『とどのつまりの有頂天』では、主要人物が揃い彼女たちがワイワイ部活動(?)を繰り広げる日常が定番化し、美古都が猫崎さんをより強く意識し始める辺りで、猫崎さんのヘビーな心情が明かされるのだけど、本作では序盤から、猫崎さんの心の暗部に切り込んでいる。軽めの独白がカットされたのも、シリアスを前面に押し出していく本作の方針によるものなのだろう。あるいは、前作にあったキャラのズレを修正するといった意図もあるのかもしれない。
ギャップの前作と、一貫性の本作とで、それぞれに違った良さがあるけれど、個人的に前作で惹かれた部分が本作でも強く引き継がれているのが嬉しかった。⋯⋯同じ“人付き合いが苦手”な2人でも、皆と仲良くやっていくことに幸せを感じる美古都と、そうは思えず、周囲に対し深く心を閉ざしている猫崎さんとの間には隔たりがあって、それが今後どうなっていくのか、物語が分岐したこちらでも見守っていきたいと思う。
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蓮はちょっと、いやかなり被害妄想から自分嫌いになっているというキャラだから…と思っていたけど最後を見るとかなりめんどくさそう。ひたすらデレさせればいいってもんじゃない。前作はコミカルだったとあとがきにあるけど、今作も十分コミカル。