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スターメイカー (ちくま文庫)

感想・レビュー
38

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renkon
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私が生きている意味とはなんだろうと漠然と考えてみることがある。空を見上げて、宇宙の広大さを考えていると空虚な気持ちになる。 ステープルドンの生きた時代にあって、宇宙の深遠さが見えだし、個人やコミュニティ生命の危機を感じていたであろう。想像を絶する気持ちでこの本を書いたのかも知れない。 「わたし」が宙に向かって、<スターメイカー>を探索し、精神と生命が進化し続ける旅に私も連れて行ってもらった。
renkon

ダイソン球の元ネタということで、手にとってみた。率直に「(文量以上に)長い」と「ややこしい」が、最初に来てしまう。もう一回読み返さないと理解しきれない。でも、これを読み切れた人はセンス・オブ・ワンダーを感じることができると思う。 精神的な面だけでなく、それに至るための生命はどうなっているかというイメージも面白い。例えば、<スターメイカー>は我々のいうところの唯一神的神に相当するが、我々の考えるような神ではない。また、集合意識がどのような経緯を辿ったかを書いてあるのも面白いと思う。

03/21 13:07
0255文字
特盛
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評価4/5。ガーディアン1000SF。いやー疲れた。クラクラ来た。人生で読んだ小説の中で一番物理的・時間的広がりがある小説だ。三体が霞むくらい。ヘーゲルの精神現象学のSF版といった感じか。或いは宗教書でもあると言われれば納得。主人公の「視点」が多くの宇宙を彷徨う。宇宙の始原から終局まで、膨大な数の生物の始まりから終わりまでを悠久に近い時間の中で見届ける。争い、愛、宗教、文明の儚さ。そしてスターメイカーと名付けられた創造主の存在にも対自する。兎に角圧倒的な質量の物語。よくこんなの想像・書けるわと感心した筆致
特盛

本書が上梓された時代は1937年。ヨーロッパにきな臭い雰囲気が漂う頃。そんな時に文明やそこでの我々の営みを究極的にまで俯瞰、相対化して一体我々は何をやっているんだ、と観照するのが作者にとっての主題か。作者は哲学の博士号も持っているのは納得。哲学的なSFと言えばソラリスが私には思い浮かぶがそっち系だ。世界は我々が理解できる、という前提を揺るがす。翻訳の限界もあるのか、抽象的でイメージしずらいシーンが延々続き正直途中は非常に読むのにエネルギーを使った。もう一回読み返すにはしばらく充電が必要であろうなぁ。

09/23 16:47
Himeko is not cat

レビューを拝読してとても興味を持ちましたが、私には難しそうだな…きのう届いたので、まず三体読みます!

09/23 20:50
0255文字
Vincent
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前半は未知の惑星で暮らす異星人たちの様子がスウィフトの『がリヴァー旅行記』を彷彿させるようなタッチで描かれて興味深い。異星人の科学技術や階級間のイデオロギー、災厄、戦争など地球人のそれと似ているのが意外。後半は観念的抽象的な描写が多用されて難解でした。
Vincent

英ガーディアン紙が選ぶ必読小説1000冊

09/16 02:40
0255文字
海星梨
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メタメタに時間かかったー! すごい。なんだろ。いろんなSFの原点ここにありますみたいな。いろんな生命体もそうだし、優位者が下位のものを導くのもそうだし、世界戦争とかも。宇宙と銀河の全てがある。どんどん広がって大きくなっていくのが壮観。でも、全能神に収束してくあたりはキリスト圏すぎね? って気がして眠くなった。他のも読みたい。
0255文字
岡部淳太郎
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ステープルドンといえば、ハヤカワから出てた「シリウス」「オッド・ジョン」だが、正直こっちの方がはるかにすごい。なんでもっと早く文庫化されなかったのかと思う。「想像力」によるある種の宇宙年代記は圧巻だし、普通の小説とはまるで異なる。まあ、そこが本書の最大のネック(普通ではないため敬遠されやすい)ではあるのだろうが。本書を読んで、ステープルドンってある意味異星人なのではとか、思ったりもした。仕事前にこんなの読了したら、仕事がくだらないものに思えそうで身が入らなそうw
0255文字
そふぃあ
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非常に多種多様な知的生命体が登場する。各々がディテールに富んでいて、それぞれが一本の長篇にできそうなほど想像力が詰まっている。特に甲殻種と魚型種の共棲関係のくだりは羨ましかった。精神的に深く繋がり合える他者など、地球人には望んでも手に入らない。種族同士や他の生命体同士で延々と戦争状態なのだが、規模が途方もなく大きくなる。やがて星そのものにも意識があることが判明し、生命体同士では飽き足らずついには恒星-惑星間で戦い始める。グレンラガンのようなスケールのでかさだった。一応最後まで読んだが、大変な道程だった。
そふぃあ

面白かったがそれはそれとして、どうしても読みにくい、日本語なのに理解できない部分が多かった。特に”心霊”だったり”神霊”だったりがピンとこないのに、頻繁に出てくるから付いていけなかったりした。他星の知的生命体を"人類"、"人間"と呼んでいるのもしっくりこなかった。 もし私が英語ネイティブだったして原文にあたっても、相当読みづらいと思うのかもしれない。 これからの方は、ゆとりのある時間を確保した上で覚悟を持って読み始めるのをおすすめする。

06/12 15:27
0255文字
Y田
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ネタバレ筆者の見ている全宇宙の歴史、その思想という感じ。時間空間のもの凄いスケール、宇宙船型人類や植物人類など、膨らませられる想像力、素晴らしい😊 ◆一つ、別に批判とかじゃなくて思うのは、宗教的、てかキリスト教的、又西洋史をそのまま宇宙に当てはめたような、そんな印象も受けること。筆者の宇宙観は【絶滅の危機を目覚めた存在によって乗り越え、より高位の霊的存在となっていく】という様な感じだろうか。序文にもある通り、筆者が世界大戦の世の中から感じとったものなんだと思う。大変興味深い作品。
Y田

◆世界規模の共同体,目覚め,統一的精神,高位の霊的存在,神霊の成長,善と悪の闘争,宇宙の究極は愛ではなく観照、、こういう感じのワードが本書キーワードかと思う。ホント良い悪いの話じゃなくて、ちょっと違和感もあった。宗教的というか(あとちょい左寄りか)、、海の向こうの人たちはこういう世界観がしっくりくるのかな。どうなんだろ。

01/30 16:35
0255文字
ぼすちゃん
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ヤマザキマリさんがおすすめしていたので手に取りました。肉体を離脱した主人公が、時間を超え宇宙にいる多くの生物の文明の繁栄、滅亡が書かれたS F。1937年に書かれたとは思えない内容。文明の繁栄、衰退、滅亡が当時の社会を指した寓話ではと思わせる内容でした。文章が理解できない箇所と意味がわからない言葉が多々あり、辞書を引きながら読みました。私の理解力の低さに落ち込みました。 じっくりと腰を据えて読む本だと思います。
0255文字
姉勤
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相対性理論や量子力学が萌芽し出した1930年代に、最近のマルチバース理論やインフレーション宇宙を想起させる、遠大な宇宙精神を"感知"し、記した、奇書。幽体離脱した「わたし」が他の星系意識体と接触し、昆虫、植物、宇宙船、ハイブリッドな生物から進化した知性体たちの興廃をヴィジョンとして経験する、精神の融合は、それは星の意思であり、星は星団、星雲、銀河、銀河群と集まり、滅びや残酷も、進化のための正解とする知性の集合や相剋によって究極的に膨張(もしくは縮退)した"スターメイカー"と’わたし’はどうなるのか。
姉勤

宗教家の御筆先のような荒唐無稽とも思えるし、登場人類が標準的に備える、テレパシーを受信したとも思える。しかし、作品の神たる筆者が、「わたしが表現すると実情とそぐわない可能性があるから描写しない」。などメタな文章もあり、本当に体験したのかもとも、ああ、課金しても受信機が脳内に欲しい。

10/17 21:37
姉勤

スターメイカー。愛と理性で究極の平安をもたらすキリスト教的神でなく、ゾロアスター的ポジティブとネガティブの永遠の争いや。ヒンズーの創造と破壊の繰り返しが世界の平常運転な、惑星知性、星系知性、星雲知性、銀河知性、全宇宙知性と原子核の知性。極大も極小も刹那も永遠も、善も悪も渾然一体。仏教的でもある。

10/17 21:39
0255文字
AKIHIRO ISEKI
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これが1930年代に書かれた本だとは驚き。
0255文字
藤月はな(灯れ松明の火)
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ネタバレ人類である記述者が幽体となって見つめるは創造主、スターメイカーが作った一つの宇宙の行く末である。映画「最初にして最後の人類」の歴史も記述されているが、約9億年の広大な時間も宇宙の年表で照合すると、本当に刹那の時間だったのだなと実感。そして星々の自殺から星々にも自己意識がある事を見出す場面は無意識に自己は人類を中心に形成されていると思い込んでいた事に目を開かせた。また、拡大から自塞へ至るユートピアからの闘争に『三体 黒暗森林』、遥かなる時を経て循環する宇宙の姿にスタンド「メイド・イン・ヘブン」を重ねてしまう
0255文字
ヴァーバルキント
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ネタバレ読み始めたとき、木内鶴彦さんの体験談をちょっと思い出した。こちらは想像力による宇宙の歴史物語だ。しかも書かれたのは、1930年代。まるで自分の目で見てきたかのように、壮大な宇宙の物語が次から次へと繰り広げられる。筆者は、魂を想像の翼に乗せて、どこまでも果てしなく飛ばしていける。筆者が描く星や宇宙人のほとんどは悲劇的な結末を迎える。なかには、絶滅を予知しながら、冷静に受け入れる宇宙人まで登場する。筆者は彼らに同情することなく、最後まで冷静な観察者であり続ける。そこがこの本の魅力の一つかもしれない。
0255文字
晩鳥
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映画の『最後にして最初の人類』を見てオラフ・ステープルドンに興味を持ち読んでみた。1937年発表のSF小説だが、宇宙の描写や行く末の描写は今読んでも古臭さをほとんど感じない。壮大すぎて哲学書を読んでいる気分になった。
0255文字
llll'
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.
0255文字
Mits
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ここまでくると宗教だねぇ 一神教的なサムシング・グレートが存在するとすればこういう形、っていうのはわからなくもない。それと、描かれている色々な知性の形というのが、今のSFファンから見てもそんなに古びてないものもあるというのが、当時からするとなかなか大したものだと思う。
0255文字
SOLVEIG
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結構しんどかった――というのが本音かな。面白くないわけじゃないんだけど、何度か読み返したりしつつでかなり時間かかったし。ラストはまあ「やっぱり。そうくるよなあ。」という感じだった。 中身はというと《SF小説を書くためのネタ帳》という印象!? 心と時間に余裕がある時にじっくり再読したい一冊ではあります。
0255文字
Э0!P!
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幽体となった主人公が、創造者スターメイカーの存在を追い求めて宇宙中をめぐる。序盤では、ある星の人類にも通ずる紛争のメカニズムと歴史を導入部に置き、銀河紛争へと発展していく様子を観察する。不可解な恒星の爆発を契機に、星々にも独自の精神と社会があることを発見する。最終的にスターメイカーに遭遇するが、その存在は慈愛に満ちたものではなく、半ば冷徹で恬淡とした超常的存在であった。最後、紛争に明け暮れる我らが地球に帰ってきて、宇宙と対比したときの人類という極めて矮小な存在に思いを馳せる。
0255文字
2n2n
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主人公は地上で夜空を眺めながら、人間同士の愛と宇宙を支配する原理について思いを馳せていた。すると突然、主人公の精神は肉体を離れ、宇宙へと昇って行った。主人公は肉体を持たない精神のまま、地球人とは異なる知的生命体と出会った。主人公は彼らの精神に入り込んで、その文明の栄枯盛衰を目の当たりにした。そして再び宇宙を飛翔して他の惑星の知的生命体と出会い……という、果てしない旅の物語。やがて主人公は〈スターメイカー〉(創造主)の存在を認識する。
2n2n

①時間的・空間的に超スケールのでかい話で、どこか神話的・非人間的な物語である。しかし、創造主という超越的な存在を、未熟な面もあると描いているところがユニークだなと感じた。創造主は宇宙を創造する一方、被造物を創造することを通じて創造主自身も成長していく一面もあるのだ。この点、やけに創造主を人間的に描いているなと思った。この創造主と被造物の関係は、ケアラーが患者をケアすると同時に、ケアラーもまたケアという行為を通じて患者から精神的な支えのようなものを受け取っている、という話と似てると思った。

06/04 20:30
2n2n

②一人称小説だが、主人公は肉体を持たない精神の存在で、文明や宇宙を俯瞰的に語るため、語り口がどこか三人称的でもある。しかし神の視点とは異なる。主人公は神(= 〈スターメイカー〉)ではない。

06/04 20:33
0255文字
蝦
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ネタバレ宇宙を舞台にして、様々な人類の興亡や宇宙の始まりを描く。『ガリヴァー旅行記』を彷彿とさせる内容であり、観念的なところにまで触れてくる難解な一冊。冗長さを感じ、ツラい読書になってしまった感じ。自分の力不足なのだろう。個人的には色んな人類の興亡はそこまで描かれなくても良かったかな。
0255文字
こんの
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何か引力を感じて手に取ってみた。壮大で哲学的でなかなか消化が難しかった……今の自分には早すぎた感がある。
0255文字
クロノ
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かなり難解だったがスケールがすごく大きかった。小説というより宇宙の始まりからその終わりまで見届ける神話を読んでいるような感じがした。80年以上前にこのような作品が書かれているとはものすごい。
0255文字
haluc
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読み切るのが大変な本だった、特に観念的なところは眠くなったりうんざりしてしまいほぼ理解できた気がしないが、ところどころにハッとする壮大な想像力を感じて古典でありながら今なお新鮮ですごい本だと思った。じっくり読むに値する本だった。
0255文字
りんご
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これはSFというより文化論でもあり,書かれた第二次大戦勃発前の世界情況について。そして,哲学書でもある
0255文字
geoff
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生きる意味とは何か、そんな陳腐だが根源的な問題関心を持つ中、早大の森岡教授が本書を愛読していると知り、読み始めた。「この(神霊的な)経験は、個人としての目標、社会としての目標、人類としての目標からの超脱をともなうが、それにより個人がこれらの目標を否定するのではなく、むしろ新たな形で讃美するようになるのである。」序文の文章に強く興味をそそられた。日常を超越した宇宙的な視点を持つことで、私達は倫理的に生きられるようという宮台真司氏の過去の発言を思い出す。とにかく、この発言にあるようなテーマを(続く)
geoff

持ちながら、私は本書を読みすすめた。序盤の部分で、主人公が宇宙の真実を探ろうという情熱と、「妻に会いたい(泣)」みたいな人間的な感情の狭間で揺れ動くのが微笑ましく、共感を誘う。物語はコスモスの様々な世界を説明しつつ展開し、最終的にはかなり抽象的かつ難解な内容になっていく。私が当初持っていた問いに対する答えは得られたかと聞かれれば、正直わからない。360頁あたりの、被造物はスターメイカーに作られながらも、彼を育ててもいたというような内容の記述は気になる。(続く)

01/28 19:52
geoff

これが答えになるのか。私がそれを判断するには、まだ思索が足りないようである。人間を超越した存在に圧倒され、無力感に打ちひしがれながらも、目の前に広がる世界で自分がどのようにして倫理的な生を全うしうるのか、どのようにニヒリズムに飲み込まれずに生きるかという問いはこの先も考え続ける。本書を読む中で、思索をする上ではSF的な示唆というのは欠かせないな、と改めて認識した。哲学書などとともに、これからはSFにももっと触れていきたいと思っている。

01/28 19:59
0255文字
gibbelin
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凄い小説?だ。異星人類の生態あたりはまだ面白いのだが、その先、またその先へと。
0255文字
pn675
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ネタバレこの作品のスケールの大きさは随一で、最初は〈別地球〉の人類に似た生物社会の興亡が書かれるが、その後、数々の人類社会、惑星系、銀河系、星雲に宿る知性、宇宙そのものと、次第に観念的な内容になる。タイムスケールが対数目盛で表されている作品はこれと同作者の『最後にして最初の人類』ぐらいだと思う。現代的な評価ならばファンタジーあるいは叙事詩になるが、全てのSF的世界が内包された壮大なビジョンに圧倒される。
pn675

スケールが大きい作品が好きで、長距離移動に快感を覚える旅行者の方がいるそうだが、それに倣えば、私は時間や空間が長く広く描写される作品を読むとき快感を覚えると言ってもいいかもしれない。

01/24 17:04
0255文字
Pustota
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圧倒的な時空間のスケールで描かれる、眩暈がするような神話。暗く静かな宇宙空間を彷彿とさせる、淡々とした物語。無慈悲で、なのに希望も感じる、そんな宇宙の姿があった。まだスターメイカーは、私にはとらえられない。「不毛だ、不毛にして些末なのだ、これらの世界は。それでもその経験は不毛ではないのだ」(343頁)
Pustota

正直、読んでいる最中はよく解らなくて、退屈さすら感じていた。しかし読み終わったからじわじわと、静かな感動と衝撃が沸き上がっている。いつか必ず再読する。

01/26 21:44
0255文字
蠹魚庵主人
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ネタバレ全宇宙とその全ての時間を飛翔するイマジネーション。SFかというとむしろ一種の「思索小説」あるいは「異世界探訪譚」(ガリバー旅行記を連想した)と言う方が近いと思うし、ハードSFを読み慣れた身からすると超長距離通信は全部「テレパシー」で片付けられてしまうあたり流石に時代を感じてしまうし、宇宙(「コスモス」と言うべきか)の背後になんらかの「意思的なもの」がなければならないという信念はやや人間(「知性」と言うべきか)偏重ではないか、と思わないでもないが、描かれるビジョンの壮大さは比類ない。
0255文字
マリコ・マリナ・オナラ
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観念的な世界がつづくのでストーリーを追う感じではないです。3章過ぎたあたりから具体的な描写になりますが、宇宙なのか内的な世界なのかわからなくなるほどで、知性の美しさを表現している感じで引き込まれました。 手塚治虫は『スターメイカー』を読んで『火の鳥』を思い付いたのかな、と思うほど広がりを見せる世界観でした。
0255文字
ハルト
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読了:◎ 凄まじいイマジネーション。こうまで新しい宇宙と人類の創造を見せられるとは。読み終えるまで時間がかかったけれど、そうしただけの価値はあった。読後のずっしりとした疲労感の中に、やりきったぞという充足感がある。▼精神体となり、宇宙の興亡を見続けてきた主人公。著者独自の哲学的思弁が散りばめられており、それが〈スターメイカー〉となって顕現しているように思えた。はたして神とはという問いにも繋がる気がする。
0255文字
ガオシャン
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宇宙の過去から未来まで、よくここまで細かく考えたな、すごいな、と思うと同時に話に起伏がなくめちゃくちゃ眠たかった。用語の注釈がほしかった。作者が多神教の国に生まれ育った人だったらどんなスターメイカーを書いたのかなー、ちょっと読んでみたい。
0255文字
無重力蜜柑
新着
ネタバレ「存在の階梯」が出て来るSFの原点のような作品。『幼年期の終わり』も『果てしなき流れの果てに』も、少し毛色が違うが『ソラリス』も多分ここから来たのだろう。オカルティズムや神学のような抽象的で瞑想的な思弁が宇宙物理学や奇妙な生物学、果ては時間論と結びついてどこまでもスケールアップしていく。後続のワイドスクリーンバロック諸作にかなり類似した雰囲気があるが、こちらは遥かに思弁的でもはや半分以上小説の体を成していない。なんといってもほとんどセリフが出てこない。エンタメではないが有益な読書だった。
0255文字
小太郎
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SFの歴史的名著というので読みましたが、これは時間が掛かった!話としては主人公が幽体離脱して宇宙の深淵を旅し訪れた世界で出会った異なる人類、文明にたいする哲学的思索が話の縦筋。ただ思弁的な内容と形而上学的な部分が多すぎてリーダビリティがそんなにあるわけではありません。でも1930年代にこれだけの壮大なSFが出来ていたことに驚きます。たしかにこの後の神や創造主などに関わる小説に絶大な影響を与えたのは間違いないと思いました。
0255文字
Shun
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SF史におけるまさに神話的大作とでも言うべき壮大さと難解さを兼ね備えた、ステープルドンの代表作が待望の新装復刻。一度は読んでみたいSF小説の1つでしたが、難解な哲学的思索に理解が追い付かない場面が多く「三体」よりも苦労し、スタニスワフ・レムの小説に近い印象。読者は宇宙の歴史を俯瞰し飛び越えながら数多の生命、そして文明が辿った道のりを辿っていくわけですが、そのガイドとなる集合意識に便乗し壮大な旅を体験します。それはまるで人の意識を保ちながら精神だけが時空を超えて宇宙を旅をしたような高揚感に満ちた経験だった。
0255文字
スターライト
新着
国書刊行会版で読んではいたが、その時間的空間的スケールに圧倒された感動を再度味わうべく、文庫化なった本書を読んだ。全面改訳されたせいか、長い時間を経て再読したせいか、冒頭の一文から物語に一気に引き込まれていく。再度の世界大戦の影におびえながらも壮大なスケールで生命の興亡が展開される。タイトルになっている「スターメイカー」という存在を知った「わたし」だが、スターメイカーが自らが創造した星の知性体が苦しもうとも救済せず傍観しているのは、作者のどんな思いがそう書かせたのか。『最後にして最初の人類』の文庫化も期待
0255文字
lico
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「ある夜、わたしは生の苦さが身にこたえて、家を出て丘に登った。(15P)」壮大なスケールで宇宙と知的生命体の姿が描かれているが、そこに描かれているのは人類そのものの姿である。この物語は、人類への期待と失望の表明のようだ。空に広がる星々の、異星の生物たちを通してユダヤ人の迫害が、30年代の地球の姿が、そして現代の地球の環境を仰ぎ見ることになる。のちのファースト・コンタクトSFにある、理解できない知能はそこには存在しない。この本にあるのは圧倒的な共感と人類の苦悩であるように感じる。
0255文字
Tapio
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読んだのはちくま文庫ではないのは確か。
0255文字
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スターメイカー (ちくま文庫)評価63感想・レビュー38