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台湾の歴史と文化-六つの時代が織りなす「美麗島」 (中公新書 (2581))

感想・レビュー
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狐
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ネタバレ国分直一や王育林、葉石濤といった台南にまつわる人々を題材に台湾の歴史を紐解く一冊。台南に数多く残る廟やシラヤ族の阿立祖(壺)信仰に関する記述からは、漢族と先住民それぞれの信仰のあり方を知ることができて面白かった。通史的な内容構成とはなっていないので、台湾史の全体像はやや捉えづらいものの、通史的叙述では見逃されがちなトピックに焦点が当てられているため、通史を補完する上では非常に有用だ。また、付録の読書案内が充実している点も良い。
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ししおどし
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再読。台湾旅行前に著者の薦めるポイントを再チェック。
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ししおどし
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令和2年刊。台湾に無縁だったが台南の大学で文学を教えることになり台湾に魅了された著者が台湾の歴史と文化を台湾の東西南北の街を実際に歩きながらこの400年の歴史を回顧。特に今では忘れられた、日本統治時代と国民党独裁時代の台湾在住の日本人や台湾人の文学や学問成果を尋ね足跡を辿りながらの道行きは正史には残らない密やかな歴史の深部に到達し読む者に深い共感を覚えさせる。台湾という地域の多元的な複雑さも感じさせてくれる。
0255文字
onabro
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台南に行くときはちゃんと読みたい
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果てなき冒険たまこ
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このあいだ韓国史の本を読んだ延長でよし今度は台湾だと思って読んでみたのだけど、読み始めてすぐに違和感がある。全然歴史を語ってないぞ、なんだか話題が個人にフォーカスされてその周辺を語ってるぞ時系列じゃないぞ。。ということに気が付いて著者さんのプロフを見てみたら専門は日中比較文学並びに台湾文学って文学者さんだったのね、納得。
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れうしあ
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日本人による、南からの視点で、個人に焦点を当て、台湾の複雑な地層を掘り下げる。山地や離島に住む者は高砂族と呼ばれ、平地に住み漢化した者は平埔族と呼ばれた。オランダは台南を占領し開墾のため漢族を移住させた。続いて鄭氏、清が統治すると漢族が増加した。古都台南には寺廟など清朝文化が色濃く残る。日本統治時代には民族間の壁があったが共存した。國分直一と呉新榮や葉石濤、前嶋信次と王育徳の個人関係から台湾民族主義は紡がれていった。光複後、外省人と本省人の対立があったが、本土化、民主化が進み、台湾人意識が醸成されている。
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お抹茶
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戦前から戦後に生きた國分直一や王育徳といった人達の目を通して当時の台湾社会を記していくという構成。皇民化運動や,日本人と台湾人の壁,民族同士の壁など当時の断層を記す。台北よりも,著者が滞在していた台南を中心とした地方部の描写が多い。台南を実感させるのは廟から漂う線香の香り。あまり政治史という趣ではない。付録の読書案内が豊富。
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takao
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ふむ
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belier
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たまたま先に通史を読んで、すぐにこの本を読んだのはよい選択だった。六つの時代に分けて章立てされているが、著者がよく知る台南周辺のエピソードを紹介しながら、ついでに歴史も語るというスタイルだからだ。全体は見えにくい。だが著者の文章は上手く、良質なエッセイを読んでいるようだった。特によかったのは、移民してきた漢族に内地に追いやられ、ついには同化してしまった平地先住民族シラヤ族の集落を探した人たちの話。また、植民地主義の日本に反抗したりはしなかったが、本土から赴任して当地を愛した良心的な教師たちが清々しい。
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にわ
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観光などで訪れる人は多いが、その歴史や文化について知ることは、同じく隣国の中国大陸や朝鮮半島と比べて圧倒的に少なかった。台湾は、他国に支配されてきた期間が長く、人種も移民を含めて多岐に渡るため、台湾人としての意識が生まれづらかったことも、本書を読んで納得。また、日に日に脅威を増す中国共産党の存在も、台湾としてのアイデンティティの醸成に大きな役割を果たしているような気がした。
0255文字
kana0202
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古都台南を中心とした近代史。そこに暮らした日本人や台湾人の視点を複眼的に紹介する良書。タイトルはいただけないが、個人的には興味があるところだったので満足。想像と違うと感じる読者は多いと思う。本を売るのは大変だなと思った。著者は文章がそこそこうまくてそれも良い。
kana0202

参考文献の充実もよい。

12/11 01:16
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預かりマウス
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著者は歴史学ではなく日中比較文学の専門。本書の構成は独特である。章題は一応時代順になっているのだが、戦前日本統治期の、一般にはあまり知られていない日本人及び台湾人の文学者たち(佐藤春夫あたりは例外的に有名だろうけれど)が本書の内容を紡ぐ横糸になっていて、時代は各章で交錯する。そして台南や高雄など、台湾南部を中心とした詳細な地誌。エピソード豊富で、台湾文化の息吹に触れるような機微な内容、どこか幻想的で、心地のよい文体なのではあるが、オーソドックスな歴史書を期待すると少し読みにくいかもしれない。C。
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よろずやでんじろう
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安直な発想だけど、台南に行ってみたくなった。 出張で、新幹線通り過ぎたことはあったけど。 本の中で勧められていた入門の書も読んでみよう。
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サブロウ
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タイトルにあるように6つの時代、オランダ以前、オランダ、鄭成功、清朝、日本、国民党統治、の時代があり、さらに80年代以降の民主化に向かう台湾も別の時代とも言えよう。これらの統治者の交代のよる台湾の持つ複雑性は台湾をみる上で重要だ。 本書では、文学者である筆者の視点から、日台の台湾文化人、台湾の政治的な歴史の歩みとともに、伝統的な「台湾」文化息づく台南に注目することで、時代により変化する/しない台湾の文化を見る。 台南地域を時代横断的にルポ的筆致で、日台文学者を主人公にして描く、台湾の歴史文化が掴める一冊
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ManCheeFMW
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非台北≒外省以外の視点で台湾の社会構造を時系列に多面的に俯瞰で捉えるのに良い一冊。台湾の多面体な感じは、香港の万華鏡的或いは細胞壁で隔てられたコミュニティ集団な構造とは全く違うというのを再認識させられる。もっとミルフィーユのような時間軸の層がある、というか。
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中将(予備役)
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断りどおり、著者の専門に近い言語や文化に力点を置いた台湾の解説。期待していた通史概説とは異なったが、戦前の日本人研究者を含めた知識人を随所で登場させながら解説される台湾の文化は興味深く、台湾に行きたくなるガイドブックのようだった。読書案内が参考になる。
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榊原 香織
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台南発て珍しい。戦前の原住民研究も紹介してるのも珍しい。 盛りだくさんすぎるかも。 街の案内、歴史、ある人物についての記述、が混じっているので今の話かと思うといきなり過去だったり。アースダイバー的な感覚を狙っているのかな(そんなことないと思うけど)。 文末読書案内付き。
榊原 香織

貴重な話が聞けましたね。日本語世代がだんだんまれになってきてます。台湾南の方は台湾語の世界ですね。

03/17 10:05
榊原 香織

眠い時に書いたコメントで、少々荒っぽかったので一部訂正。

03/18 23:01
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huchang
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台北のことがほとんど書かれていない珍しい台湾本。総花的なところがあり、ある程度アジア史の素養があった方が読みやすいだろう。状況が落ち着いたら台湾行こう…と思わせるくらいには、文章がうまい。
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hal
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文献資料のある範囲での台湾の歴史。時代や中心人物が行ったり来たりするのでややこしくも感じるが、色々な切り口から台湾の歴史を語る著者の試みは面白い。オランダ統治以前の台湾の歴史が不明とは思わなかった。
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ぺんぎん
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「物語~の歴史」的な通史ではなく、台湾滞在経験のある著者による歴史+文化人類学・民俗学的な書籍です。台湾の少数民族のみならず、漢族と混血が進んだ独自の民族にも触れており台湾への多角的な視点が得られる本になってます。清や国民党、日本が先住民を迫害した的な単純な話ばかりでなく、戦前の日本人がフィールドワークを進めていく課程や、彼らの宗主国的ものの見方(彼らは善意とヒューマニズムをもって接していますが)やらも紹介されいます。民主化後は中国本土への対抗意識からか、少数民族が増えてきているのも面白く感じました。
0255文字
さえきかずひこ
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台湾原住民は文字を持たず、この島の歴史は17世紀のオランダの来航から始まる。本書は著者が居住したことのある台南を中心とした南部に残る風俗や信仰を、とくに日本統治期から戦後にかけてのインテリ層の文化を歴史の流れと共に活写する。國分直一、前嶋信次、新垣光一、葉石濤、呉新榮、王育徳ら日台の学問的な繋がりー文学や民俗研究ーを通して、50年の長きにわたる日本植民地としての台湾が、中国本土から来た国民党の独裁、その後の民主化=台湾化を経て、経済的に大きく豊かになり、独自の魅力を湛えていることを概説する愛に満ちた一冊。
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oak23
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ネタバレ原住民族や鄭成功、日本政府による植民地統治、国民党による独裁時代、民主化時代など、地理・時間軸に、様々な切り口から台湾を説明し、理解を深めてくれる本。 個人的には台湾のことなにも知らない、というより、台湾に行ったことはあって、もう少し詳しく台湾のこと知りたいと思っているという人にお勧めしたい本。例えば、台湾で廟や二二八和平公園をみて「これってなんだろう?」とか、「日本と台湾の歴史的つながりって?」といったようなちょっとした疑問を抱いた人が読むと、「そういうことかあ~」と発見がありそう。
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ntscp2020
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台湾、というより台南に焦点を当てた歴史と文化についての本。島国でありながら、日本とは違い多数の民族、度重なる侵略により現代に繋がる台湾となっていったことが分かる。ガイドブックではないし、過度に煽るような文章でもないのだが、台南の町や食べ物の描写が上手く、行ってみたくなる。
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ジュンジュン
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歴史というよりガイドブック。それも著者専門の文学を水先案内人に、同じく著者が過ごした台南を中心に。台湾愛はびしびし伝わったが、残念ながら僕には変化球過ぎた。
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Akihiro Ando
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400年の歴史のほとんどが他国からの支配という中で、実は複雑な民族構成の台湾。一方、その統治下でもともとあった多様な文化の多くが失われてしまった。親日国ということで日本の統治下のインフラ整備などが美化されてクローズアップされがちだが、占領政策が及ぼした暗い一面も忘れてはならない。
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あまなつ
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台湾在住経験を機に台湾文化に惹かれた教授がまとめた大変読みやすい本。かつて台湾の中心であったたいなんを中心とし、全土の主要な街を歴史的に解説する。街の今昔織り交ぜた実際的な描写は、まるで台湾を自身が歩いているような気持ちにさせる。
あまなつ

日中開戦後は、皇民化運動が推し進められ、日本名への改名、台湾語の禁止、寺廟の廃止がされた。 その後は中国国民党の統治下に。中国本土からの移民を政府が推奨したことで中華系民族が増加。台湾人以外の出身者によって政治職は占められ、賄賂の横行、猛烈インフレで社会は混乱。ようやく今台湾として歩んでいる。この過程において彼らのもともと持つ文化は失われていってしまった。独自の言語を理解する者は絶滅の危機。言葉が失われるということはそれを司る者の価値観思考体系も含めて失われるということ。

08/13 13:28
あまなつ

タオ族の青年の語る「アナタノチカラハゲンキデスカ」が印象的。

08/13 13:28
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まーくん
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著者も予めことわっているが歴史専門家ではなく、本書も教科書的な歴史書ではない。しかし私には、これまでになく良く理解できた台湾通史であった。日本植民地時代に古都台南に住み、先住民族の研究を進めた國分直一や後を継いだ台湾人学究らの文献を読み解きながら、先史時代から戦後の国民党時代までの変遷を辿り、著者自ら体感する現在の台湾の歴史・文化へ繋ぐ。台湾の文字による歴史は短く、オランダ占有以降の400年。その後の漢族(閩南・客家)流入により内陸・高地に追われた先住民族。漢族の末裔は戦後の外省人に対し本省人と呼ばれる。
まーくん

古都台南、その外港安平の情景、歴史に詳しい。台南から見た台湾史という面も。

08/08 12:01
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ともりん
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友人から拝借。やっと読み終わった。白色テロを生き抜いた人の本やインタビューを4冊読んだので楽しく読めるかと思ったけれど私には理解し辛い本だった。歴史というか日本人の民俗学者が居たことはわかったかな。「歴史と文化」という題名ほど内容は濃くないのかも。巻末の図書案内は有難い。数冊読んでみたいと思う本があった。ただ、これ持って台湾旅行する人は既に台湾通だと思う。残念ながら友人からの贈呈でなければ最後まで読むことはできなかったと思う。
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かみつきいぬ
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とても読みやすいし、参考図書も記載されていて、台湾を知りたい際にとても有益。ここから他の図書に進みたい。 この本を読むことで、漫然とした台湾旅行をしなくてすむ。台南ガイドは素晴らしい。行ってみたい。
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nnpusnsn1945
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ただ台湾の歴史を述べるだけでなく、地理や文学に言及していた。地元の名物料理も紹介されている。今は海外に行けないが、本書で気になった物は規制が解けたら実際に食べに行きたいものである。
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Koki Miyachi
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台湾の400年におよぶ歴史と文化を人々の視点から追いかけた労作。本論のほか、付録の読書案内もさらに内容を掘り下げたい場合は役に立ちそう。
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mamei
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台湾に興味があり、手に取りました。台湾の歴史について扱った本は他にもありますが、そういうものは台北に注目したものが多い気がします。しかし本書は台南や高雄などの南部の歴史にも、多くのページを割いていた点がよかったです。また、「台湾文学」という視点から歴史を語っていた部分も非常におもしろかったです。戦後の台湾文学が、台湾のアイデンティティ、文化とかかわっているのかが丁寧に説明されており、読んでみたいと思わされました。
0255文字
ngo
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台湾の歴史を振り返ってみると、オランダ、清、日本、国民党と外から侵略されてばかりということがわかる。人種も複雑で消滅しかけてる(した)文化も数多い。昨今の台湾の独立運動の熱意やナショナリズムもこうした背景からくるんだろうなあ
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DEE
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台湾の歴史上の人物は、と問われてもすらすらと答えられる人はそうはいないのでは。蒋介石は中国出身だし。 国が近くてもその歴史や文化は意外に知られていないのではないか、そんなところからこの本は始まる。 庶民の文化の変遷なんかは面白いけど、なんせ文章が硬くてとっつきにくい。著者はたいそうな高齢かと思ったら、まだ40代とは。 台南にも行った後に読めば、また違う印象だったのかもしれない。
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パット
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台湾には①オーストロネシア語族の先住民族(高山族=生蕃、平埔族=熟蕃)②漢族の閩南人、客家人、外省人③近年の移住者、新住民――が住む。 台湾の歴史は①オランダ(17世紀)②鄭氏政権③清朝④日本⑤国民党――という外来政権を受け入れてきた歴史。 本書を持って台南の「老街」を散策したい。
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乱読家 護る会支持!
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台湾の歴史は長くない。決して広い土地でもない。親日国。しかし、複雑な歴史ゆえに、民族や言語は複雑である。 先住民族(山岳地帯に住むアミ族などの人々と、平地・丘陵地帯に住む平埔族に分類される)、オランダ統治時代の記憶、鄭成功、台南の伝統と信仰、日本による植民地統治、国民党の独裁と独立・民主化運動。。。 先住民族の文化や風習に興味があったが、多くのページは割かれていない。現在の台湾に住んでいるのは中国から来た漢民族ゆえ、先住民族に対する研究も進んでいないのだろう。
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T S
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古都台南にゆかりのある日本人(学者)と台湾人たちの物語を軸に、台湾という場所を彩ってきた6つの時代を綴ったユニークな台湾の歴史と文化をめぐる書籍。台湾の歴史と文化をまず知りたい人にはややハードルが高いが、巻末の読書案内を読めば、台湾の歴史をさらに深く知るきっかけになるのでおススメの1冊。
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台湾の歴史と文化-六つの時代が織りなす「美麗島」 (中公新書 (2581))評価54感想・レビュー48