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搾取される研究者たち 産学共同研究の失敗学 (光文社新書)

感想・レビュー
38

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Atsumi_SAKURADA
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大学教員兼弁護士の著者が、実際に接した3種類の産学連携での事案について匿名化して解説しています。事案の代表性の評価は困難ですが、類例は集約されにくい性質の情報である可能性が高く、体系的な検討が可能な状況にはまだないのかもしれません。とはいえ、構造的な問題が多分に負の影響を広げているという推測はここから成り立ちそうです。興味深いのは、企業側の経験者による論文などでは、大学側の契約不履行などについて、やはり制度や運用上の欠陥と共に指摘されていることです。関係者以外に見えにくいですが、その影響は無視できません。
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呑司 ゛クリケット“苅岡
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そもそもが、国民の税金を使って国立大学に行き、修士・博士課程を終えた人が社会貢献することは当たり前だと思っていた。だが、内情を知るとそれなりに厳しい生存競争の中にいる人が多いことを知る。アカハラを我慢しても良い働き口が用意されている訳ではない、ポスドクに限らず犠牲者の多い業界だと言うことをこの著作で知った。
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くま太郎
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勉強になった
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ふう
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共同研究の負の側面にスポットを当てた書。共同研究の多い会社に勤めていることもあるが、それぞれの立場に立って適切な配慮ができるようなサポートの充実が産学ともに求められていると感じた。ロールスロイスは自前の研究開発施設を持たず、長期的な研究開発は大学との共同研究で行っているという点は一モデルとして勉強になった。
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Humbaba
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研究者の本職は研究を進めることであり、法的な部分については疎いところがある。しかし、企業と連携して研究を進める際にはそれがネックになってしまうこともある。全てがそうなのではなく、あくまでもそのようなケースがあるということであり、それによって産学連携をやめるというのは暴論であるのは間違いない。しかし、折角の優秀な知識を研究とは無関係なことに割かれるのは勿体ないことであり、変えていくべきことである。
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国語コーチング@ちろちゃん
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長男が研究者の道へ進んでしまいそうなので、いろいろと理系研究者の将来性について情報収集。著者の弁護士としての知識や経験が冴える一冊だ。研究が何よりも好きな若者を食い物にしてしまうこの国の闇システム。このままでは科学後進国になってしまうという危機感から、最近では理系院生への奨学金等も拡充され、かくいう私の長男もその恩恵を受けている。研究者の道を目指す=ブラックのイメージは強く、ドクター院生で日本人男子は非常に少ない。この失敗学を受け止めて、若手研究者がじっくりと研究に打ち込める施策を進めてほしい!
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ナンテン
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自分用の備忘録。 第二章まで読んだ。第三章は後日。 共同研究の目的と成果、そしてその利害が整合していないために起こり得る不幸がある。企業は共同研究によって得られる利益を、大学(教員)は共同研究による資金調達と技術開発を、大学(研究員、実労働者)は技術と経験を得られるような形を目指せればいいのになぁと感じた。
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Yambeee
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産学連携における大学研究者のリアル。共同研究は大学・研究者・企業間でフェアであるべきだし、ケンブリッジの例のように大学側もビジネスとして共同研究をマネジメントする体制は必要だろう。大学発ベンチャーに投資するVCも大学・ベンチャー双方に対するフェアネスを忘れてはいけない。
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言いたい放題
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昔読んだ
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げんさん
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企業との共同研究契約、その契約書には、どのような義務を、いつまで負うか、何も書かれていない。それなのに企業からいつまで何をしなさいと内容証明郵便の圧力がかかる。 その上、教授は助教からパワハラで訴えられる。パワハラしたのは企業の担当者なのに。学内ハラスメント委員会の対応も解らなくはないが、処分をするなら、いつの、どのような言動がハラスメントにあたるかは、具体的にしなければいけない気がする
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HEAVY-BIRD
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超高学歴の高校教員(研究職とは言い難い)が一定数在籍するのも、頷けます。
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takao
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共同研究の名のもとに、大学の機材が無償使用、無償で長時間労働、特許の対価が得られていないなど。これじゃ、日本の将来は暗澹たるものだな。
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あなやまや
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2890冊目。よく書けている。著者は商法専門の弁護士で、成城大学教授だ。ポスドクの収入やエセベンチャー企業のリアルな現状、そして、産学連携契約の中身をよくご存知だ。思うに、研究者の人件費は社会への役立ちに比例している。一年毎でなく、長期の役立ちである。それは、個人的能力でなく、組織や偶然も含めた役立ちではないか。よって、学会的指標でなく、未来の人類への貢献に相関する。ポスドクが薄給なのは仕方ない。製品も、売上も、民衆の笑顔もない時、研究には役立ちが見えない。ベンチャーも同じ。本書は問題提起の書である。
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Myrmidon
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研究者(法学部教授)兼弁護士の筆者が描く、「産学共同研究」における、主として理系若手研究者の苦境。筆者が実際に相談を受けて関わった事例を元にエピソード仕立てにして述べているので、その分だけ客観的データなどには欠けるが、非常に読みやすい。内容は何というか、いずこも同じブラック体質・日本社会の縮図。どう見ても大学を補助金の出る下請けくらいにしか考えていない企業とか、博士号持ちのポスドクがある程度専門知識を生かしたバイトで時給1200円とか。研究者を目指す若者に読ませたくはないが、読んでおいてほしい本(苦笑)。
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おっきぃ
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国策で研究機関や教育機関としての大学を全力で潰そうとしているとしか思えない内容。新自由主義の弊害が自分が卒業した後の大学に押し寄せているとは思いもよらなんだ。どこの頭の悪い奴が考えたのか知らないが、競走していい研究ができるわけがないだろう。先の心配をせずに伸び伸びと研究をしてもらえれば、そのうちまぐれあたりで役に立つ成果が出るかもしれない。そうでなくても、毎年教養を身につけた学生が社会に出てくるわけで、それだけでも十分なはずなのに。本当にこの国の政府はこの国を滅ぼす気か。
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Kazuo Ebihara
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産学共同研究における権利関係のトラブルに 翻弄される若手研究者たち。 キャッシュを産まない多くの大学発ベンチャー企業と、 高学歴ワーキングプアの代名詞ポストドクター。 著者は弁護士として自らが関わった事案を元に、 産学連携の今日的課題を明らかにした。
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rico
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産学共同研究や大学発ベンチャーの意義は否定しないけど、それは健全で対等なパートナーシップが前提。だが、本書で紹介されるじれで見る限り現状は程遠い。企業側・大学側いずれも問題があるだろうが、例えば契約やマネジメントに明るい人材を配置して研究者は研究に専念する体制をつくるなど、必要な資源の準備できない状況が問題の根底にあるのでは。「選択と集中」をが進み、研究者は資金獲得に追われ、成果が上げられない。一方では、異論を封じ闊達な議論を排除する。この国の「知」への軽視は、絶望的なレベルまで来ているのかもしれない。
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zoe
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研究によらず、やりたいことが何でも上手く競争相手にも勝ってばかりの人はそうは多くはないと思いますが、せめて、ただ強欲な人に邪魔されるような環境からは逃れたいですよね。自分のダメなところは、対抗するエネルギーを無駄に使うくらいなら、まず避けてしまえということがすっかり身に染みついて、争うことなく道を譲ることを、君子危うきにとうそぶいているところです。そんなところにエネルギーを使うなら、本文に示されているように、実験ノートまわりのインフラを整え啓蒙することが自分に出来ることかもです。
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レイノー
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2020年刊行。著者は成城大学法学部教授・弁護士(会社法・金融法・企業側防衛支援実務)。◆大学教授と弁護士の二足の草鞋が齎したのか、理工系大学における共同研究・大学発ベンチャー企業を巡る闇を、実例に即して開陳する。◆本書の実例を見るに、大学当局に任せっきりで、共同研究の契約当事者としての自覚のない大学の先生方。それ故か、契約当事者として必要な情報収集(本来は自己防衛目的。リーガル面が本書では主だが、それだけではない)を十分に行っていない。さらに言えば、大学でのポストの差を上下関係、否、指揮命令関係。
レイノー

間違っても経産省や財務省の息のかかっていそうな文科省が推奨する契約書の雛型何ぞ使ってはならないことは当然。

09/22 18:33
レイノー

◆こういう状況に業を煮やした帰結が本庶佑先生の民間企業への提訴なのだろう。

09/24 12:56
5件のコメントを全て見る
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おせきはん
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産学連携の重要性が言われている一方で、研究費と働く場所を必要とする研究者が、資金の出し手である企業と難しい関係になった事例が生々しく紹介されています。完全な定型化は難しいものの、企業と研究者との間でフェアな関係を築ける共同研究の契約の雛型があれば、契約内容のチェックに活用でき、多少は状況が改善するのではないでしょうか。一方で、若手研究者に負担を強いる原因となっている大学の研究室における師弟関係も、今のままではよくないと思いました。
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よっと
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接待のあるお店に行っちゃったお相撲さんなんかも、タニマチさんだから誘われたら必ず受けてやって、と言われて遊びに行ったら協会は守ってくれなかったのかなぁ。などと裏よみするタイプなので、どこに行っても同じだと思ったのでした。
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瀬希瑞 世季子
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実験ノートは大事だということがよく分かる。
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NuHiLook
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大学院の道も厳しいな。できれば今年就職したい。 自分が理系の学部生で将来を考えた時あるいはもともとやりたいと思っていた教育学を専攻に変えて博士までと考えた時、やはり思うようには行かないのであろうな。研究者と言う道で世界に貢献するために尽力しても、関わる会社に搾取されたり国の制度に苦しめられたりと、経済的精神的苦痛が多々ある。この国の学問の発展を脅かすのはこの国であるとは何とも悲しいことだろうか。
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puppy
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政府が推進する産学協同研究とは、要するに研究者自身が予算獲得しろということ。弱い立場の研究者たちが追い込まれている。
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California
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ネタバレ研究者が企業から搾取されないためには、①ポスドクや院生など、本来無償で使ってはならないリソースを投入する前に、適切な対価の支払いがある共同研究契約を締結すること②トラブルは契約内容に基づいて対処し、企業側の過度な要求(時には「脅し」)に応じる必要はないこと、③大学は研究者を守ってくれないことがままあるため(トラブルを理由に処分することすらある)、トラブルが悪化する前に適切に弁護士などに相談すること。本書は、実例を元に研究者が陥りやすい落とし穴を丁寧に示す。
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ブー太郎
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ポストドクター問題を垣間見ることが出来ました。大学の研究者を守るためには、交渉や環境整備を研究者任せにするのではなく、学校が組織的に取り組む必要がある。iPS細胞で、ノーベル賞を取った山中先生ですら経営には苦戦しているのは知らなかった。勉強になりました。
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たけこけた
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ネタバレあとがきに、この本の内容は、別の複数の出版社にも企画を持ち込んだが門前払いとなったと。その理由は、財団法人などからの出版社への広告出稿に支障が出る可能性だと。出版物にも大きなバイアスがかかっていることを痛感させられる。
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shun( 早瀬俊)
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 昔から研究者の中にはオーバードクターと呼ばれる人々がいたのだが、昔は貧しいながらも好きな研究は続けられるから、そんなにも悲壮感は伝わってこなかった。これも小泉改革と大学の独立法人化、産学協働の推進という誤った末の問題だろう。少なくとも研究者のもっとも大きな仕事が資金集めになっている以上、将来いや現在の日本の研究が世界から取り残されることは必至だろう。ノーベル賞を取っている研究者がかなり高齢な人々で後に続くものがいないというのが現実であることを私達は忘れれはならないと思う。研究者がワーキングプアとは。
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Iwata Kentaro
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これも深刻な話。産学共同研究も大変だけど、とにかく若手研究者は日本で生き延びていけない。若手が未来に絶望する社会で、明るい未来はあるのか。
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bbhomejp
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同じ研究者として実際の事例を知ることができたので非常にためになる。大学と企業との共同研究の契約の重要性や利害関係の在り方については参考にしたい。学生時代に読んでおきたい本であったと思う。
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Mimuchi
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ひどい会社があるものだなあと
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kbuto
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弁護士と研究者である著者の観点から、アカデミック界の問題点(闇)を解説している。研究室に所属している自分にとっては、聞いたことのある話も多かったが、実話と思うと背筋が凍る内容だった。授業、ラボ運営、研究費の申請、個人の研究etc...大学の先生やること多すぎる。コロナを機に、オンライン授業を主流にして時間を作って欲しい(大学の意義や学費の問題が出てくるけど)。 この本を一番読んで欲しいのは文科省の官僚の方々…もっと研究者の待遇を良くして欲しい。。
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Yappy!
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このタイトルは、研究者として現状を客観的に、かつ人件費はただじゃないことに気づけた人になら響くのか。知財担当や共同研究関係の契約書確認のできるスタッフが揃っているor弁理士が常駐orがっつりサポートできる契約でいないと、どこでも同じことが起こりうる。 研究者目線だが、戦力が薄い事務系でも同じ感覚で忸怩たる思いのはず。 ただ・・・学をつけなくていいんでは。どっちかっていうと生々しい事例検討本。
Yappy!

大学はタダでやってくれるとゆるがない企業と、研究する人件費は計算にいれていない研究者、数字の成果を求める大学、全てを変えていかないとハラスメントや違法行為がこのまま横行しさらに酷い状況になっていくだろうなと。 英国や米国のことも紹介されているが、研究員や大学院生、非常勤の研究者などの人件費という部分はまだまだ意識も制度も改善されなければさらに日本の研究力は落ちていくだろうと。共同研究を手伝うのに面白いから、自分の研究としても取り組みたいと思ってくれるよう意義などの説明力もますます必要になる。

04/18 15:10
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ぱリ
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産学連携の共同研究について、教員側からの視点で問題を提議する。現下「大学の教員は社会に奉仕して当たり前」感が漂い、民間から(報酬を伴わず)気軽に助言を求められる印象は強い。国の施策で産学連携を推し進めるのであれば、URA・法務・知財によるバックアップ体制の整備が急務。乱立する大学発ベンチャー企業への警鐘も勉強になった。『補助金を受け入れるだけのヴィークル(入れ物)になってはならない』と。
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cocolate
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かわりたくない人が大学人にはおおいのかな。10年後も同じ本がでてそうだ。
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ろくせい@やまもとかねよし
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弁護士で大学教授の著者が、実際の経験から、大学での職務発明、産学共同研究の契約、大学発ベンチャーについて検証し、現状の大学研究者を論考する。小泉政権以来の新自由主義政策が元凶だと解説。市場原理主義的な発想のもと行われた大学改革。しかし、整備すべき産学協同における大学の制度や組織体制は遅れ、牧歌的だった大学研究が民間産業に飲み込まれていると指摘する。大学は、真理を探究する多様な基礎と実用を志向する多様な応用の研究を行う。多様だからこそ新しさが創出する。その多様性が功利により失われることは憂うべきだろう。
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ふたば@睡眠の質改善に当たって、一番肝心なことから目を逸らしていてはいけない わかってるんだろ?
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研究者は、本来研究をしていればいいのであって、何故彼らが自分たちで研究費をかき集めて来なければならないのだろう。企業との共同研究などと聞こえはいいが、企業にいいように使われてしまうケースも多い。やたらと博士を増やしたために、溢れてしまったポスドクたちは、正規職に就くために誰よりも研究に打ち込まなければならないのに、気付けば下働きに明け暮れて研究の時間が取れない。産学連携とはいったい何なのか、一度スタート地点に戻って再考せねばならないのではないだろうか。
ふたば@睡眠の質改善に当たって、一番肝心なことから目を逸らしていてはいけない わかってるんだろ?

でもね、大学側にも、ずいぶんとエラそうなのがいるから。それを見ると大学側が一方的に被害者なわけでもないと思うけど。。。

03/22 17:45
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Wisdom
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アカデミアで生きていこうとする人は自衛のために読んでおいたほうが良い事例集.共同研究は多くの場合,深い闇に包まれているのです...
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