ネタバレ寡婦、新しい恋人、溺死した妻の三者視点の群像劇。原題Fidèle au posteは死んでなお妻のポストに拘っている様を表しているのかと思ったが、最後まで読むとエマの事でもあったようだ。冒頭の不穏なモノローグで自殺者だと思い込んでいたが、サンマロで泳いだ事のある身としては、あんな遠浅の波も穏やかな海でどうやって溺れるんだ?と首を傾げたのは確か。よもやそんな真相であったとは。誰も幸せになれずアンニュイな読後感だが、作中のグリーフセラピーの回復過程の的確な描写。夫の決断による壮絶な幕切れで忘れ難い余韻を残した
ネタバレ途中でやめたらモヤモヤするので一気に読んだ。たしかに「ずっとあなたを見てい」たよね。まさか幽霊的なのではないだろうし、と思っていたらめちゃくちゃ悪趣味笑!これでここからまた一緒に暮らそうと思ってくれると思えるクロエは随分と現金だな。語弊があると思うけどこのお話の流れつく先としては納得感が高かった。アルレーを思い起こした。エマが一番割りに合わなかったけどそういう手に負えなさも起こりうるよね。原題「fidèle au poste」…仕事に忠実。まさしくそうでした。