自分が見たり聞いたり経験したりしたことしか題材にできないという、コントに対するいかりやと志村の類似性――いかりやについては前述――や、『全員集合』で志村が人気を博したことから始まるお互いの対立など、取りあげられなかったトピックスはあるが、ここまでとしておこう。
時代に取り残されたような懐かしい風景を舞台に、70年代の――今も時に注目される――ソウルミュージックのリズムを取り入れながら、とことん稽古を重ねて練り込まれた演技を個性とするドリフの、特に『全員集合』のコントは唯一無二のものであり、さすがに古びてきた感は否めないものの、今もなお独自の輝きを放ち続けていると思う。
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