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企業・市場・法 (ちくま学芸文庫)

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odmy
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コースの定理は環境経済学の授業で勉強したけれど、当時はよく意味がわからなかった。「コースの定理が成り立つのは取引コストがゼロの時だけである」現実には取引コストがゼロなんてありえないわけで、非現実的な定理をなぜ勉強しなければならないのか…。しかし本書を読んでだいぶ違う印象を持った。コースの言いたかったのは、外部不経済をどう扱うかはケースバイケースということだ。政府介入は必須ではないし、場合によっては外部不経済を放置した方が良いことさえありうる。現実をよく見ろ、というのがコースの言いたかったことなのだと思う。
0255文字
富士さん
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経済学上の本書の意義については無知だったのですが、どうもコンテンツ産業論の重要な基礎理論らしく、ある意味義務的に読みました。それでも、本書の経済学批判は刺激的でした。そもそも、それまでの経済学が間接費を考慮に入れていなかったというのがビックリです。論理的に筋が通っていれば、つまり数学的に説明出来れば、日常生活であり得なくても「正しい」ものとして認知されてしまうというのは、なおビックリです。経済学者はピタゴラス主義者なのではないかと、薄々感じていましたが、本書の批判を読んでやっぱりだったかと思いました。
0255文字
記憶喪失した男
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1988年に出版され、1991年にノーベル経済学賞を受賞した本。コースは、平均費用がとん減する時は、限界費用が平均費用より低くなるというが、これはまちがっているのではないか。まちがっている箇所があると思うものの、経済学書として一流の本であると思う。
0255文字
トビケ
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変化を目の当たりにして、むしろ古典をあたるべき。煌びやかなハウツー本的なものが多すぎて食傷気味な人も多いのではないか。どうせ同じものを食べるのであれば、美味しいとわかっているものを食べるべきだと改めて思った。現実を前に経済理論をあてるとき、もちろん現実は理論をはみ出しているわけだが、そのはみ出し方にはパターンがあるとも思う。例えば、いまジョブ型雇用という言葉が流行り出したが、なぜそうではない雇用体系もあるのかを考えたうえで検討しないと、流行りに乗っているだけなので右往左往すること必至だろうと思う。
0255文字
maghrib
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コースの2編の論文(企業が存在するのは取引費用を内部化するため、取引費用が0であれば外部性のある経済活動でも生産最大化が達成される)を載せたお得な本。後者についての疑問は、1)生産の総和の最大化が達成するとしても配分の公平性はどう達成するのか、2)将来に対する外部性が発生した場合、(将来生まれる人間は)取引参加不可能なために効率最大化されないのではないかというところ。
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キツネツキ
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ネタバレ【メモ】経済学者が自明としている事項のいくつかは、実は自明ではなく、故に注意深く検討していかなければならない。その1つは組織管理コスト(企業)と委託管理コスト(市場)であり、両者を天秤にかけ、自社生産か外注かを選択する必要がある。他には、二者の間の利害対立が生じた場合がある。(例:工場排煙を巡る工場と近隣住民の対立)社会福祉の観点から、工場側に税を課す手法をとりがちだが、工場生産品による社会に対する利益や住民側の損失など、諸処を総合的に勘案して選択すべきである。また灯台は必ずしも公共事業である必要はない。
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