形式:単行本
出版社:国書刊行会
本棚から引っ張ってきた新潮文庫『シーモア―序章―』からの引用→「ぼくはおまえからすばらしく良い小説をもらいたいとは思わない。ぼくはおまえの戦利品が欲しいのだ。」/前半の掌編の中で好きだったのは『おもてなし』『走れメロス、食べろ耕作、なんでもいい方に考えろ由美子』『乗車券はクソガキ』『レッスン1は死ねボケナス』『ビグビー』『僕は中学受験に失敗する』『工場見学』『初恋』あたり。
詳しい感想はこちら。https://www.icchi-kansou.com/entry/2023/07/23/160100
②それも「果てしない現在の更新」を目指し続ける態度に由来する一つの必然であり、これからも読み書き生きる限り変転していくのだろう。「優雅にしかも堂々と休み、軽々と泳ぎ、生き生きと遊び、狡猾に潜み、懸命に格闘する」――それは人が心の奥に秘めた「最高の任務」だ。しかしあり得ない完璧を目指して孤低の軌道を回り続ければどうしても「未熟な同感者」になる他なく、結果として「全世界を異郷と思うもの」の末路をたどる。だからこそ、彼/彼女は「旅する練習」を続ける。世界、つまり現前する《存在-思考》をつかまえるために。
③なお、前半部の笑える掌編集のうち、私的ベスト十選は以下の通り。「丸まり」「走れメロス、食べろ耕作、なんでもいい方に考えろ由美子」「女友達、バレンタインに臨む!」「柔道部主将から最後の挨拶」「合言葉は」「レッスン1は死ねボケナス」「イリュージョン」「Mama don’t go, Daddy come home」「OBドラゴン」「あきらめの悪い人」。次点は「新春 腹話術ドラマスペシャル 殺意が遅れて聞こえるから助けられない、絶対に」。
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