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吸血鬼ラスヴァン: 英米古典吸血鬼小説傑作集

感想・レビュー
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タコ星人
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思ったことを全て口に出しているヴァーニーさん、どうみても夜這いを目論む変質者です。 むしろ巻末の解説が本編、といったら失礼か。 人間の血は吸血鬼にとっての糧というのは共通しているけど、確かに〝吸血鬼化〟は手段も過程も作品によって様々。犠牲者となるか眷属となるかは吸血鬼の胸三寸? 不死の吸血鬼にとって繁殖はあまり意味がない。狩り場の取り合いになるだろうし、目立ちすぎて本格的な吸血鬼排斥運動に繋がったら厄介だしなぁ。
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canabi
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26ー2024
0255文字
まさ☆( ^ω^ )♬
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ブラム・ストーカー「吸血鬼」以前に発表された作品に焦点を当てた選集という事で、ヴァンパイアものが大好物な自分としては大変楽しい作品集だった。古典は、ややのんびりムードが漂っているものの、吸血鬼物語との相性はとても良い雰囲気のある時代背景が好きな感じ。「ガードナル最後の領主」が断トツ面白く、表題の「吸血鬼ラスヴァン」、「黒い吸血鬼」「カバネル夫人の末路」「善良なるデュケイン老嬢」「魔王の館」が特に面白かった。
0255文字
kasim
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『ドラキュラ』以前の吸血鬼物語集。現代の何でもありとはまた違う、センスが光る一冊。ポリドリを読むのはこの一年で三回目。ハイチの黒人吸血鬼や暴君の因果応報「ガードナル最後の君主」もいいけれど、唯一『ドラキュラ』後の作品でヴィエレックの芸術家小説「魔王の館」に断然奇妙な迫力がある。相手の血ではなく才能を奪う「サイキック・ヴァンパイア」ものの先駆けとのことで、シェイクスピアもナポレオンも他人の才能を吸い取った吸血鬼であり、凡人には怪物でも吸血鬼本人は神に選ばれたと自負しているという話。
kasim

この「魔王の館」、ワイルドを意識した気取った文章に陳腐な描写が読みにくいが、その高踏ぶった安っぽさが主役の吸血鬼クラークと重なるのはいびつに面白い。それとも意図的な趣向なのだろうか。

02/27 23:02
0255文字
春風
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ブラム・ストーカー『ドラキュラ』以前の吸血鬼文学の作品集。なお、1冊のみドラキュラ以後の変化球的作品も収録されている。吸血鬼小説の金字塔といえば、言わずと知れたドラキュラであり、全ての吸血鬼小説はドラキュラの下に相対化され評価される運命にある。それは、ドラキュラ刊行に先駆けた作品に於いても。本書はそんな豊穣な吸血鬼文学を改めて紹介する試みの1冊である。よって、ステレオタイプな吸血鬼イメージとはやや趣を異にする作品が多く収録される。吸血鬼とは何のために何を吸うのか?「吸血鬼」を再度問い直す文学作品集。
0255文字
5〇5
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『ドラキュラ』以前の吸血鬼小説を中心に編まれた作品集である ♦故にドラキュラに代表される影が無く、十字架を忌避する等の特質は有さず、人を襲うものとして描かれる ♣だが、類型でないところが中々に興味深い ♥悪に抗するもの、妄想であるもの、病理学的なもの、人以外のもの等そのバリエーションは豊かだ。さらに、『ドラ…』以降の作品であるが精神的吸血鬼も登場する ♠意外に豊潤な19世紀の吸血鬼を堪能できた。
0255文字
燃え尽きタコ
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ネタバレ吸血鬼ラスヴァンの悪趣味さは、古典海外小説読んでる〜って気分になれた。ちょっとした行動で綺麗に転げ落ちてバッドエンドを迎える悪趣味さは昔の小説って感じで偶に摂取する分には良いよね。 ただやっぱりハピエンが性に合ってるようで一番好きなのは善良なるデュケイン老嬢だった。 主人公?と言うより語り手は真実を一切知らずに呑気にみんな良い人って思いながら財産と、医者かつ美人で、その妹とも友人関係な結婚相手手に入れて大好きな母の元に帰っていくの幸運の加護でも持ってるんか?って感じで好き。
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flatscan
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「英米古典吸血鬼小説傑作集」のことだが、ちょっとニュアンスが違う。吸血鬼モチーフそのものを解体し、学術的視点から人間と非人間の関係を紐解く、吸血鬼小説論に基づいた、言わば資料集であった。「これ、吸血鬼小説って言っていいの?」と思うような作品も収録されているが、解説を読んで納得。そもそも視点が違う。各作品はもちろんだが、解説もめちゃくちゃ読み応えがあって、むしろこっちが本編じゃないかと思うくらい、良い。まず各作品を読んだ上で解説を読み、改めて収録作品を読み直すと違う世界が開ける、気がする。
flatscan

吸血鬼の持つ「孤高」と「増殖」の要素の指摘にはハッとさせられた(「ドラキュラ」以後の吸血鬼小説の特徴は「増殖」が描かれること。これは「ドラキュラ紀元」シリーズにおいて「孤高」の敗北に繋がる、と解釈できるかも)吸血鬼とは感染症である。あと、『ドラキュラドラキュラ』で種村季弘が指摘したように、吸血鬼が小説のネタになる=吸血鬼のキャラクター化なのだ。日本において、水木しげるによって妖怪がキャラクター化したのと同じ構造。その存在を信じなくなったからこそ、小説のネタになる。

06/08 21:42
flatscan

にしても、バイロンとポリドリのネタは、読むたびに笑う。「黒い吸血鬼」はなんか色々凄い作品。「カバネル夫人の末路」ある意味吸血鬼ネタの小説ではある。何たる胸糞。「善良なるデュケイン老嬢」匂わせるだけに留めているのは、当時の知識の限界か、演出か。「魔王の館」はちょっとしたホラーテイスト。何たる破滅。ラストでぞっとした。

06/08 21:48
0255文字
めがねまる
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ドラキュラ以前の吸血鬼小説を主に集めたもので、初訳のものが多い。ドラキュラ以前の吸血鬼小説としてお馴染みのラスヴァン(他訳だとルスヴンが多い)とヴァーニーは置いといて、ラスヴァンと同年1819年に書かれた「黒い吸血鬼」はハイチ独立革命に端を発する物語で、差別が当たり前の時代にこんな風刺小説があることに驚いた。物語として面白かったのは「善良なるデュケイン老嬢」と「魔王の館」デュケイン老嬢は読後感が意外と爽やかでミステリーのような趣もあった。解説も充実していて、買って満足した。
0255文字
百杏
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ブラム・ストーカーの<吸血鬼ドラキュラ>よりも前に発表された作品を集めた、吸血鬼好きとしては何とも貴重で絶対に読みたい本です。10話もの物語が編集されていて、とても贅沢な本でした。 文章は古典ならではの若干読みづらいところはありましたが、じっくり読むことで頭に入っていったので、個人的には大した問題もなく。ラスヴァンもよかったけれど、個人的には<食人樹>と<魔王の館>が一番印象に残りました。 古典集、私には宝物みたいな本で読了まで随分時間をかけましたが、間違いなく時々読み返す本です✨📕✨
0255文字
お気楽さかい
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★★★★☆ ◎「ガードナル最後の領主」◎「食人樹」◎「カンパーニャの怪」◎「黒い吸血鬼」◎「吸血鬼ヴァーニー」◎「吸血鬼ラスヴァン」
0255文字
Millet.K
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“プロメテウスこそが吸血鬼の始祖なのだぞ”(黒い吸血鬼 P71)一作を除き『吸血鬼ドラキュラ』以前に発表された吸血鬼ものアンソロジイ。ありがちな抄訳や新訳頼みではなく本邦初訳だらけ、異形読みには嬉しい限りだ。覆面作家の異端作「黒い吸血鬼」のインパクトが絶大で唸る。異者、疎外者、漂泊者としての吸血鬼像が顕になる点も見逃せぬ。「カバネル夫人の末路」がまさにそれ。レベッカ的扱いの果て私刑とは嗚呼。「魔王の館」の第一印象はこれドリアン・グレイでしょ! 解説でもその通りああビツクリした。毒毒度:5 おあと5625冊
Millet.K

“管理人が風変わりな食い物を入れた籠を持って仕事部屋に入ってきた。羊の乳から作った淡白なペコリーノ・チーズと、石のように硬く密度のある黒パンと、鉢にいっぱいに入れた野草とソーセージからなるサラダ”(P220)“サラダに混ぜてある大蒜の匂いが部屋を満たす” “また戻ってきた管理人は、焦げて煙の立つ玉蜀黍と荒々しい見た目の山羊肉を一緒に調理したものを皿に山盛りにし”(P221)アン・クロフォード「カンパーニャの怪」は芸術を追求する若者が怪異に捉えられる話。ファム・ファタルも登場。画学生たちの日常が興味深い。

09/14 14:18
Millet.K

“シチリアからニューヨークに招聘されて間もない管弦楽団の小柄で奇矯な団長が、昂奮のうちに指揮棒を宙へ投げあげると、楽の音のとどろきが場内の会話の声や食器の触れあう音を押し包んだ”(魔王の館 P303)ああもう!書き出しからオタク心が、検索猿人魂が、揺さぶられる! 指揮棒投げてるのトスカニーニでしょ? もともとはチェリスト。極度の近視ゆえに楽譜を全暗記しており、指揮者が急病のとき代役を見事にやってのけた。コンサートマスターを指揮棒で刺すなど奇矯エピソードが多い。反ナチ派である点は作者ヴィエレックと正反対。

09/14 14:23
0255文字
藤月はな(灯れ松明の火)
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バイロンの吸血鬼の詩をポリドリが物語の面白さを詰め込んで作り上げた『吸血鬼ラスヴァン』。どうしよう、荒木飛呂彦氏の絵で脳内展開されるのだが!最も文才で結ばれたバイロンとポリドリは物凄い確執を展開する事になります・・・。ペニードレッドフル小説の代表作の一つである「吸血鬼ヴァーニー」は残念ながら断片だけの翻訳である。それだけでも読めるが、翻訳されなった章が一体、どうなっているのかが気になる。そして会話だけの文章が続く、テンプレを如何に駆使するかが人気の鍵となるネット小説の原型がこの時代に確立されていたのか!
藤月はな(灯れ松明の火)

正直に言うとバイロンの「吸血鬼ダーヴェル」が筋だけで味気ないのに対し、ポリドリの「吸血鬼ラスヴァン」が怪異でもあり、魔性の男でもあるラスヴァンのピカクレスものとしての読めるので物語の面白さとしては後者に軍配を上げたい。「黒い吸血鬼」は生き残った黒人奴隷の少年を「慈悲深く」頭をかち割って海に投じようとする主人に絶句。しかし、黒人の王でもある吸血鬼が奴隷主人の未亡人を誘惑し、彼らを生き返らせてはその無様さを嘲笑い、黒人と白人の転換を示唆し、革命を促す姿は畏れを催しながらも神々しい。

08/07 00:02
藤月はな(灯れ松明の火)

「カバネル夫人の末路」は悪意や思い込みに煽動される民衆の恐ろしさを描く。目を覆う惨劇にはならなかったが元凶は奥方よりもどっちつかずな態度でいた主人じゃないか?後、アデルは代理ミュウヒハウゼンじゃないかと思わせる部分があるのが怖かった。「魔王の館」は作者がナチス信奉者の詩人であるという経歴も凄いが、人の才能を吸い取り、捨てる精神的な吸血鬼を描いた変わり種も凄い。最も「娼婦は番号で呼ぶべき」という部分にはヒヤッとしたが。

08/07 00:08
0255文字
HANA
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主に十九世紀、ドラキュラ以前に発表された吸血鬼小説をまとめたアンソロジー。基本文献的なバイロンの「断章」とポリドリの「吸血鬼ラスヴァン」は当然収められているが、それ以外の諸編は未読で単なる吸血鬼小説ではなく一風変わったものが収録されているのは嬉しい限り。名前ばかりよく聞く「吸血鬼ヴァーニー」は抄訳すぎてよくわからないが、ゴシック風の「ガードナル最後の領主」や世界がまだ脅威に満ちていた時代を思わせる「食人樹」吸うのは血ばかりではない「魔王の館」等一癖あるのが勢ぞろいである。重厚で冗長な数々、堪能できました。
0255文字
ふかわ
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100ページほど読んで挫折。内容以前に翻訳があまりにも直訳調でストーリーが頭に入ってこなかった。
0255文字
tosca
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ブラム・ストーカー「吸血鬼ドラキュラ」以前の吸血鬼小説に焦点を当てたアンソロジー、伝説のゴシック小説「吸血鬼ヴァーニー」の抄訳ほか本邦初訳作多数収録、とあったので楽しみな反面、古典過ぎる怪奇小説はストーリーの面白さはあまり期待出来ないかなと侮っていた。が、これが面白かった。表題作は未読と思っていたら平井呈一訳「吸血鬼」というタイトルで以前に読んだやつだった。「吸血鬼ヴァーニー」は全232章からの抄訳という事もあり、流石にちょっと苦笑した部分もあったが、その他はどの作品も真面目に面白かった。
0255文字
ネコベス
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ネタバレ19世紀に書かれた吸血鬼譚10篇を収録したアンソロジー。ジョン・ウィリアム・ポリドリ「吸血鬼ラスヴァン」はバイロン卿との確執を抜きにしてもしっかりした構成で面白い。ユライア・デリック・ダーシー「黒い吸血鬼」はハイチを舞台にヴ―ドゥ―教の要素を交えた風変わりな作品。ウィリアム・ギルバート「ガードナル最後の領主」は残忍冷酷な暴君が占星術師の呪いに苦しめられる復讐譚。イライザ・リン・リントン「カバネル夫人の末路」は排他的な小さな共同体で起きた集団ヒステリーの残酷さを巧みに描いている。巻末の解説も詳細で楽しめた。
0255文字
冬樹
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ドラキュラやカーミラに比肩するラスヴァン、ヴァーニーを含む吸血鬼の短編を多数収録。怪異が登場しないにもかかわらず、強烈な恐怖を植え付ける「ガバネル夫人の末路」や植物のヴァンパイアが登場する「食人樹」などバラエティにも富んでおり、並べてみると、何となくそれぞれの共通点が見えてくるのが面白い。例えば、異邦のひとであることなど、ヴァンパイアという概念がどのようにイメージされているのか知る手掛かりにもなる。そういう意味でもそれぞれの作品を時系列ごとに背景まで余すことなく説明している解説も必読。
0255文字
にしきみ
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解説楽しい
0255文字
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