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シルクロードとローマ帝国の興亡 (文春新書 1326)

感想・レビュー
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takao
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ふむ
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サタイン
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巨大帝国であるローマ帝国はなぜ滅びたのか。シルクロードという巨大交易圏との接続を切られたせいでその巨大な帝国を維持するだけの稼ぎがなくなってしまったのに軍人に払うお金だけは増えていった事が一つの理由と考えられるというのは確かに一理ある。
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ふぁきべ
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やや推論に頼りすぎている感はあるが、ローマ帝国の主要収入源の一つがシルクロード経由での東方との交易であり、そこで得られる収入が断ち切られたことによる財政面の悪化によってローマ帝国の滅亡につながったという考えは面白い。経済的な側面から歴史上で発生したことを分析していくのはとても重要。 なお、著者の軍人皇帝の時代についての著書も面白いので、本書を手に取って面白かったと思う人にはぜひ勧めたい
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Tmont
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商業と行政とグローバリズムからローマの歴史を紐解いている。中東こそが世界の中心で、ローマは辺境に過ぎないという考えからローマ中心主義にならず、客観的で大変面白かった。これまでローマの官僚機構に触れた本を読んだことがなかったが、ローマはそもそも漢と異なり武断政治で軍人が官僚を兼ねていたようだ。
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HaruNuevo
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ローマ帝国同時代の世界を巨大帝国の時代と捉えて、巨大帝国を繋く交易の大動脈シルクロードを軸としてローマ帝国の衰亡を捉え直す意欲作。 ではあるが、因果を逆転させていないか?結果を原因、原因を結果として扱っていないか?と全体を通じて疑問に感じながら読んだ。 加えて、推論に立脚した根拠を設定してその根拠に基づいて結論を言い切ってしまうモノの言い方にも疑問を感じた。 疑問を感じたら参考文献漁って自分で考えろと言われそうだが、生憎そんなにヒマではない。 教養新書という媒体の限界を感じさせる一冊だった。
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ロビン
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タイトル通り、シルクロード交易によって得た経済力が、ローマ帝国の隆盛と衰亡に深く関わっていたと論じた内容の本だが、様々な資料を用いて古代ローマ興亡の謎解きをするワクワク感があり、スゴク面白かった。1世紀〜5世紀間位のローマ史を簡略にまとめながら論を進めてくれるので、『ローマ帝国衰亡史』や『ローマ人の物語』の復習&補填にもなり非常に有難い。西ローマ帝国が東よりも先に滅んだ経済的な背景ー関税収入の減少と軍人・官僚にかかる経費の増加、税制の改革、東に比較して免税階級の元老院議員が多かったことーも説得力があった。
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アポトキシン
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ネタバレ主に西ローマ帝国の繁栄と衰退の流れを、シルクロード交易と関連付けて論じた一冊。今までのシルクロードの個人的なイメージとしては、中国とローマを横断するのに、タクラマカン砂漠のような劣悪な環境を命懸けで渡るしかないと思っていたが、約二千年前には、既にスエズ運河の原型のようなものが存在し、船を使って交易していたというのは初めて知った。また、西ローマ帝国が滅亡した原因の一つとして、一部の階級が富を独占していたことが挙げられる。そのような状態が続くと情勢や治安が悪化するというのは、現代にも通じると思った。
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ようはん
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ローマ帝国の繁栄を支えた要因としてシルクロード交易による莫大な収入があり、特に輸出入での関税による収入が大きかったという話。海のシルクロードといえば元王朝辺りの時代に栄えたイメージで、ローマ帝国の海といえば地中海ではあるがエジプトのアレキサンドリアからナイル川を登り陸路を経て紅海からインド洋に出てインドに至る交易ルートが盛んだったというのが1番興味深い点だった。
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ジュンジュン
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最新刊「軍と兵士のローマ帝国」(岩波新書)の一章で、軍隊維持の財源として、シルクロード交易の関税収入を挙げていた。面白い指摘だなあと思い、本書を手に取る。近年の歴史学では、新たな潮流として地球規模で歴史を捉えなおすのが流行っているようだ。従来よりシルクロードの意義を重視した仮説は通説になりえるだろうか?説得力はある。だが、まだ証拠が足りない。そんな印象を受けた。
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すいか
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シルクロードと言えばどうしても中国側からの視点になってしまうので、ローマ帝国側からの視点は新鮮。従来の研究では余りシルクロード交易による利益が、ローマ帝国の国家財政の上で重要視されていなかったのは何か理由があるのか。ローマからの主要輸出品についてガラス、ワイン、珊瑚が挙げられているのが興味深い。地中海ヨーロッパ中心の視点なので、イスラーム圏はあくまで中継点としてしか捉えておらず、オアシスルートとそれが最も栄えた唐に全く触れられていないのはかなり残念。
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紫の煙
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(西)ローマ帝国が滅んだ原因の一つとして、シルクロード交易の衰退があったと論じる。シルクロード交易は、ローマ帝国、パルティア、クシャーナ朝、後漢の4大帝国が安定していた時期に活発化したが、大陸の不安定化と共に衰退。関税収入が減り、財政難になったところに、ゲルマン民族の侵入を受けて耐えきれなかった。勉強になった。
0255文字
Homo Rudolfensis
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☆4.4 宮市氏らのシルクロード交易によって金が西アジアに流出したことで後進国である中国とローマは衰退した、という理論を批判しています。結論としては、それは間違いで、ローマ帝国はシルクロード交易によって繁栄し、それから撤退したことが衰退の大きな要因となった、と主張していますが、あくまで粗い試論だそうなので是非批判してほしい、とあとがきにあります。ただ、面白い面白い!と読んでいたため全く無防備に論を受け入れてしまい、批判はできませんでしたね…。これから読む方はどうぞそのことを頭の片隅に置いて読んでください。
Homo Rudolfensis

それにしても、井上文則さんって文章上手くないですか…?それとも文章は普通だけど単に構成や構想が面白いだけなんでしょうか。

04/09 15:38
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くろまる
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前半はエリュトラー海案内記の解説、後半はローマ帝国の衰退は財政難に拠るものだった旨が書かれてる
0255文字
Tomoichi
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ローマ帝国と経済(シルクロード)の関係を考察した一冊。滅亡までの悪循環=交易の衰退がリンクしていてなかなか面白かった。大東亜戦争もアメリカによる経済封鎖がきっかけだから自由経済って大切ですね。また疫病についても経済を沈滞させる要因だったなど今も昔も変わりません。
0255文字
サアベドラ
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ローマ帝国の衰亡をシルクロード海上交易と絡めて論じる新書。2021年刊。著者の専門は軍人皇帝時代。著者も認めているように、本書の主張自体は推論を重ねたものなので歴史学的に価値があるとは思えなかったが、本書で描かれている帝政前期の東方交易の有様は新鮮で楽しく読めた。この時代ですでにヨーロッパの上流階級はアジアの香料や香辛料に夢中だったようで、のちにビザンツ帝国の主要輸出品目となる絹もはるばる中国から輸入していたという。一方で輸出品ではワインなどに加えて地中海のサンゴが輸出されていたというのが意外だった。
0255文字
バルジ
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交易という経済活動を主軸にローマ帝国の衰亡を論ずる試論的性格の強い1冊。現今の新型コロナウイルスによる世界経済の混乱等を念頭に置きつつ読むと、試論的ながら非常の面白い論考となっている。いわゆるシルクロードの交易は海陸双方より成り立っていたが、相次ぐ疫病と戦乱により交易ルートと担い手である商人を含めた住民の激減により交易ルートは崩壊した。ローマ帝国へ齎されていた莫大な関税収入と交易品は途絶し、果ては財政難により周辺異民族への「年金」が削減された結果、西方から壊死を始めた帝国は滅亡へと至った。
0255文字
fseigojp
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シルクロードの大部分はインドからの海の道だった! ユーラシアの中心が、古代は一番栄えていた!
0255文字
ピオリーヌ
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新刊の文春新書だがやや文字が大きい。それだけにさくっと読める。著者は『軍人皇帝時代の研究―ローマ帝国の変容』の専著等ローマ帝国の専門家であり、かつ中国史の大家を対象とした『天を相手にする: 評伝 宮崎市定』も著す等、ユーラシア全体にも目配りをしている印象。この本では筆者版「ローマ帝国衰亡史」といった内容であり、ローマ帝国の繁栄・衰亡をシルクロード交易等の経済面からも着目している。結びとして筆者は「ローマ帝国は主に廉価な日用品を東方に輸出し、代わりに効果で売れる産品を得ており、黒字だった」とし、
ピオリーヌ

この富がローマ帝国の諸都市の繁栄を支えたとする。しかし交易の衰退が文明(西ローマ帝国)の滅亡をもたらし、富裕者層のエヴェルジェティズムの意欲を奪うことになったとある。対照的に漢代中国は黄金が枯渇するほどまでに流出させてしまい、社会の衰退を招いてしまった。このことは宮崎市定、岡本隆司『世界史とつなげて学ぶ中国全市』から判断して事実だろうとしている。しかしヴァレリー・ハンセン『西暦1000年 グローバリゼーションの誕生』によれば、宋代中国はこのような状況を脱し、西方より香料等を輸入し、

10/30 13:52
ピオリーヌ

陶磁器等の工業製品を輸出していたという。また、今年12月には『岩波講座世界歴史』シリーズの第三巻『ローマ帝国と西アジア 全3~7世紀』が刊行され、著者の「三世紀の危機とシルクロード交易の盛衰」が収録されるという。楽しみ。是非読みたい。

10/30 13:52
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健
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シルクロードの交易にかけた高い関税がローマ帝国最盛期の国家予算の半分を占め、その繁栄を支えたとは驚きだ。ローマ帝国の歴史については不案内のため真偽は分からないけど、シルクロードを通じた交易と国家の盛衰が関係づけられて大変興味深かった。また、疫病の流行が帝国の衰亡の切っ掛けになった様なども興味深い。なお、ここで触れられているのは海のシルクロードで、陸のシルクロードは殆ど出て来ないが、実際の交易量がどうだったのか気になるところだ。東ローマ帝国はその恩恵を受けていたのではないかと思えるので。
健

ローマ帝国の歴史と言えば塩野七生が思い浮かぶ。最初の方の2、3冊しか読んでいないので分からないのだけど、シルクロードと国家の盛衰の関係について触れているのか気になった。読んでみようか。でも長いんだよなぁ。

10/28 21:42
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OfuOfu2612
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シルクロード交易の盛衰とローマ帝国の盛衰を結びつけて、筆者の「試論」として半ば想像力を駆使して展開する歴史物語。貿易と国家の関係性が鮮やかに描かれていて、史実かどうかはさておき、面白い。当時の人々の生活に思いを馳せ、何となくわかった風な気分にさせてくれるのも良い。
0255文字
9rikaz00
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シルクロードを軸に、ローマ帝国のみならず漢、ペルシャの興亡まで論じている意欲作。重商主義的な帝国が、パンデミックによって狂わされ、貧富の差が拡大して富者の社会貢献も薄くなる。な〜んか示唆的だな
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をとめ
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電子
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Tetsuji Yamaguchi
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MUNEKAZ
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シルクロード交易とローマ帝国の関係を考察した一冊。(海の)シルクロード交易の衰退が、西ローマ帝国の崩壊に繋がったという結論は壮大で、粗いながらも読ませるものがある。結論に納得いかなかったとしても、単純な重商主義的見方がもはや成り立たないローマ帝国の交易の最新研究や古代世界のパンデミックが知れるなど、見どころも多い。著者は軍人皇帝時代の研究者と思っていたが、最近は宮崎市定の評伝を手掛けるなど、東洋史により接近しており、ユーラシア全体でローマ帝国史を捉える研究者にスケールアップしている感がある。
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Go Extreme
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ローマと漢はなぜ滅んだのか?―宮崎市定とアルバート・ヘルマン シルクロードが運んだもの シルクロードがもたらしたローマ帝国の繁栄 ローマが重視した砂漠と海のルート ユーラシアを襲った変動 東西分裂へ―軍事政権・増税・異民族の侵入 世界史の中のローマ帝国
0255文字
さとうしん
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ローマ帝国の経済的繁栄を支えていたのはシルクロード交易による関税だったということで、シルクロード(本書で問題にしているのはその中でも海のシルクロード)交易の盛衰とローマ帝国の盛衰を結びつけた書。時節柄パンデミックの話題も出てくる。西ローマ帝国の滅亡と東ローマ帝国の存続もシルクロード交易が関係しているということで、話が少々出来すぎという気もするが……
0255文字
roatsu
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従来と異なるアプローチで迫るローマ帝国衰亡史であり、古代ユーラシアを舞台にしたシルクロード(主に海路)交易の経済面と財政面での重要性をローマ帝国の繁栄と衰退に絡めて俯瞰する内容。読み進めれば確かにそうだよねとなる説得力に富む。カプトゥ・ムンデイ(世界の首都)として帝国内外の豊かな物産が集まった古代ローマでその輸出入関税が莫大な収益を国庫にもたらしていた事実とその盛衰がそのまま帝国のそれにリンクするのは当然。やはり時代を問わず経済こそ最重要であり、金の切れ目が縁の切れ目、無い袖は振れない悲しさをまざまざと感
roatsu

なく、常に諸外国との関係が当該国の内外情勢に直接、間接の影響を与える国際情勢の難しさを実感させる。これがローマの東方貿易に及ぼした影響も本書で読むことができる。そして最も興味深いのは当時のローマ人が後世の東インド会社のように株式会社制度や損害保険など本格的にリスクをヘッジして大きな事業を継続的に営む手段(法人や有限責任投資)を持たず、各種情勢変化に対して民間の貿易事業が結果的に脆弱とならざるを得なかった点がある。これは日の下に新しきものなしとは言っても、その後の人類の歴史が多少なりとも進歩していることを示

09/12 23:28
roatsu

していると思う。古代世界は現代の想像を超える幸福さがあったとはいえ、決して万能なんてものではなく、創作などでよくあるようにさも理想の世界のように美化してしまうのは危険なことなのだなとしみじみ思う。

09/12 23:31
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近年のローマの交易に関する研究成果の内容を踏まえつつ、交易とローマ帝国の興亡を関連づけて考えていく。その見方が成り立つのかどうかはさておき、なかなか面白い。 https://historia-bookreport.hatenablog.jp/entry/2021/08/18/000000
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NorthVillageHRE
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ローマ帝国の興亡の原因をシルクロード貿易とした本。アウグストゥス帝の時代に勃興したシルクロード貿易は、その高い関税から帝国に大きな富をもたらしたという。特に、一時期は帝国の国家予算の半分ほどを占めたというのは驚嘆だ。また、その富によって有力者たちのエヴェルジェティズムが可能になり、より一層の繁栄をもたらしたという。しかし、後漢の滅亡に始まる世界全体の不安定化によりシルクロード貿易は衰退、その一方でササン朝やゲルマン人の侵入を受け帝国は財政難に陥り、増税によって特に西ローマでは経済が疲弊、滅亡に繋がった。
NorthVillageHRE

著者もあくまで試論だと述べているが、非常に説得力のある説だと思う。 あと個人的に気になったのが、ローマ人の商業を卑しむ?メンタリティ。ローマが紅海貿易から撤退したのは、そもそものルートの衰退、そしてアクスム王国やササン朝ペルシアに制海権が奪われたことにくわえ、ローマ商人自ら撤退していった側面があるという。それは、もともと商売をいいものと見なさず、財をなしたらすぐに土地を買ってそちらの管理に邁進することが美徳とされていたため、ローマ人たちはリスクの高くなった貿易からは撤退していったのだという。

09/19 22:33
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