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そうしないことはありえたか?: 自由論入門

感想・レビュー
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inu
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良かった。自由(とその裏返しとしての責任)の哲学を見通しよく整理してくれている。春秋社の『自由と行為の哲学』の自由論パートの副読本としても最適。しかし、リバタリアニズムはイマイチよくわからない。
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zunzun
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自由意志に関する哲学者達による意見、反論をまとめあげた労作。自由意志は人間に自由があるか、そして責任はあるのか?という提題であり、近代の因果的決定論からフランクファーと型事例、自由の源泉性モデル、フランクファートの二階の意欲説、ヴァン・インワーゲンの帰結論証、ムーアの「できる」の非両立論的解釈、ペレブームによる操作論証などは一般人にとっても有用な比較になりうる強力な自由意志を理解する時に使える方法に思える。更に、ケインのリバタリアニズムと懐疑主義、ストローソンの反応的態度、客観的態度などが続く。
zunzun

このとき、私などは自己責任の問題が浮かぶ。世の中の成功者や試験や成績がうまくいった人たち、彼等は他人がうまくいかなかったのは努力が足りなかったからといいがちである。ヴィヴェリンが警戒しているのは自由意志を捨ててしまった場合、私たちは何をしても運だということになり、ニヒリズムに陥ってしまうのではないかということであろう。ここで運という話になれば自由意志のリバタリアニズムのようになるが。しかし、一方で自由意志が自分の万能性を誇るための危険性をもっているのではないか?という問いを彼にかえせそうでもある。

01/13 20:37
zunzun

その場合、必要なのは自由意志の哲学だけではなく、諸学問ということになるのだろう。自由意思や結果や責任について幅広く知見から語られなければ、片落ちで終わるだろう。ちょっと調べたところ、木島 泰三『自由意志の向こう側 決定論をめぐる哲学史』という本もあり、そちらの目次をみたところ自然主義哲学によってかかれたものらしく、こちらの自由意志とはまた違った面から導入や解説がなされており、一口に自由意志といっても学派によって異なるのだと思わされた。

01/13 20:39
3件のコメントを全て見る
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ディス
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○。難しくはないが、普通は気にしないところまでとことん踏み込んでいく学問なので、流して読んでいると分からなくなるところは多い。一段落ごとに理解を固めていくような読み方が良いのかな。自由論といっても何らかの答えがでる本ではなく、そもそもまだ審議中のところの最前線を紹介する内容なので、読み終えて何かすっきりする結論が得られるわけではない。その意味で読み物としてはちょっともやっとするかもだけど、語を一つ一つ定義し、反論も取り上げて慎重に進めていく様は、さすがの誠実さを感じた。
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しみそー
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何度か辞書的に使ってはいたのだが、今回初めてじっくり腰を据えて通読した。■何より驚いたのは、その網羅性と可読性である。おそらくは、自由論の前提知識が全くなかったとしても、大部分の議論を追うことはできるだろう。そして、この本を通読した暁には、現在盛んに論じられている自由論の多くの側面についての知識がつくと思われる。その意味で、この本は自由論について日本語で読めるレビューの決定版といえるかもしれない。■あと個人的に好ましいと思ったのは「自由意志論入門」ではなく「自由論入門」という副題がついている点だ。
しみそー

「自由意志」とは、「意志」に「自由」がついた語であるから、自由意志論とは意志についての自由を問う分野であるはずだ。だが、冷静にこの本を読むと、「意志が自由である条件は何か?」という自由の対象を意志に絞った議論はほとんどなくもっと広く「我々が自由と言えるのはどんな時か?」という問いがメインだということがわかる。下手に自由意志などという単語を使わずに、自由という単語を使っているのは、好ましく感じた。

10/04 19:13
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YT
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決定論と自由意志の両立を図る両立論、それを否定するリバタリアニズムとハード決定論の非両立論の議論を整理しながら、自由を巡る議論を整理していく。 自由意志の有無は責任や倫理だけでなく、愛や人生の意味など幅広い日常に根ざす概念の土台を揺るがすテーマだと思うかこれからもどんどん掘り下げたい。 分析哲学系の議論に慣れてないから頭に入ったかも怪しい、またそのうち本書戻ってくるつもり... そして、最初は自由意志が存在しなかったらどうしようって気持ちだったけど、これをテーマに哲学するの楽しいなぁ。良書だと思います!
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いち.に.
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ネタバレタイトルに惹かれて。FreedomではないLibertyの意味がここに。後者の自由にやたら責任が強調される根本が見えてきた。哲学は文系の印象が強かったがプログラムや数学にも親和性が高そう。思考実験の条件がどうしても極端になるので脳みそは論理的に認めているはずなのに感覚が裏切る。現実とのギャップ?実際は許容量の幅があるせいかな?哲学ド素人にもついていける構成ですっきりした説明をする文章がありがたい。身についたとは言えないけど面白かった。犯罪率の低い社会は二階の欲求が宗教か教育で行き届いていそうだなぁ。
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Yoshi
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自由論についてのまとまったレビュー。自由が存在すると認める立場「リバタリアニズム」において、行為者因果を認めれば、自由論というのは解決だと思う。その他の議論は、行為者が因果を持つという直感を否定するから、ややこしいことになっていると思う。 心身相互作用のメカニズムと二元論を擁護するための文章を書くために、参考として、この本を読んだ。
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brzbb
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決定論と自由は両立するか、両立論と非両立論とそれぞれに対する反論を網羅的に紹介、検討していく。日本では単著が翻訳されていないような哲学者の考え方も詳しく紹介されていてよかった。同時に読んだ『哲学がわかる 自由意志』のトーマス・ピンクの考えは非因果説なんだな。最終章、自由と責任の関係だけでなく、もし自由がなければ人生の意味や愛といった概念はどうなるのかという論点が興味深かった。それを探求した映画が『TENET』だったんじゃないだろうか。
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point zero
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self-containedかつ平易で読みやすい。どうやら世界は本質的に確率的らしいので、非決定論の世界での議論を厚くして欲しかった。とはいえ有名な議論は一通り載せているようで、決定論的世界では自由意思を否定する議論の方が強そうであると分かったのは良かった。また、もし自由意思を否定する場合、罰をいかなるものと考えるべきか?という議論があったのも良かった。
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ミッツデラックス
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ネタバレいくつか哲学における自由論の本を読んできたが、この本が一番良かった。
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穂垂ユキ
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評価 : 5 自由意志と責任について分かりやすく書かれた本。この分野は非常に興味があるところなので、面白く読むことができた。後半はざっと読んでよく分かっていないところがあるので、後ほど読み返したい。
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mstr_kk
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「自由」と「責任」をめぐる哲学の本です。既存の議論を非常に手際よく整理して示してくれていて、めちゃくちゃ面白かったしわかりやすかったです。SFにも通じるような哲学の面白さを味わえました。すばらしい本でした!
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クリフトン
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読み始めて何かおかしな気がした ここでの自由は主に責任と刑罰において検討されていると気づき そういうことかと納得 最終章で読みたかった議論になる 決定されているのなら自由論の主張も決定されていることになるし 自由といっても言葉を使う-日本語で考えている訳でその文法や語法から逃れられることはない そんな風に思います
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月の翼
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自由論の入門書。 自由(責任)と決定論は両立するのかというテーマで4パターンの議論を紹介する。 自分の興味はここで論じられている責任にピン留めされた自由ではなかったけど面白かった。
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林克也
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「哲学」としてあれこれ考えることは面白いし、なるほどなぁ、そういう考え方や理屈?があるのか、などと、他人事として読むだけならいいが、毎日こんなことを考えて自分の言動を評価しながら暮らすのって、なかなかしんどいものがある。自分なら精神を病んでしまうと思う。
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YASU
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自己決定―意思決定支援への関心から「自由ー責任」論に関する書をいろいろ読んできたのだが,「自由」論がカバーすべき範囲は「責任」だけではない,愛・芸術・自己表現といった多方面にも,自由の価値は重要だという指摘は目からウロコだった.それにしても,様々な自由論の論点整理が網羅されていて勉強になる.
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ダーブラ
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おそらく高校の後輩の著書ではないかと思います.しかし,遠くに行ってしまったなという感想です.著作の内容はほとんど理解できませんでしたが,こんなものが書けるのかと感心してしまいました.
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こみ
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一見身近なテーマだけど、実は深くて面白そう!と感じさせてくれる導入部。本当は難解なテーマだけど以下の理由により比較的やさしくてわかりやすい。①そもそも哲学用語をそんなに導入せず、理解しやすいレベルで議論してくれている。②初歩的な哲学用語でも解説してくれる。③各章や各節の冒頭は丁寧に「これから○○について論じます、構成はこんな感じです」と予告してくれていて、構造がよく整理されている。特に③はやりすぎると無機質な文章になるおそれもあるけど本書はそれがなくて、すっと頭に入ってくるのが良いところだと感じた!
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