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現代思想 2021年9月号 特集=<恋愛>の現在 -変わりゆく親密さのかたち-

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令和の殉教者
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討議「これからの社会学のために」/恋愛が結婚と結びついたものとして家族社会学の枠内で議論されるにとどまっている(単に恋愛そのものの研究は業績が積みにくい)が、家族を前提としない恋愛関係の出現を踏まえた恋愛社会学の必要性を説くもの。日本の社会学史における恋愛論の見取り図を整理・提供してくれる。婚前性交渉が普及し、ソフレへの抵抗感が弱まるなど、ゼロ年代以降の恋愛は「分散された微量の恋愛感情」をやりとりしているが、一方で排他的な恋愛関係の価値化は健在である(その例がSAOのキリトなのはちょっと、だが)。
令和の殉教者

しかし、考えてみれば「腐女子」は自ら作品中での関係に関与したいわけではないのだろうし、翻って「腐男子」の中にも、性愛規範のもとで自らの存在を解釈されるのを好かない人もいるだろう。性愛規範の他者は誰もいないキッチンで、今は黙っているのかもしれないが、声を出して明るい未来について話し合うことで、間違えて凍えてもそばにいれるのかもしれない。

03/16 11:43
令和の殉教者

クワロマンティック宣言/クワロマンティック。それは、恋愛感情と友情を区別しないものと普通いわれるが、既存のジェンダー枠組みに対するもっとラディカルな異議申し立てを含んでいる。つまり、あなたと私の「この」関係が、「恋愛」関係と呼ばれることへの違和感であり、外からの名付けへの抵抗である。ギデンズは関係それ自体がもたらす満足のために維持する関係を「純粋な関係性」と呼んだが、あなたとの関係に惹かれるのは恋愛や友情に限らない。惹かれのカテゴリーを取っ払って、関係を始め、続けること、それがクワロマンティック宣言だ。

03/18 00:29
4件のコメントを全て見る
0255文字
coco
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「恋愛」特集。現代の恋愛の特徴であったり、LGBTなど非標準とみなされる恋愛の形であったり、多様な面から展開される盛りだくさんの論文集で、大いに刺激を受けた。特に面白かったのは「ポリアモリーという性愛と文化」「ロマンティックラブ・イデオロギーというゾンビ」。テーマからして著者の多くは社会学・ジェンダー論寄りだが、個人的には哲学からのアプローチもあったらもっと面白いのに、と思った。
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sapphy
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「アセクシュアル/アロマンティックな多重見当識=複数的指向――仲谷鳰『やがて君になる』における「する」と「見る」の破れ目から」目当てで拝読。お目当てはもちろん、他の文章も興味深く読んだ。クワロマンティックという言葉を初めて知ったり、観たことのあるドラマや映画、恋愛リアリティーショーに触れた論考など様々あり、面白かった。
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中村
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オードブルみたいで楽しかった✌️
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カモメ
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失恋の悲しみ、喪失を経験してどのように生きていくのか叙述した『もう誰かと恋愛することはないと思うけれど』と「自分が他者にいだく好意が恋愛感情か否か判断できない」クワロマンティックに生きる『クワロマンティック宣言』がお気に入り。〇〇フレンドや〇〇セクシャルなど、関係性や感情をカテゴライズする表現が増えている中で、喪失感を経たり相手との親密感で幸福となったりするのは「恋愛」に限らず普遍的なものなのだと感じた。一方で実際の恋愛や性の場では「性別らしさ」が要求され意識されるという問題提起も納得。
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anzuzuzuu
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一番学びを得たのは、自分の価値観だけで決めつけてはいけないということ。世の中にはさまざまな価値観のひとがいるし、それぞれの苦しみがある。正直一番衝撃だったのはポリアモリー(複数愛)について。わからないことだらけなので、もっと当事者の方々の声を聞いてみたい。 そして読んでて思わず泣いてしまったのは、「ゴースティング試論」だ。いわゆる音信不通になって消えてしまう人、状態のこと。自分の苦しみを思い出してしまい、また自分以外にも苦しんでいる人がたくさんいることを知った。苦しんでる人は是非読んでみてほしい。
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朝露 
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松浦氏「アセクシュアル/アロマンティックな多重見当識゠複数的指向」を読むため購入。例えばラグビーを見るのが好きな人に対して「あの選手みたいにラグビーやってみたいの?」とはならないのに、好きな恋愛マンガの話だと「そういう風にされて(して)みたいの?」ということが当然のように見られる、その違和感に切り込んでいてすごく腑に落ちました。
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K(日和)
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多種多様な<恋愛>にまつわる文章・論考が揃っている。自分の中に存在しなかった観点が、その属性を持つ他人にとってはかけがえのない視点であることを知り、自分の仲に新たな世界の見え方が付与される瞬間に溢れる読書体験。 自分の中に秘め、閉じこめることで納得しようとしていたn=1でしかない体験たちが、様々な観点からの眼差しや相対化の方法に触れ、活き活きと自分の中で動き出そうとしているのを感じ心が浮ついている。
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ガジ
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聴講生で取ってる授業関連で読んだ。個人的に面白かったのは、島袋海理さん、中條千晴さん、石井ゆかりさんの論稿。あ、高橋幸さんのもおもろかった。女性学会のシンポで聞けたのも面白かったのと、レヴィナスも授業でやったのでより楽しめた。
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かるてぶらんしぇ
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高橋幸っていうフェミ系社会学者の「ジェンダー平等な恋愛に向けて」っていうコラムの感想を書く。大澤真幸著『性愛と資本主義』では恋愛を他者との距離を埋めようとする営みであるが、その距離は絶対に0にはならない(距離が0であるとき他者の他者性が失われるから)と述べられている。ここで言う「距離」を大澤は「性的差異」からくるものであると論じている。これがヘテロ的恋愛観だと著者は批判しているが、女性性(母性等)は男性も持ち合わせるし逆も然りである。性別以外の差異を他者性に追加するだけで良いものを揚げ足とっている印象。
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よっちん
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研究室
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ykfji
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今は恋愛についてこんなにも語れることが多いんだなというのが改めて驚き。
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みと
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「恋愛」というテーマに真っ向から切り込んだ本を読んだことがなかったので非常に面白かった。「恋愛」そのものについての討議や、同性愛者の同性愛コミュニティの中での生きにくさ、「モテ」に囚われる非モテ男性の話など、この本を読んで知ったことがたくさんあった。特に「クワロマンティック宣言」と「ロマンティックラブ・イデオロギーというゾンビ」がお気に入り。
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澄川石狩掾
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ギデンズの『親密性の変容』を基礎として現代の恋愛の在り方を考察する論考が多い。ギデンズの本を再読しようと思った。
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あ
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Twitterで話題になっていたのでまんまと買ってしまった。スペースで著者の話を聞いたからというのもあるが、クワロマンティック宣言が一番好き。
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てん
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あえて婚姻は抜きにした上での恋愛特集。良かった。婚姻を全てのゴールとしなければ、関係性というものはもっと多種多様な形があるはずなんだよね。そういうことに気付くほどに、おそらく世間一般に言われる「幸せ」からはどんどん遠ざかっているんだろうなとも思う。
てん

「幸せになってほしい」という言葉は最近は一番気に障るかもしれないな。他にも悪意がある言葉はいっぱいあるけど、これを言う人は悪意ゼロ(ていうか定型文なのでその言葉の意味すら考えたことなさそう)というのが逆にいらつく。

11/11 14:56
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おでんのたまご
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ロマンティックラブイデオロギーを微妙に履き違えて理解していたことを知る。そしてなぜフェミニズムがそれを批判してきたのかも正しく理解できた。それがロマンティックマリッジに変化しているというのは納得できる。コンフルエントラブも初めて聞いた。対等な関係いいじゃん、と思うものの余裕のある経済力や安定した精神など、ネオリベと接続しやすい。あとは歌詞や雑誌、少女漫画から見る恋愛も面白かった。韓国では脱恋愛、非恋愛主義が現れている。脱コルもそうだけど韓国のフェミニストは行動的ですごい。
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Kan T.
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社会学や批評では現在そういう話題や切り口で語るんだろうやというのはわかりつつ、書き手の皆さんどういう恋愛してるんだろう、それぞれ「恋愛をやりきる」にどのくらいコミットしてんだろうと素朴に気になった(もちろんこれは書かれる必要はない)。
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aya0514xi
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初読。
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Y.T.
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「センチメンタル無反省」という面白い言葉を知った(清田隆之の「もう誰かと恋愛することはないと思うけれど」論文で登場した。) →センチメンタル無反省とは、ある種の男性に特徴的な恋愛に対する(失恋に対する)態度であり、「失恋の現実的な原因(相手の感情や状況)に目を向けることなく、自分勝手に感傷的な気分に浸る」といったものである。僕は多分にその傾向があるので、気を付けないといけない(けれど、相手のことに気を配れるほど精神の余裕がないのが、失恋という体験なのではないだろうか?これは僕の「初心さ」故なのだろうか?)
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milk
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某スペースを聞きに行って面白くて買った!お目当てのところしか読んで無いけど(これから読むよ!)良かった〜!!!新しい言葉や概念を知るの楽し過ぎる!自分に近いことなら尚更!もう一回あの夜になって欲しい〜〜〜〜クソメモとるのでもう一回やってくれ〜〜!!!
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若葉
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ネタバレここ最近でもっとも面白く感じられる特集だった。中村香住論稿「クワロマンティック宣言」のなかの一文である「そもそも日本の「恋愛」規範には、契約としての「付き合う」と「別れる」がある。始まりがあれば終わりがあるという発想がある。それは本当に窮屈なものに私には思えた。」(p.61)は特に共感を覚えた。他でも言及されていることと思うが、現代思想は他の特集では男性にばかり書かせていることを反省してほしい。
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トム
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ネタバレどの論考も非常に興味深かった。特にメンヘラ少女(メンヘラと言う語の詳細な変遷を知らなかった)、逃げ恥とポストフェミニズム(逃げ恥をなんとなく手放しに評価出来ないと感じる理由がわかった)、同性愛者の恋愛経験に関する論考(同性愛=異性愛と異なり性別役割意識から解放される、という単純な二項対立は成立せず「ついていけなさ」「生きづらさ」がコミュニティ内に存在する)は引き込まれた。
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