形式:単行本
出版社:河出書房新社
あかり図書室の本!
そう!2冊目!
今野敏さんの「任侠シネマ」を読んで、みんなが「健さんになる」、そんな様子を懐かしく思い出しましたw。
ナイス、有難うございます!
本文よりメモ。「フランソワ・ヴィヨンは女のことで一人の破戒僧を殺して逃げ、盗賊となって《去年の雪、いまいずこ》の一行を書いた。」
やはり、名優は名優を知るということなのだろうか」とユーモアを交えつつも情愛たっぷりに書く。久世は演出家だが、このような随筆をまとめて読むと、文学の人でもあったのだなと再認識させられる。「桃井かおりのお尻の重さは、この世の〈嘘〉への精一杯の抵抗だと思います。なりふり構わぬ筵旗のようなものです」や、夏目雅子を「この人の顔は二・二六のころの母の顔だ」と例え、沢田研二を「つまり本当に選ばれた、奇蹟に近いスーパースターとは、背徳の彗星であり、病んだ日蝕でなければならない」と称する。(つづく)
あるいは、阿久悠にとって「死んだ上村一夫は「港が見える丘」だった」と説く。そこには、久世の文学的視点から生まれた表現を感じずにはおれない。一番読み応えがあったのは「役者ーー沢村田之助と森光子」と題されたエッセイだ。四肢を失くしてなお舞台に立った歌舞伎役者・沢村田之助と森光子を重ねて読み解く大胆な視点は、まさしく久世が文学的感性を持っていたから可能だったのだと確信する。
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