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世界史のなかの東南アジア【上巻】―歴史を変える交差路―

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skunk_c
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重厚な東南アジア史。考古学的な時代はあっさりだが自然環境の影響、特に津波と火山、エルニーニョの影響を組み込んでいるのが興味深い。特にスマトラ西岸は定期的に大津波(2004年にも20万を超す被害を出した)が襲い、そのたびにある意味リセットされる様子が描かれている。また、「鉄砲帝国」なる概念が出てくるが、時代がかぶる日本の戦国時代の状況と比較してみたくなった。最大のポイントは、いわゆるヨーロッパの植民地化が本格化する前の18世紀後半には、華人達の活発な活動により経済が活性化していたとするところ。下巻も楽しみ。
skunk_c

翻訳は原著にしたがっており、地名などが高等学校の教科書とは異なっており、訳者が補っていない部分もあるため読みながら変換する必要がある。特に地名ではムラカ(マラッカ)、マルク(モルッカ)など紛らわしい。また、儀礼的行進をフランスやイギリスの入城に例える場面(p.223)では原著・訳者共に年号を誤っていて(訳ではアンリ四世を五世、エリザベス女王のロンドン入城を1628-死者の入城?だし、原著-インターネット・アーカイブで読める-でもそのアンリ四世のパリ入城が1628-これも没後)専門外は苦手なのかなと思った。

08/19 15:19
0255文字
ポルターガイスト
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東南アジア通史の最新モデル決定版。現行の高校世界史レベルの感覚で読むと目から鱗の箇所がたくさんありとても勉強になる。初学者にいたずらに勧められる難度ではないような気はするが(高校世界史で定番の王朝名とかあまり出てこない),クセの部分を取り除いてしまうと真っ当な東南アジア史にはならないというのが筆者の見立てだろうから,まあこれでいいかなあとは思います。個人的にいちばん面白かったのは「17世紀の危機」後の時代に華僑の力を借りつつ開発が進んだのであって,植民地主義はその僭称者に過ぎないという見方でした。
0255文字
Ahmad Todoroki
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目から何度鱗が落ちたことか… 東南アジア史のこういう概説書をずっと待っていた!! 幾度も再読したい面白さです。
0255文字
MUNEKAZ
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東南アジア研究の第一人者による通史。大学での教科書を意識しているためか、大変読みやすい。前巻は近代までの東南アジアの歩みを「憲章の時代」「商業の時代」「銃砲国家」などのタームを駆使し、地域史の大きな流れとして描いている。印象に残った部分として、中国の史書にある東南アジアの古代国家は、いくつかの港市の連合であり、現代人の思う「王国」ではないこと。また近世をコスモポリタンな混交と競争の前半と、内部における均質化と凝集の後半に二分できる点で、徳川時代の日本が東南アジア研究の有効なモデルとなることなどがあった。
0255文字
Go Extreme
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熱帯湿潤地域の人びと: 風下の地のブッダとシヴァ インド的国家をめぐる論争 仏教徒世界とサンスクリット化 貿易とネットワーク: 陸路と海路 イスラームのネットワーク 都市の発展と世界市場向けの生産 1490-1640年 宗教革命と近世 1350-1630年 アジアとヨーロッパの邂逅 1509-1688年 17世紀の危機 民俗語的(ヴァナキュラー)アイデンティティ 1660-1820年 中国語化した世界の拡大 熱帯プランテーションへの道 1780-1900年 自律性の退潮と最後の抵抗 1820-1910年
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