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名もなき子

感想・レビュー
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ロビン
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ネタバレ「生産能力のないものには価値がない」てそういう類のことはよく言われる。「空気が変わった、と美貴自身感じるようになってのは、成果制度が導入された頃からだ。(中略)すべてが数値化された世の中では、目には見えない人の思いや、人間同士のつながりなどは自然と後回しになる。仕方のないことなのだ。」(p221)「いつのまにか、自分自身をどこかのカテゴリーにしまい込み、そこに合わせた思考や行動をしなければならないと、がんじがらめに縛られていく、虎割れうこと、それこそが社会で生きるということなのか」(p193)
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ベイマックス
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ネタバレ無国籍の話しが主軸に展開していく。悟との出会い方がちょっと強引といえば強引。話の内容は重いけど、感じさせない言葉とリズム感、いいか悪いかは読む人次第かな。重いわりに、うまい具合に展開してハッピーエンドに向かわせる。色々な人生があり、色々な大人がいて、日々社会は動いている、けして止まることなく。
0255文字
石野 真
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ネタバレ無戸籍で育てられた悟を助けた美貴がドキュメンタリ番組の製作に携わっているというだけでも滅多にない偶然であるが、短い物語の中に幼児への性虐待、かつて友人を見捨てたことを後悔する美貴の葛藤、介護施設で寝たきりの老人への憎悪などいろんなものを盛り込み過ぎた印象。タイトルからすると無戸籍の悟や茜の姿を描くのがメインストーリーだと思うが、他のものがごちゃごちゃしすぎて回収できなかった伏線などが多く、最後は茜とハルが生き別れた双子という、その設定要る?というものがでてきて興ざめだった。
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あにゃ
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ネタバレ水野先生の本は、本当に見ごたえがあります。「社会の善を追求しようとする事は、悪を排除することと、実は表裏一体なのだと思う。」という一文に物事の心理を感じました。
0255文字
まゆ
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ネタバレ著者の前作『蝶の眠る場所』が面白かったので期待して読んだ。素晴らしい小説だった。人間生まれてくる環境は選べないし不公平なものだけど、一度生まれてきた命は大切なもので無駄な人など誰一人いないという強い主張が伝わってきた。無差別殺人をした犯人が、寝たきりの高齢者にもAIには代わることができない人間の尊厳があり、人間を人間たらしめるものがあるということに気づいた部分が心に残った。前作と同様驚きの連続だった。最近また新しく本を書かれたみたいなので、それも読みたい。
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みっこ
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ネタバレこれシリーズ2作目だったんですね!読み終わってから知りました。亡くなった旦那さんや恩人?のこと、さらっと流されすぎてついていけないと思ったので納得です。無戸籍、高齢者施設での殺人事件、命の重さについて…。重たいトピックスがいくつも折り重なっていて、読んでいて苦しかった。犯人の動機とエピローグはあまり納得できず。これだけ長く苦しんできた人たちが、そんなにあっさり気持ちを切り替えられる?ちょっと疑問です。
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REI
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ネタバレ高齢者施設で相次ぐナゾの不審死。放送局の記者・榊美貴が真相を追うミステリーだが、物語は無戸籍児、育児放棄、虐待、貧困、格差から、高齢者の尊厳、安楽死まで、現代の様々な問題が盛り込まれている。「生産能力のないものには価値がない」のだろうか-?美貴の「一個人では知り得ない情報を集め、光を当てること。(中略)テレビの存在意義というのは、まさにそういうところにあるのではないのか」という言葉は、著者がドキュメンタリー番組を制作してきた人だから(鈴木あづささん)。受け止めた私にできることは何だろうか。前著も読みたい。
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^_^
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ネタバレ作者の方が記者で、この事実を伝えたくて書いた本なのかなと考えた。正直自分には何もできなくて、知って伝えることしかできないなと思う。「伝える」ことで、やっと誰かの役に立つ…でも、それをするのも難しい。。
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やまと
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ネタバレ「蝶の眠る場所」が良かったので続編も。登場人物の過酷な境遇、特にハルの辿ってきた人生と心情を想うと切なかった。無戸籍、虐待、格差社会、尊厳死、いろいろなテーマが詰まった物語。このシリーズ続いてほしい。
まる子

陸の成長も見たいので続いてほしいです✨

10/14 15:09
0255文字
かいちゃん
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ネタバレ母親が病気を苦に家族のことを思って失踪すること自体に納得がいかず。父も失踪、家族崩壊となり兄弟3人だけで生き延びられるはずもなく3歳の美羽は栄養失調で命を落とす。「天使の家」のスキバアがいなかったら茜、悟はどうなっていたか。ハルの存在(茜と双子)を「高齢者施設での介護」に結びつけて母親の命を奪うのも納得いかない。「生産性」だけで命を振り分けてはならない それは強く思う
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まーち
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ネタバレシリーズものと知らずに読んでしまった。話は、高齢者施設での連続不審死を軸に描かれていく。その事件の取材を始めた、テレビ局でドキュメンタリー番組の制作を手掛けるシングルマザーの美貴。ひょんなことから出会った無戸籍の青年・悟が、事件とつながっていくことに。無戸籍問題以外でも、幼児の性的被害、出生前診断、育児放棄、ホームレスなど、現代社会が抱えるさまざまな問題も絡めながら描かれる作品を通して伝えたかったのは、「生きる価値のない人間はいない」ということだろうか。しかし、安楽死の是非などは、判断が難しい気がする。
0255文字
スノーマン
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ネタバレ名もなき子‥タイトルの通り、戸籍もなく、その申請に行っても『自分が日本人であること』の証明を出すことすら出来ない悟。姉、茜や妹の美羽の幼少期もまた壮絶。なぜ、子供がこんな目に遭うのか、ラストの事情を知っても泣けてくる。子供だけでなく、心身弱り自分の身の回りのことができなくなった高齢者もまた、周りの人に委ねるしかない。悲しい。あるがままにただ生きていくことの難しさ。苦しい物語の中で、美貴や晶たちが力強く働く姿に救われる。
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明日のかぜ
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ネタバレデビュー作「蝶の眠る場所」に続く第二弾。今回は高齢者施設で相次ぐ不審死の真相を追うミステリー。生産性のない高齢者は社会悪だとの犯行声明をぶち上げて独善的な正義感がエスカレートして命の選別が行われる。一体犯人の目的は何か?暗い靄のようなものが胸を塞いでゆく感覚に陥る。社会が抱える闇(性的虐待、 DV、貧困、ホームレスなど)がこれでもかと弱いものへと襲いかかってくる。無戸籍者であるがゆえの透明な人間の叫び。人の人生など一瞬で失われる。露のように消えて後には何も残らない。母との思い出の「追憶」の哀しげなことよ。
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ゆきねこ
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ネタバレ初読みの作家さん。現役の報道記者らしい。文章は短く畳かけるように状況が変わる。報道番組のよう。登場人物たちの抱える問題は多様で深刻。無戸籍は、離婚後300日以内に産まれた子供は前夫の子供となる法律から。様々な種類の虐待。特に幼い実子に対する性的虐待はおぞましい。老人たちの施設。高額な入居費用が賄える上級国民しか入れない。ホームレスたちを救済する社会制度は出来ないのか。最後、子どもたちを捨てていった母親の真実が知らされる。病気になった不運と様々な社会的弱者が次々に出てきて、めまぐるしい。消化不良気味。
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アン
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ネタバレTV局でドキュメンタリー番組の制作に関わる榊美貴。彼女は偶然助けた青年の出自と高齢者施設での相次ぐ不審死について調べ始めることに。無戸籍児、高齢者医療、性的虐待、貧困と格差など様々な現代の社会問題を織り込みながら物語は進み、心に深い傷を負った子供達の計り知れない哀しみに胸が締め付けられます。「透明な人間の叫びはどこにも届かない」子供達が毎日安心して食事が出来るよう、自分の命の尊さを大切に出来るよう願わずにいられません。厳しい現実の闇を突きつけられ、人間の尊厳を問う著者の想いが伝わる作品。
sayuri

同時読みでしたね♪身勝手な大人がいる反面、スキバァの様な人もいる事に安心しました。社会問題がたくさん詰め込まれていたけれど、どの問題も少しずつ改善され子供から高齢者までが住みよい世の中になると良いなと思います。

07/31 23:27
アン

よつばさん、ありがとう♡本当に様々な社会問題が詰め込まれていて、豊かな社会って何だろうと色々と考えてしまいました。スキバァは印象的でしたね。子供から高齢者まで安心して暮らせる世の中になってほしいです。よつばさんのレビューにあるよう「命の意味を問われる読後」でした。

08/01 09:32
4件のコメントを全て見る
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アキレア
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ネタバレ『透明な人間の叫びはどこにも届かない』なんて悲しく重い現実だろうかと胸にグサリときた。福音となる筈だった正義感がもたらした哀しい結末。無駄な命はひとつもないという作者の訴えが強く響いてくる。家族写真に嬉しそうに頷く悟の姿を思い浮かべて泣きそうになった。日常生活では中々目に付かず、だけど現実で起きている社会問題を題材に取り上げてくれる蝶の眠る場所シリーズは今後も追い続けていきたい。良作でした。
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turnip
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ネタバレ今作は伝えたいことが多すぎなのか大渋滞。生産能力ね、、スキバアの言葉を胸に抱け!家パート2きっといい家に違いない!庄司さんの移動に元嫁さんが変わりに入るとかこれは続編の予感(^ー^)
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芽
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ネタバレ蝶の眠る場所がお気に入りだったので、次作も。図書館になかったので、わざわざリクエストした。今回も無駄がない構成で読みやすい。ただ、真犯人が無差別連続殺人事件を起こした動機はあっさりしすぎていて、しっくりこなかった。こんなに簡単にできるものなのか?トリックなどはないので、ミステリーかと言われたら違うかも。
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くまきち
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ネタバレ続編。無国籍問題、高齢化社会問題に切り込んだ話。社会全体では表面上問題視しているだけであって、現実はかなり深刻、人間の尊厳を考えさせられた。報道に携わる美貴やその仲間に、今後も社会問題を取り上げて欲しい。シリーズ化して読みたい作品。
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ら゛
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ネタバレ本日2冊目。図書館本。シリーズ物らしいがこちらを先に読んでも全く問題なし。前作読んでいない私が言うんだから間違いない。正直、ミステリー感はかなり薄く且つ結局個人的な解決だけだったな~と感じちゃうラストでしたね。確かにかなり考えさせられるし、同情というかもう少し子供優先させなさいって感じましたが、こういうジャンルの作品は他にもあるし、個人的な解決ではなく世間が少しでも動くようなラスト、マスコミ人が主人公だからこそのラストにして欲しかったかな。ただいい意味で読みやすいし、次回作に期待します。
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emtb
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ネタバレノンフィクション番組の制作をしている榊美貴は相次ぐ高齢者施設での不審死を取材している。無戸籍の悟と出会い、悟に戸籍を取得させるため奔走する。生産性がなければ生きる価値がないのか。格差はどんどん広がり不寛容な社会。とても考えさせられた。社会福祉制度がどれだけ整っても、困っている人が減るとは限らない。助けを求められないのは無知であるがゆえかもしれないと思った。最後の章を読むとやりきれなさを感じる。病気をネットで調べられるなら育てられなくなったら子供達をどうしたらいいのかも調べればよかったのに。無責任すぎる。
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さーくる・けー
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ネタバレTV報道番組のディレクターでシングルマザーの主人公が取材を通して社会を切り取る「蝶の眠る場所」の続編です。高齢者介護、貧困、児童虐待、無国籍と現代社会が抱える問題がリアルに描かれています。自らの正義感を振りかざしたり、人間の価値を「生産性」で判断したりしようとする風潮に警鐘を鳴らし、生きることの価値観を考えさせられる骨太の社会派ミステリです。これシリーズとして続きそうですね。
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mirai.R 
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ネタバレうぉー「蝶の眠る場所」続編だったのか!高齢者施設での不審死から「何も生み出さない高齢者は『社会悪』だ」と書かれた犯行声明。取材を進める美貴は、悟と名乗る青年と出会った事で 彼と関わり、彼の生きてきた道程を知る。 高齢者施設、AI、DV,性的虐待、ネグレスト、貧困、児童保護施設…様々な問題を複雑に絡め、人間の尊厳を問うような重いテーマ冒頭から読まされます!希望が見える結末ではあるけれど 母親、ハルの選択が、どうにもやり切れない。 同情するなら社会のシステム変えてくれ!(違っw
アン

miraiちゃん、様々な社会問題が絡まり、辛くやりきれない気持ちになりましたが、命の尊厳、家族の繋がりなど考えさせられる作品でしたね。無戸籍の子供達が希望を持って安心して暮らせる社会になってほしいです。

07/31 16:22
mirai.R 

アンちゃん、狭い国で名前も戸籍も無い子供が居るって 信じがたい。なんの為に生まれて来たのだろうかと、やり切れないね😭 高齢者の安楽死と考えさせられる内容で、無戸籍の子供を救いあげて 希望を持って安心して暮らせる世の中になってほしいですね。

07/31 20:27
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ブックラバー
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ネタバレ現代の社会問題にぐっと切り込んでいて勉強になりました。 また水野さんの作品を読みたいです!
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藤枝梅安
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ネタバレ前作に続き、榊美貴が登場。高齢者介護施設で連続して発生した不審な死亡案件に関して取材を始めた榊たちは、貧困、格差、無戸籍、将来を悲観する若者たちと出会う。無戸籍のまま生活を続ける中で介護職に就き、重い病や認知症を患い、希望なき余生を送る孤独な高齢者達の介護をする中で、「生産性」という尺度で命の軽重を定める社会に対する不満が募っていく。不穏な序章の詳細が終盤明らかにされる。双子の兄妹とその異父弟が辿った厳しい現実を、榊と仲間たちが前向きに採り上げていく姿に、筆者の報道人としての矜持と決意が伺える力作。
藤枝梅安

「老いてなお、住む場所や金銭的な心配をし続けなければならないのだとしたら、この国の社会保障制度はどうなっているのか。」(p.106) 「死ぬ自由も、死なない自由も、どっちも大切よ。」(p.131) 「お国ってやつは、国民を数字でしか見ない。一人ひとりの人間のことなんか考えちゃいないんだ。見捨てられた十二万の孤児、高齢者の医療費二十兆円・・・・・・」(p.281)

05/26 13:21
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かずや
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ネタバレ「高齢化社会」「介護問題」「無国籍」「AI化」「優生思想」「貧困」多くの社会問題が盛り込まれた、濃厚な社会派ミステリー。これだけの要素があれば重すぎたり、ひとつひとつが希薄になってしまったりしそうだけど全くそんな心配はいらなかった。全て問題が独立した事案なワケではなく何らかの因果関係(大抵の場合は貧困)があって結び付いている。改めて「事件」は様々な要因が重なって起こるものだと感じ、飽きることなく引き込まれた。
0255文字
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