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月夜の森の梟

感想・レビュー
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るい
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藤田宜永氏を亡くした小池真理子さんのその後のエッセイ。恋愛から始まり子どもはつくらないと決めた夫婦の37年間、派手な喧嘩も別れ話もあったが結局私たちは「かたわれ」であり別れることはなかったと。そう、お二人の仲睦まじく楽しかった場面がたくさん。📍死は当人にとっての永遠の安息であると同時に、身近な者にも或る種の安息を与える。自分以外の生命の行く先を案じ、怯え、不安におそれおののく必要がなくなるという意味において、これ以上の安息はない。(文中引用)📍避けて通れない問題なので手にした。
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すだち
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夫で作家の藤田宣永さんを亡くした喪失感を綴っている。季節が4度巡っても寂しい。自分だけ他人と時間軸がずれてるような違和感。37年連れ添い、よく喋り、喧嘩もし、他愛ない会話も熱情も余すことなく交わしあった二人。小池真理子さんならではの静謐で美しい表現。『時は流れていく。生まれたものは消える。始まったものは終わる。ひとつの例外もない』当たり前のことなのに、心に深く染み入る。『そうか、もう君はいないのか』も思い出す。伴侶を亡くした多くの人が抱く感情をこのような文学にできるのがさすがだと思う。
Tomo

小池さんにしか残せない感情の記録であり美しい文学だよね。この装丁も好き。

03/21 21:37
すだち

Tomoちゃん、読みたいと思いながら何となく怖くて後回しにしてたこちら、読んで良かった。小池さんはエッセイも美しい。装丁も寂しさと孤独感を感じさせる絵だよね。タイトルまで全部美しい。

03/21 23:32
4件のコメントを全て見る
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わたえみ
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ネタバレ想像以上の内容に、続けて、2回読む。 喪失を受け入れることは、時間がかかる…それぞれに必要な時間が違う、と改めて思った。 「なんとか励まそうとしてくれているのだから、言われた側もありがたく受け入れているふりをするようになる」「言葉にならない気持ちを理解されたいと願えば願うほど、真の理解は得られず、哀しみが深まっていくことはよく分かっている」 喪失体験ではないけど、我が家のこの数年に通ずるものが…当事者同士でないと、話しにくいし、分かり合えない。何についても言えることなのかも…。
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さら
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ネタバレ小池真理子さんが夫の藤田宜永さんをガンで亡くし、その喪失感を綴ったエッセイ。図書館の福袋「夫婦で作家」で借りた本です。 仲が良い夫婦だったと随所に感じました。だからこそ喪うかもしれないと思った時、喪った後はつらかっただろうなと思いました。印象に残った言葉。 「死が迫っている百人の病人とその家族には、百通りの人生があり、百通りの人格、関係性がある。どれひとつとして、同じものはない。死はすべて個別のものだ。喪失の哀しみから立ち直るための理想的な、唯一絶対の方法など存在しない。」 深い哀しみを感じました。
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元吉
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★★★★★ 小池さんの本は久しぶりだ。37年間連れ添ったパートナを失い、森の中で愛猫2匹と暮らす筆者の一年間のエッセイ。亡くなったパートナの藤田氏以外にほとんど人間は登場しない、登場するのは小動物、鳥たちだけ、そして社会はコロナ下で人との接触は皆無、たしかにSFに登場するような世界だが、現実だ。ボクの周りにも、最愛のパートナを失った友人がいるが きっとこんな感情を抱きながら喪に服しているのだろうか、何か気の利いた励ましが必要かなと思ったが本書を読んで不要と思った
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エリ
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☆☆☆
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湖都
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ネタバレ夫を亡くした著者のエッセイ。配偶者を亡くした喪失感が、自然の生き物や植物と一緒に語られる。風景が美しく叙情的であるが、内容が内容だけに辛い。夫への愛情が伝わってくる。喧嘩も沢山したと言うが、仲睦まじいカップルだったのだろう。何を見ても夫を思い出すのだろう。まだ過去にはならなくて、いつ過去になるのか、過去にしてもいいのかもわからないのだろう。一冊読み切っても、まだまだ終わらないように思えた。キャンサーギフトという言葉が紹介されていたが、私はそうは思えない。少しずつ死んでいくのを見ているのも辛い。
maxa

大切な人を亡くした喪失感や悲しみは時間が経っても少しも薄まることはないということを感じた一冊でした。過去にはならないですね。

11/28 13:37
湖都

悲しみが薄まることはなくても、それだけ思える人がいるということは幸せなのかも。自分のことになったら、そんなの綺麗事だと言うかもしれませんが。

11/30 10:55
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たかみ〜
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作家の小池真理子さんが夫を亡くしてからの日々に書いたエッセイ集。胸に迫るものがある。
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マシュ
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小池真理子さんのエッセイ。夫である藤田宜永さんが癌で亡くなった後の喪失感や日常を綴ってあったが、どれも自分がもし夫を先に亡くしたら……と胸がギュッとなった。とはいえ、こんな思いを夫にはさせられない。長生きせねば、と強く思って読了。
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だいふく
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人を愛するってこういうことなんだろうなと感じる描写が多かった。カップラーメンと愛情表現のお話が特に印象に残ってる。自分の半身のような存在がいなくなってしまうような感覚、赤の他人には躊躇ってしまうことも何の迷いもなく行動に移せてしまうこと。 最期をどのように迎えたいか、自分にとって大切なものは何かなど死生観についても考えさせられた。
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nonpono
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久しぶりの小池真理子。10代の時、「知的悪女のすすめ」というベストセラーを読む。そして、「恋」で直木賞。その5年後に旦那さんの藤田さんが直木賞。ある時期、作家の地方移住が流行ったが、この夫妻は蔵書が1万冊あり保管の為らしい。羨ましいが膨大。クリエーター同士が同じ屋根の下に住む大変さ。愛憎と嫉妬がさらに渦巻く日常。しかし、小池真理子曰く「私たちは互いが互いの「かたわれ」だった」と言い切る強さとかっこよさ。魂のかたわれですね。ルッキズムにうるさい今だが、まさに美男美女の華やかなご夫妻でした。藤田さんに合掌。
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のんびりさん
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だいぶ前になるが、林真理子先生のYou Tube「マリコ書房」で紹介されていた。小池先生のことを「名文家」とおっしゃっており、友人にご家族を亡くされた方がいて、ふとこちらの本を思い出し図書館で借りた。小池真理子さんは初読みになる。37年連れ添った夫の「かたわれ」のような存在の故藤田氏をを亡くされた悲しみが、静かに深く綴られている。さびしさと悲しみが軽井沢の自然の様子と一緒に伝わってくる。文庫本も出ているので、購入して手元におきたいと思った。小説もこれから是非読んでみたい。
のんびりさん

実家の80過ぎの両親は、市の高齢者の体操教室に月に数回通っている。母が通い始めて、母が父を誘って行き始めた。エッセイの中で「円陣を組んで体操しているおじいさん、おばあさんの中に、私は死んだ夫と自分のまぼろし〜」のくだりを読み、2人で通っている両親は幸せな時間を過ごしていると思った。その時間が少しでも長く続きますように。

07/22 14:15
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kart
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久しぶりに一気読み、涙腺が緩む本を読んだ。心打たれる文章は多々あった。本を読む中で、思い浮かぶ大切な人と出会えた人生で良かったと心から思った。そして残りの人生どのくらい共に居れるかは分からないが、大切にし忘れたくないと思った。今日も変わり無かったな〜なんて思ってしまう日もあるが、それなら一言でも相手と会話をしようと思った。オウム返しでも、しりとりでも良いから共有した時間を過ごしたいと思った。
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K
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静かに、しんしんと、喪失感が伝わってくる。 愛するものに逝かれるのも、愛するものをあとに残すのも、どちらも恐ろしい。
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朔ママ
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⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
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けぴ
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本書を読むまで小池真理子さんの夫が小説家であること、二人同時に直木賞候補になり先に小池さんが受賞したこと、後に夫の藤田宜永さんも直木賞を受賞したことを知りました。本書は夫が肺癌で亡くなった後の空虚な気持ちを一年に渡って連載したエッセイ集。似たような内容が続くので、まとめて読むより隙間時間に読むのがオススメ。こんなおしどり夫婦もあるんですね。
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yumi..✽
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同じ屋根の下に作家の夫婦が住むのは、どんな感じなのだろう。作家の喜びも苦労もはかり知れないけど、こんなに深い魂の繋がりは、ことばを紡ぐことを常とし、素顔をさらせる相手同士だったからだとつくづく感じる。末期癌の夫と看取る妻の壮絶さと、亡き後の大きな悲しみとに裏腹な静寂な文章に、作家としての大きな矜持を思う。悲しみながらも尚も変わらず四季を織りなす森が深々と静かに優しい。コロナや戦争が死を数字化して見えなくしてしまった時代に、深く尊い命の重みを感じられる本だった。初読みはエッセイだったので小説も読みたい。
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yumiha
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大切な人を亡くした想いは、「人それぞれ」「百人百様のかたち」だけれど、一緒に訪れたり見たり聞いたり味わったりした共有の物たちが、五感を通して甦り、それらの日々へ回帰させられるのは同じなのだと感じた。そうして回帰することも、いわゆる供養なのだろうと思う。本書で一番ドキッとしたのは、「死ぬのは怖くない。でも、生命体としての自分は、まだ生きたがっている」という藤田宜永氏の言葉。死に直面した時のストレートな本音は、私が言い得ないままだが感じてきた言葉だった。
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Junichi  Watanabe
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#読了 。「かたわれ」を失う。夫、旦那、同志、愛しい人、などでは表せない、まさしく自分の身体の半分をもぎ取られる喪失感。悲しみの底にある状態で、でも作家としての性か、書くことによって言葉を気持ちを固定化し、留めておきたかったのか。終生癒えることの無い「かたわれ」への思いを。
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雛
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小池真理子さん。長年、連れ添ったご主人を亡くし悲しみの癒えない真っ最中に執筆されたエッセイ。読み手にも溢れる悲しみが伝わってくる。それでも不快に感じないのは、ご主人との思い出や、美しい自然の移り変わり…等が短い文章の中に記されてるからだろうか? 最後まで悲しみと向き合ってる内容ですが、飾ること無く、そのままの悲しみを文章にされてることが私たち読み手、1人1人の心情にスッと寄り添い染み入ってくる。そう思うような1冊でした。
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いちにの
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読んでいて辛くて仕方なかった。37年の相方を失った悲しみの感情が丁寧に描かれていて、ただ日常を描いているだけなのに文学になっている。
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まさ公
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読んでよかった。
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にゃんコーヒー
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「それにしても、さびしい、ただ、さびしくて言葉がみつからない」 自身の半身であった夫を失うことは、如何程のことか。 誰もが、その身になって初めてそれがどれほどのことか知るということは、全くその通りだと思う。喪失の大きさと哀しさが、静かで、冷たく、夜の森の中にいるように感じさせる文章が伝えてくれる。
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あんじぇらあきこ
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文章がとっても美しくするっと入っていく。こういうのが文章がウマイ人なんやろなー。 喪失感がよく伝わってきた。私もこうなるんかなー。 ★★★★
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1212zyxw
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ネタバレ人生の伴侶。一緒に連れ立って行く人。いつも二人で話し合い、笑い合い、食べ物を一緒に味わい、時に激しく喧嘩をするも、やはり、その人が自分の連れ合いだと。その片割れが旅立ってしまった時、その喪失感はとてもとても深く。何と慰めたら良いのか、言葉などは何の役にも立たない。森の中の夜の静けさ。つい、いつものように声をかけようとしても、そこにその人は居ない。それが静けさそして深い哀しみを感じさせる。いつかは雲母のように、うすく剥がれ落ちていくのかもしれないとあるが、一人で乗り越えるにはとてつもなく辛い時間だと思う。
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じぇーん
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元から文章が好きであったが、どうしても読まずにいられないというジャンルではないので久々のかんじです。静かに哀しいどうしょうもない感じがどの章からも伝わってきて最後の一行で諦観とも言える気持ちで鳥肌が立ちました。しばらく読書をやめていた私でしたがまたこの心に伝わる感じを味わいたくなりました。
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エドバーグ
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栗原はるみさんが、ご主人を亡くされた喪失感をTVでしみじみ語っておられたのを思い出しました。また、垣添忠生さんが「妻を看取る日」でも半身をもがれた思いを吐露されているのと全く共通していました。失恋と同じで、どうも共通する何かがありそうです。一読をお勧めします。
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sanarie
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保存本。 なんて静かで透明で美しい文章なのだろう。 こんな小さな文庫本に、はみ出してしまいそうなくらいご主人への想いがどこまでも深く、優しく、綴られていた。
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うどん
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深々と耽る夜に寄り添ってくれるようなエッセイ。ついそこに夫はいたのに、という感覚が伝わってくる。大切な人を喪うとは日常の根底に流れる水のような絶え間ない悲しみだとすると、いつかは来るその苦しみに絶望しそうになる。それでも生きるのか、とも思う。
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sakwai
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伴侶を失った経緯や気持ちを作品にする際に、例えば整合性のない文章を書いても読者はそこに切実な感情の乱れを感じてくれるだろうというような企みが混じるだろうことは、ある意味予想されることとは言え作家とは因果な商売よなと思う。本書がそうした企みから遠く離れ得た最大の原因は、およそ一年にわたって毎週誠実に書き継がれたその量にあると思う。生活は日常に戻っても気持ちの奥底に流れる喪失感はもはや消えることはなく、それと共に生きるしかないのだという哀しみが読者に伝わるために、作家も読者も長い時間を共有する必要があった。
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Erina
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半分ほど。
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かぜふけば
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静かな熱情を持って、夫の藤田宜永氏を見送ったあとの心の内が、静かで気高さすら感じられる美しい文章で率直に綴られている。全編をおおう深い哀しみのなかに、自宅がある森の自然が美しく描写され、そこだけは生命の力が色を与えている。「喪失という名の皮膜は、いつかきっと雲母のように、うすく剥がれ落ちていくのだろう」この言葉通りになるには時間は要しても、いつか癒える時がきっとある、と。
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60代でも思春期
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亡き夫をめぐる連載エッセー。直木賞作家の夫婦であった小池真理子はがんで藤田宣永を喪う。肺がんが診断されたときは既にステージ4だった。軽井沢に移り住んでいた夫婦は東京の病院に通う。軽井沢の四季の移り変わりと夫婦の残り少ない時間を慈しむように生きる生き様が自然体の筆致で記されている。
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雪だるま
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作家の小池真理子氏が、同じく作家であり夫の藤田宜永氏を癌で亡くしたその前後の事を書かれたエッセイ。真理子氏の言葉にしきれない心の叫びが伝わってきた。今は想像しかできないが、もしも私が夫を先に見送った時にはこの本をもう一度読みたい。同じ立場にある人の心に寄り添ってくれる本だと思う。
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やどかり
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ネタバレ37年連れ添った夫、藤田宜永氏の死後連載されたエッセイ。原稿は事前に準備せず、その時の気持ちをそのまま書いたのだそうだ。50回続いた連載で配偶者を亡くした悲しみは癒えてなかった。悲しみと喪失感しかなく読み続けるのがしんどかった。本当にご主人を大事に思っていたのが伝わってくるし、自分の半分を失ってしまったような感覚なんだろうか。親を亡くした時とはまた違う喪失感。想像できない。
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甘党あずき
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ネタバレ皆さんの感想にあるように、夫を亡くし、かたわれを無くした、率直な、その時々の想いが綴られている。闘病時期も辛かっただろうが、夫没後の寂しさ。こんな想いになるんだ、と。本当に大切なかたわれだったからか、著者が情深いからなのか。ご近所さんから聞く話とはほど遠い。ご近所さんも、心の内ではこんな想いをされているのかも知れない。
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雫
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喪失感を瞬間冷凍した、あまりに鮮明で滴るような作品。誰かと二人で生きていくとはこういうことで、その世界に取り残されるのはこういうことかと思った。母が娘に手編みの赤いパンツを突き返されて悲しそうな顔で所在なげに握りしめるという一文に刺された。それから夫の文章を読んで喫茶店に行く話がよかった。
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BamgB
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小池真理子さんがの亡くなられたご主人との日々を綴ったエッセイ。伴侶を亡くした悲しさ寂しさは同じ経験をした人でなければ分からない。共に歩んで来たからこそ半身をもぎ取られた様な痛み。外では普通にしているけれど底の方ではいつでも絶望や悲しみが溜まっている。作者は哀しみからの復活、再生の方法がわからない、と言っている。このエッセイを書くことで少しは痛みに目を向けられるようになっただろうか。同じように悲しみの縁から動けない人達にとって、まだそこに留まっていても良いのかもと思わせてくれる。
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小豆姫
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“私たちは互いが互いの「かたわれ」だった”… 愛する伴侶を喪い、半身を引き裂かれるような悲痛と喪失感のなかつづられた言葉の一つ一つは、静かにしんしんと胸に沁みる。
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るみ
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夫婦って元は他人。山も谷もありながらも長く寄り添い、いつしか居なくてはならない片割れとなる。 山本周五郎の「柘榴」を思い出す。
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