読書メーター KADOKAWA Group

生きることとしてのダイアローグ: バフチン対話思想のエッセンス

感想・レビュー
11

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
阿部
新着
バフチンの対話論についてわかりやすい章立てで紹介されている。ひとは対話的存在で、絶えず未完成で変化の途上にあるというように話し合いを超えて人間観として対話ということばを用いている。WSから教育、人材育成まで、ひととひとが触れ合う場を考えるときの思想的支柱として有用だろうと思った。内的対話や沈黙という視点にも触れられていることで深度が増しているとも思った。
0255文字
ИЙ
新着
ネタバレ意外と分かりやすいバフチン。言っていることもシンプルだし、対話の重要性というものは現代人に馴染みやすいかもしれない。ただドストエフスキーのテキストを引用しての論理展開までは分からなかったので、原典を読む必要があると思った。
0255文字
ころこ
新着
ドストエフスキーの小説をポリフォニーと批評したバフチンの着想が、医療行為のオープン・ダイアローグに転じている。その社会的な広がりを踏まえて、バフチンの対話とはどういった行為なのか、そのイメージを掴むための小著。カーニヴァル論との関係で、カーニヴァルは距離の廃棄、無遠慮さを強調し、ポリフォニーはソクラテスの前期と中後期の違いを引いて、互いが距離を保ち、相手と融合しない、相互性を保った状態で対話することが強調される。応答とは形式的なものではなく、それがモノローグだとしても、真理の中の応答可能性のことである。
0255文字
hidehi
新着
バフチンの”カーニバル”とか”ポリフォニー”とかは一見わかりにくいけど、その根本には「対話」についての考え方がある。この根っこから理解しないと言っていることがわからないと思うが、この本ではとてもたくさんの例で、いろんな視点から、バフチンの”「対話」についての考え方”を取り上げて説明してくれている。人間はとても根本的なところから、一人で自己完結してものを考えることはできない、というのは本を読むうえで、それどころか生きていく上でとても重要なことなのではないか、と思う。
0255文字
Hiroh
新着
ネタバレ自分があるがままでいるにも対話が必要。ドストエフスキーのポリフォニー。モノローグ主義、相手を対話の対象としてのみ見、もう一つの意識として見ない。それではいけない。教師はモノローグ的なものの最たるもの。また読まないと、よくわからない……
0255文字
みーちん
新着
ネタバレ購入理由:対話論の存在を知り興味を持ったから 読みやすさ:★★★☆☆ 理解のしやすさ:★★☆☆☆ 満足度:★★★★★ バフチンの対話論そのものがドフトエフスキー小説を引用しながら説いたものだということで、ドフトエフスキー小説の引用がたくさん出てきます。 「対話、声」といった平易な言葉の意味が実は私たちが普段イメージするものとは異なっていたりするので、途中まではイマイチ理解できずに購入したことを後悔することもありましたが、9章あたりで急にバフチン独特の概念が理解できるようになり、かなり面白く読めました。
みーちん

・「対話」で感じた違和感には自分の持っていない外部の情報(異なる視点、メタ)が含まれている※そこに気づくことで成長できる(成長とは新しい視点を手に入れることとも言える) ・「内なる対話」とは外(他人)から(自分の中に)獲得した様々な視点を切り替えて考えること※あの人はなぜあんな考えになったのだろう、あの人の立場だったらどう考えるだろう ・新しい視点は「内なる対話」を経て獲得できる=「内なる対話」を経て人は成長する ・他人を深く理解するには他人の「声」から背景(環境、文化、地域、組織)を知る必要がある

01/14 14:40
みーちん

著者のあとがき「おわりに」にも書かれていますが、バフチンの対話論には現在さかんに言われている多様性や権利の本質を考えるうえで大事な部分が示されているように感じました。  未知なものを理解したいという欲求は「自ら」「楽しんで」「つながりや共通点」を見つけ、「違い」を知ることで活性化される。興味や理解のメカニズムを知ることは、他人と自分を知るための「対話」にもつながる。そんなことを感じました。

01/14 15:10
5件のコメントを全て見る
0255文字
Jessica
新着
20世紀ロシアの思想家ミハイルバスチンによる「対話」の思想。主にドストエフスキー論/解明を目的とした対話論。数度読み返しても理解するのが正直難しかったので果たしてこれを読了と言えるのか謎です… とはいえ彼の思想は近年、教育や精神医療。文化交流などの現場、分野でひろく活用されているとのこと。これをどうやって共有していっているのかちょっと気になります。
0255文字
NAGISAN
新着
ネタバレ難解。ドストエフスキー小説の「ポリフォニー」論評からバフチンに関心をもっている。筆者は、バフチンは〈対話〉論を基にポリフォニー論やカーニバル論を論述し、「出口なき孤独」という「幻想」を作り上げた資本主義社会における〈対話〉の重要性など社会問題の解決への視座を展開している。
0255文字
たろっくす
新着
各所で難解だという評価が多かったバフチンの理念を「対話」と言うキーワードを軸に体系的にまとめた一冊。かなり平易に述べられている本書でさえ理解が難しい箇所がいくつかあった。自分は「対話」と言うキーワードからバフチンに辿り着いたのでこの点については新たな気付きや共感できる点が複数あった。「感情移入は新しい意味が生まれる機会を逸している」「能動的な対話とは互いに応答し合うような関係である」「一人の人間、一つの声では何もできない、解決しない」この辺りは対話の重要性や必要性を語るうえで非常に強化んでいる箇所だった。
0255文字
胡適
新着
素晴らしい。バフチンの未邦訳文献を含め、対話関連の箇所を多数引用していて参考になる
0255文字
Kerberos
新着
面白そうだがわかりにくい。それがバフチンである。文学作品の分析のためのポリフォニー論やカーニバル論は正直なところ苦手であった。ところが近年、バフチンが精神医療の分野で再評価され、それがオープンダイアローグという手法で実際に応用され始めているという。非対称性から逃れられないと考えられてきた医師と患者のダイアローグの(上から目線という意味の)関係を見直すきっかけがバフチンの対話論の中にあったというのである。これひとつとってもバフチンの対話論は21世紀への贈り物ではないか。
0255文字
全11件中 1-11 件を表示
生きることとしてのダイアローグ: バフチン対話思想のエッセンス評価59感想・レビュー11