形式:文庫
出版社:筑摩書房
メモ2:気に食わん奴の視点に入り込んで行き過ぎて突っ込みどころを作る。信用できない語り手。そのままま語るだけでは食えない正論について読みやすく語る方法。
暮らしがいくら逼迫しようと増税はやめない、ほとんどの日本人が奴隷に近い。
解説で補強している著者の文章からは、あくまで奴隷は身分であることと、奴隷は主人の財産であることは両立するということが分かる。もちろんその匙加減は主人有利だったろうが、身分と人種を合わせた差別心のもと、奴隷制は誕生し運営されたのだろう。主人は奴隷に衣食住や家族を与えて労働に縛り付け、奴隷は優雅に暮らす主人を恨みながらも自身の状況を鑑みて逆らわない。 それは資本家と労働者の関係そのもの。違いは労基がないことぐらいか。あくまで架空だが、人間社会は繰り返すものらしい。(2/2)
奴隷は開放された後々までも元の主人の求めに応じて一定の奉仕をしなくてはならない、なんて言うあたりは、なんか親子の関係によく似てるよと思った。そして「ローマ人」たることの絶大な自信!外国から連れてきた奴隷には解放後もローマ人たる資格は無いと思っているようで、ローマ人ナンボのもんやねんと言いたくなる。まあ、何れの世界にも主人(雇主)と良好な関係を結べる事もありそうでない事もある。上手くやる方がwin-winとなることは自明の理である。
古代ローマより多くの奴隷がいるというのは人類の母数が違うやんとか思ってしまったり。"人間"という言葉が指している範囲が違うように"奴隷"もいろんな状態を指した言葉だよなとか。いや そういうこと言ってるんじゃないのはわかるけど。
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