身も蓋もない言い方をすれば、スクルッタおじさんは、自分の名前をはじめ物忘れがひどくなり、親族に「○○はどこにやったのか」と責められ続けている生活にうんざりしてムーミン谷にやってきた、認知症の老人である。衣装ダンスの鏡に映る自分の姿を、ムーミンたちのご先祖様と思い、自分の理解者だとみなしているわけだ。だが、もとの名前を捨てて、最終的には春が来るまで冬眠する姿を見ると、まあそんな老後もいいかもと思う。
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