女の老いへの肯定的な描き方もストレス皆無だったな……特に異性との恋に積極的なピエタを通して歳を重ねることにも、老いてからの恋にも、忌避感が付きまとわず彼女の言葉通り「今が頂点」な肯定的な価値観がどこまでも広がっていて読んでいて心地よかったです。 唯一残念なのが、ピエタは医者の道に進んだしトランジも卒業してすぐ私立探偵になったので、どこかのオフィスビル内のお綺麗な企業の全滅事件がなかったこと。さぞかし読み応えがあっただろうに。とはいえ、あの世界のどこかでは起こっていただろうけど。

【ネタバレなし感想】『トランジはトランジは頭脳明晰な名探偵、彼女の回りには死体が溢れてる。』「おはなしして子ちゃん」収録の「ピエタとトランジ」の完全版、というか続編。女子高生探偵トランジと助手ピエタの活躍を描く連作短篇集だろうと思ってたら完全に裏をかかれた。偏屈な名探偵と優秀な助手のコンビはそのまま名探偵ものにも使えそうなんだけど…