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ある日 失わずにすむもの (徳間文庫)

感想・レビュー
9

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MIKETOM
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サブタイトルは英語ではあるが「12の反戦物語」となっている。すなわちそういう本。といっても惨たらしい戦闘シーンなどが出てくるわけではない。物語の後半はほとんど同じ。どこかで戦争が始まりやがて召集令状が来る。そしてそれまで培ってきた人生、生活、人間関係が破壊されてしまう。そんな世界を描いている。乳がんで闘病中の妻を残しての招集。プロポーズ直前の招集。彼女は最後まで待っているとは言ってくれなかった…。芸術家である弟の命より大事な指をへし折る兄。招集逃れのために…等々。やりきれなさ、無念さ、絶望感、→
MIKETOM

そういう場面を描くことで反戦というテーマを伝えようとしている。とは言え12編全てがそのパターンだから後半はややダレ気味ではあるが。

12/21 04:49
0255文字
キチ読むさん
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普段の生活、普通の人生。世界のどこかにいてそれぞれに山や谷はあれど、自分が属する環境では想定できる生き方があった。しかし、突然それを戦争が奪っていく理不尽。ただ悲しい。佳作。
0255文字
Ooka
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短編の割には内容が重い。文章に遊びがなくて読むのが疲れた。。。
0255文字
西澤 隆
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ウクライナでの戦争は単に反戦を唱えているだけでは時に蹂躙されてしまうということをあきらかにした。しかしその一方でほとんどの市井の人にとっては戦争は、昨日から明日への日々のつながりを突然ぶった切るとてつもない理不尽だということもまたまちがいのないこと。おそらく近未来の日々に訪れた世界大戦によって理不尽に変えさせられる人々の人生を語る淡々とした連作短編に、読んだ僕はあらためて「ああ、戦争はイヤだ」と実感する。ただ、その「イヤ」を避けるためにどうすればよいかを考えなければいけないのも今の時代のリアルなのだな、と
西澤 隆

冒頭の一篇がNHK「ラジオ文芸館」で朗読されたのをきっかけにして出会った本。そんな出会い方だったから「WW2やベトナム戦争直前の話なのかな」と思っていたら近未来の物語だったりもして、意外さに驚きながら聞くことになりました。正直なところ、読み進めていくうちにだんだんと「おなかいっぱい」になっていく閉塞感に満ちているのだけれど、それは本を閉じて逃げてしまえばいいものではなく、単に「せんそうはんたい!」と叫んでクダを巻くわけでもなく、ちゃんと考える必要があるのだろうな、と。そんなふうに思いました。

07/04 09:50
きゃれら

戦争は嫌だ、は、働くのは嫌だ、とどこか繋がっている、と感想をお読みして感じました。ちょっと曲がった道筋になりそうですが。

07/04 10:23
0255文字
読書熊
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せつない反戦小説
0255文字
ふじさん
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各々の人生が、理不尽にも、自分以外の存在に左右されることには、葛藤や、諦めや、抵抗や、未練が付きまとう。あらゆる国を舞台に描かれているが、彼らの根底にあるのは、反戦への強い思いだ。「偉大なホセ」の最後に知る村人の彼への思いが心温まる、「ニキータ」のベンとドナの生まれる娘への思いが切ない、「アベーロ」は、日本が舞台で千紘と渚月の戦争がなければ結ばれたであろう二人の思いが分かるだけに辛い。戦争によって踏みにじられるかけがえのない日々。夢や希望が打ち砕かれる理不尽な現実を綴った短編集。思わぬ拾い物の1冊だ。
0255文字
練りようかん
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ネタバレ戦争がなければ、あの日失わずにすんだもの。物語を読み進めるとタイトルが違って見えた。時代も国も違う人々を描いた12の短編。日本も例外ではなく舞台になることで、本当に起こるかもしれないのだと実感した。大きな夢も小さな生活の糧も、つましく結ばれるはずの縁も根こそぎ奪っていく。江南亜美子さんの解説で“わたしたちはつねに「まえの日」を生きているのだ”という言葉が象徴的だ。最も心を捉えたのは「偉大なホセ」。自分の労働と蓄財に忙しく反戦の声を上げる暇がなかった彼が出征が決まってしたこと、彼を守った全世界が切なかった。
0255文字
うーちゃん
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乙川が時代小説から現代小説に転向した時は驚いたが、本作はさらに進んで近未来小説であり、反戦小説でもある。読後、第3次世界大戦後の滅びゆく世界を描いたネヴィル・シュートの「渚にて」を思い出した。とはいえ、乙川の書きっぷりは時代小説を書いたころと何ら変わらず、市井の人たちが苦難と戦い、時に敗れ、時につかのまの幸せをつかむ姿が本作でも描かれている。ただ、そのレベルは確実に深化している。掌編12作で構成されているが、私が一番グッと来たのは猫との交流を描いた「十三分」、ラストの衝撃度では「隔日熱病」だった。
0255文字
うずらうずら
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じんわりと日常に食い込む戦争がリアル。
0255文字
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