならば、現実に悪が存在する事自体がおかしいわけで、その矛盾を解消する為にマニ教は作られたのだ。創始者マーニーはまさに「真のキリスト教」を伝えようとしていたとされる。だがマニ教の教義を紐解いていくと、どうも新約聖書の二次創作感が強い。そこにあるのは信仰というより理性的なロゴスが表面化しているように感じる。
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insfeld
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【2023/10/16読了】東京仕事の往復に。だいたい紀元1~6世紀の動向。ローマ哲学、キリスト教、大乗仏教、古典中国、仏儒論争、ゾロアスター教・マニ教、プラトン主義、ギリシャ語訳聖書、アウグスティヌス。今でも印哲や中東哲学専攻する皆さんは「変わり者」を自認されることが多いんだろうか…。(´∀`)
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masabi
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【概要】各地で成立した哲学・宗教が相互に影響を与え合う様を描く。シリーズ2巻。【感想】ローマ哲学に代表されるように善く生きるにはという問いが核にあり、哲学と宗教の区分が曖昧となっている。他方で教義を巡る論争を通じて体系化・洗練される反面、ダイナミズムが薄れもする。西方ではキリスト教が、東方では仏教が各地の宗教と緊張関係になる。おもしろかったのは法家から儒教国家への変貌が起こった中国の章だ。当時の国家体制を肯定し王朝の変遷を説明するために偽作を生み出し、ついには王莽による権力簒奪に至る。
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しんすけ
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第一巻と同様に取り上げられた範囲は広い。 だが最大の関心事となったのは、プラトンやアリストレスをローマの地で継承したキケロだった。 シーザと同時代人であり敵対者だったキケロは、影が薄くなりかねないが、キケロがいなければ今日の哲学はあり得なかったのでないかとさえ思っていた。 その他に、大乗仏教、儒教、キリスト教も取り上げられている。 前二者は、智の窮理として取り上げらえるのは解るが、キリスト教は違和感を感じる。 旧約がユダヤの親和性を示すのに対し、キリスト教は社会の俗化に邁進したに過ぎないと思えるからだ。
しんすけ

それでもコラムに、ユリアヌスが取り上げられたことは、キリスト教が繁栄する時代にあっても、智を考究するものがいたという実証になる。 ユリアヌスはキケロとともに、現代に智を残したものと言えよう。 ユリアヌスについては、辻邦夫の『背教者ユリアヌス』と、塩野七生の『キリストの勝利』が詳しい。

08/05 16:30
0255文字
Bartleby
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第2巻はキリスト教以外の宗教にも焦点が当てられる。知らなかったことばかりで、粛々とページをめくる。仏教が中国に伝わり、道教の思想を借りて儒教と論争し、やがて仏教が破れるまでの話が印象的。さらに、ゾロアスター教とマニ教の論考も面白かった。とくに後者の宗教はキリスト教のあからさまなパクりらしく、両者を比較するくだりに笑った。このあからさまな善悪二元論の都市宗教には、かなりの信者がいたという。
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羊山羊
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2巻。ヤスパースが「軸の時代」と呼び世界中で哲学が起こり、体系が基礎づけられていく時代を描く。そして、世界的哲学の正体を「翻訳」されて広がることで、「移入先の文化や哲学にも地殻変動をもたらし、緊張と融合を通じて新たな哲学を生み出すP35」とする。
0255文字
Masaki Iguchi
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勢力を拡げ続けるキリスト教関係の思想と、過去の思想と、キリスト教外の思想とがせめぎ合う時代。アウグスティヌスの思想からは個人の萌芽も見えた。
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へたれのけい
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難読な章もあるのですが、総じて「熱さ」は伝わってきます。
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あまね
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世界という視線から哲学史を捉えなおすことを目的とするシリーズの第2巻。ゾロアスター教とマニ教を扱う第7章が特に面白く感じましたが、それは思想的内容というよりも、筆者の文体や文章の読みやすさからきているような気がします。
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静葉茜
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面白かったが1と同様読むのに時間がかかった。中国の話なんかは前提知識が無いのでちんぷんかんぷん。ゾロアスター教とマニ教の話は前提から説明してくれるし読みやすいし面白いと思った。アウグスティヌスの話は前の章とも関連強く伏線回収的な感じでも読めるのが大変理解しやすい。意思の話はちょっと刺さった。関連文献も読みたいけどいつになるかな……。
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Bois
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読了。どうしてもキリスト教が理解できないが、ようやく「自己」と「意識」が生まれ、とっつきやすくなってきたかな? イスラームについては無知なので、ここからどのように展開するかが楽しみ。
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oo8wy
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分からないことも多いのだけど、あちこちでいろんな考えが生まれて変化していくのを眺めているだけで楽しい。2巻も夢中で読みました。
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montetsutsu
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2巻目も古代編。哲学の素養のない身には1巻に続いて歯ごたえありすぎる内容。それでも面白く読めたけどね。ゾロアスター教とマニ教のところが特に面白かった。名前は知ってても教義はろくに知らんかったから。
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Asakura Arata
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宗教が主体の巻。ゾロアスター教、マニ教は面白かったが、全体的に高校の教科書と遜色ない感じ。なぜ哲学や宗教が存在するのに、みんなが幸せになれないのか、そのヒントを掴みたいのだが。
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へくとぱすかる
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オビの惹句にひかれて、「宗教的思索の起源」を知ろうと、1巻を読まずに取りかかったが、長らくほぼ積ん読の状態。やはり最初の巻から読んだ方がいいんだと痛感。マニ教・ゾロアスター教の件がやはりおもしろい。哲学についての一般的イメージは、いわゆる宗教色から離れた思考だが、歴史的には宗教的思索と深くかかわっており、むしろそこからの脱却をめざした志向が、現在の哲学の流れを生んだのだろう。哲学の可能性を、広く世界の哲学から見い出そうというのが、編者の姿勢であるが、哲学の性質上、単純に過去に回帰しないことは必然だろう。
亀太郎

やっぱ『ソクラテス以前哲学者断片集』やろ。あとは要らん。

08/17 00:32
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またの名
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思い出にも残らないマーニーが聖書の独自解釈から創り出したマニ教は「キリスト教に詳しくない読者が読んだところで何の御託を述べているのか皆目了解できず、逆に詳しい読者が読んだとしたら、何をふざけているのかと怒り出すのが関の山」で歴史に埋もれていったとか後世に記述されてしまう。世界中の哲学らしき思考を記述すると決めたらそんなトリビアネタが満載されたというわけでもなく、仏教研究自身にデリダの脱構築的議論を適用する第4章は、文献解釈が起源として措定する解釈対象それ自体を事後的に産みだす時空間を跳び越えた展開の披露。
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miyuko
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ようやく読了。 古代ギリシャ哲学から始まり、西ローマ帝国滅亡まで、その間生まれたキリスト教や仏教等の諸宗教を哲学史の観点から論じている。 知識不足でなかなか理解が追いつかないが、哲学史の視点から見たキリスト教の変遷や大乗仏教の成立など、とても興味深い。 長い歴史をもつ宗教は、このようにして思想が練り上げられていくのか。 宗教もまた時代の子なのだと理解した。
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眉毛ごもら
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哲学史2冊目。東西古典時代と初期キリスト教について。大乗仏教や中国での儒教道教仏教の混沌とかはこちらは基礎知識があるのでまだわかりやすかった。西洋の哲学はなんか単語とか概念とかなんかこう…わからん。わからんなりにとりあえず頭に叩き込んで後で点と線が繋がるの待とうかなという感じ。あとキリスト教の三位一体って詭弁じゃね?とかこの理屈であれば普通の人も神と同一存在の可能性はあるんじゃないんですか?!と疑問に思うので参考文献辺り読んだほうがいいんかしら?マニ教とゾロアスター教は世界観が面白かったので結構好きかも。
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壱萬参仟縁
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セネカは、自然が決めた最期を待つべきだと論じて自殺を認めない哲学者を自由の道を閉ざしていると批判。自由とは、死を選びとる積極的自由を意味する(061頁)。ゾロアスター教は流行らなかった哲学(166頁)。イラン人のみ受容とのこと。神は人間の自己の中心である心—心臓を意味するラテン語—最も深いところで見いだされる。が、神自身は遥かに超えている(239頁)。
壱萬参仟縁

さらに知りたい人の参考文献では、ゾロアスター教なら、前田耕作『宗祖ゾロアスター』ちくま新書、1997年あたりがいいのかも(184頁)。第2巻はあまりピンとこなかった。

05/22 09:44
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於千代
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古代のキリスト教、仏教、儒教を思想史ではなく、哲学史として再考。仏教史は少し囓っていたので大変興味深い。一方で、キリスト教には疎いため後半はかなり厳しかった。恥ずかしながらマニ教がキリスト教の影響下で成立したことは知らなかった。不勉強だと反省。
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mako
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1巻に引き続き時代は古代。キリスト教、仏教、儒教等の宗教的思考の変遷を哲学史の視点で説かれている。ゾロアスター教、マニ教に関する章では「一向に流行らなかった哲学」と一刀両断されていて面白かった。キリスト教のギリシア化、新約聖書編纂はグノーシス主義への対抗との見方も興味深い。ただ知識不足で中々咀嚼しきれない章もあり、やや難しかった印象。いずれ再読して理解できるといいなあ。
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SFTT
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世界哲学史の第2巻。哲学と宗教(儒教も含め)との関係を論じた章が中心である印象。ただ初期キリスト教やギリシャ哲学にうといため、3章や8~10章はついていくのが大変だった。まずはキリスト教史について基本を押さえたあと、改めて再読したい。
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ナナシノゴンベ-
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「過去に対する認識への志向は、現在に対する問いかけに発する。いま現にそうであるところの現実の様相が、より正確にいえば、現在に遺された痕跡の布置が、いったいなにゆえそうであるのかという問いをいだき、その回答を過去に求めるところに生まれる」
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Honoka
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一巻に引き続き。3章までは読みやすくて面白くて世界哲学という視点から見たキリスト教がなんとなく分かったんだけど4章から6章はお手上げですね。分からん。7章から最後はまた読みやすくはなった。ウーン、自分は早く近代現代哲学が読みたいので今回はスキミング。全体の感想としては、キリスト教をギリシア的な視点で理論武装していく過程の話がおもしろい。あとは政治のために特定の思想・宗教を信仰している話とか。難しかったです。
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たく
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 再読本。宗教学の知識を持ち始めたおかげで、前回に比べすんなりと入ってくるようになった。  ゾロアスター教とマニ教については世界史で触れたときにモヤモヤしていたところなので、結構しっかり解説されていてとてもためになる。
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孤独な読書人
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ネタバレ古代キリスト教、仏教、ゾロアスター教、マニ教などの宗教の中にある哲学を解説していく。
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DD410
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ネタバレとりあえず、手にとった第2巻から読み始める。難しくて理解できない章もあったが、全般的には興味がもてた。「キリスト教は哲学か否か」、「古典中国」の「法家から儒家へ」、「ゾロアスター教とマニ教」、「プラトン主義」、「あらゆる悪の根はむさぼりである」(アウグスティヌス)
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Utsuro
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ネタバレ本巻は、キリスト教や仏教、ゾロアスター教等の成立とその展開について、哲学の観点からまとめた内容である。 やはり最も惹かれるのは、理知によって超越的なものをとらえようとする試みとその足掻きである。 例えば、ギリシア哲学を踏まえて、キリスト教を形成させる「キリスト教のギリシア化」(学知化)の後に、三位一体(イエス・キリスト、神、聖霊)をどのようにとらえるのかとの途方もない論争。5~6世紀の中国における神滅不滅論争。 これらの足掻きに、人間が扱える領域とそうでないものの断絶、これらのへのアプローチとしての
Utsuro

宗教と哲学それぞれを思う。 また以前から気になっていたがよくわからなかったプラトン主義について、プラトン哲学の受け継ぎ方による分類がわかりやすい。プラトンが設立した「アカデメイア」所属の人々、そのテクストを権威とする人々、その知的な源泉に基づいて自らの哲学や思想を展開するもの。 こうした分類は、他の学知や思想の流れを考えるうえでも参考になる。やはり圧倒的な思想をめぐって、それをつかんで考えるのか、あるいは踏まえて考えるのかの違いであろうが、面白いのはやはり後者だろう。もちろんつかむこと自体が難しいのだが。

12/27 11:09
Utsuro

その他では、ユーモラスながらもわかりやすい筆致で、ゾロアスター教とマニ教の限られたあり方とその可能性を自然に示す青木健さんの解説。そして、ルクレティウスやグノーシス主義の解説は、個人的に参考になった。

12/27 11:11
0255文字
アルビーノン
新着
■ローマ哲学。ストア学派のエピクテトス。「われわれ次第のもの」と「われわれ次第でないもの」を区別。「われわれ次第でないもの」に欲望を向ける限り真の自由は得られない。それに対してわれわれの「意志」は「われわれ次第のもの」であり、これを正しく働かせることで真の自由が得られる。彼らストア学派の説く自由は、あくまで現世の生における自由。それに対して、真の自由をこの世ならぬところに求めようとする思潮が生まれ、勢力を伸ばしていく。それがギリシア以来の哲学伝統の内部では新プラトン主義、そしてキリスト教。
アルビーノン

■大乗仏教。大乗仏教の出現により仏教思想が飛躍的に発展。東洋哲学ともいえる思想は大乗仏教において開花。その華厳思想は朱子学の誕生に影響を与え、インド古来の宗教に対しても哲学的深化を促した。上座部仏教に対する大乗仏教の特徴は、その経典の種類と数。大乗経典には、空思想、唯識思想、如来蔵思想といった哲学的・言語論的に深化した種々の思想がおさめられている。「儒教の国教化」がなしとげられた後漢の時代に中国に仏教が伝来したと言われ、5世紀初頭の鳩摩羅什の訳経によって、本格的に大乗経典が中国にもたらされた。

11/15 10:49
アルビーノン

■聖書。ヘブライの掟である旧約聖書を、当時の公用語ギリシア語に翻訳したものが『七十人訳聖書(セプトゥアギンタ)』。この旧約聖書をギリシア語で引用できることは、ギリシア語で書かれた新約聖書の成立にとっても大きな意味を持つ。すなわち、『七十人訳聖書』を通して、ヘブライ主義に根差したキリスト教はすでに根底からギリシア化の波に巻き込まれていた。ギリシア語の東方とラテン語の西方の交流にも翻訳が重要な役割を果たし、聖書のラテン語訳(ヴルガータ)の成立と流布は、その後の西方ラテンキリスト教の自立にとって決定的だった。

11/15 10:51
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マープル
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8巻シリーズの第2巻。古代II 世界哲学の成立と展開。私にしては珍しく、一日で一気読み。中島隆博先生のところ(第6章 仏教と儒教の論争)は難しいが、ほかは第1巻に比べて幾分か読みやすいと感じた。第7章 ゾロアスター教とマニ教は、なんだかとっても軽い感じで2つの宗教をディスってて笑いそうになった。あと、第10章を読んで、アウグスティヌスを読んでみたくなった。
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K
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ネタバレ古代後期らへんを扱っており、キリスト教、中国古代思想、仏教の話が結構多い。ただ単に流れを追うのではなく、随所に発生する問題をどう扱っていったのかを入れ混ぜながらの変遷であり、単純なものではないと分かっていながらも、複雑に感じた。宗教は、学ばないといけないテーマではあるものの、未だに詳しく分かってないと自覚できた。第3巻へ続く。
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きいち
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キリスト教、大乗仏教の成立、ゾロアスター教にマニ教、ローマに古典中国。善悪、超越性をめぐって成立していく普遍性というものが世の中に存在するのだという信念。文字、学派、学校。◇冒頭の納富、どれだけ別の文化に翻訳されたかが世界哲学へのカギというのに得心。普遍性は後からのものかも。ペルシャの章を読むヒントにもなる。◇しかし、とはいえ、大乗仏教の中身は語られないし、やっぱりなぜ三位一体じゃないといけないのかもわからない。妙に近く見えるアウグスティヌスも何だか気持ち悪い…うーん、なかなかついていけない。
0255文字
Gokkey
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ネタバレ内容的にはキリスト教や大乗仏教の成立を含む。これが「世界」哲学史の目指す方向性かと再認識。実際にキリスト教はかなり早い段階で「ギリシア化」の洗礼を受け、聖書の言葉が「哲学的」に解釈された。「神はなんらかの物体であるとか、物体のうちに存在すると考えてはならず…」とはオリゲネスの言葉だ。しかしこれが後々教義的硬直をもたらし、自由な解釈は許されることなく、神学者の仕事はその教義を他人の頭に叩き込む事と様変わりした。この硬直化とビザンツ帝国の崩壊の関係性に関する考察は興味深い。
0255文字
HaruNuevo
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第二巻を読みながら感じたのは、仏教のよくわからなさ、である。 平素の生活においては、仏教に根差した習慣が多いにも関わらず、むしろ乏しいながらもキリスト教に対する知識の方が広くなっているのはこれ如何に?と感じた。 儒教と仏教の論争あたりは、挙げ足取り合戦のようで微苦笑しながら拝読。 宗教心ないから、第二巻あたりの話が腹落ちしないんだよね
0255文字
あず
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1000冊目
0255文字
さえきかずひこ
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本書で扱われるのは今から2000年以上前の古代における世界各地の哲学的思索のいとなみである。第1章における"古代"概念の批判的検討、第7章におけるゾロアスター教とマニ教の比較的検討(青木健さんの文章はユーモアがそこはかとなく散りばめられていて面白い)、BC1〜6世紀のプラトン主義の変遷を扱った第8章をとくに興味深く読んだが、第10章で扱われるアウグスティヌスの倫理学がカントに相通ずる部分を感じてとりわけ関心を惹かれた。息抜きのコラムも3つ収められているる。文献案内も充実しており読みごたえ充分の新書である。
0255文字
P子
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ネタバレこの巻は宗教と哲学の発展を見ている。個人的には宗教を哲学で扱うのは疑問が残るが、当時の世情を鑑みると宗教的な視点は哲学と切り離せないというのがなんとなくわかった。 しかし一神教という学術的には矛盾しか生まない議論を見ているのはあまり好きではないためか、面白さは少なかった。 一方言語学的な観点から哲学が語られているのは面白かった。 最後にマニ教などのペルシア宗教が流行らなかったというのをバッサリと切り出していたことが印象的。
0255文字
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