「血のつながりや家族の絆は、私が大切だと妄信してきたものに意味はあるのか。遺伝子だって記号や単位に過ぎない。目に見えないあやふやなしがらみにがんじがらめになっているのは、私なのだろうか」DV夫が娘に熱湯をかけようとして庇って大火傷をしつつも守った光世に向かって娘の陽花は「私、お母さんみたいになりたくないの」「ずっと日陰に干されっぱなしで、生乾きみたいな女」と言い放つ。娘に恥じないように生きようとする光世に。そして園枝は言う。「でもね、娘なんて、さっさと親を否定するのよ」…まさにうちの事が書かれている場面。
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