愛おしい人への募る思慕を詠う「閑情賦」の「帯になってあなたの細越を締め付けたい」、「靴になってあなたの素足に纏わりつきたい」、「黛となってあなたの表情と共に動きたい」、「寝所の敷物になってあなたの身体に安らぎを齎したい」など、フェチズムさ・変態性も感じるエロティシズムを連ねる。しかし、常に反する事象も共に描かれているのが愛だけでは儘ならぬ現世への諦念を秘めているのだ。自分を架空の人物として語る口舌は楽しいし、酒賛美はやっぱり、溜まらん!
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