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首相が撃たれた日に

感想・レビュー
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たいたいぶん
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ブラックジョークの限界に挑戦した短編集。イスラエル特有の問題と日々のストーリーがうまく重ね合わされててとても面白かった。個人的には「もう一つのラブストーリー」と「良識の限界」が好き
0255文字
梅子
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人生初のイスラエル文学。日常生活を送る主人公達の生活に異国らしさは全然ないが、時折、祝祭日や戒律の存在感にハッとさせられたりする。タブーを犯す冷笑家としての才能がひときわ感じられたのは、ヒトラーとアンネ・フランクのアンドロイドが恋に堕ちる最悪のジョークと、嘆きの壁をテルアビブに移設して商業施設として消費する凶悪なジョーク。どっちも最高に面白い。前編通して非常に短く漫画のようにスイスイ読めるが、劇的な展開や衝撃的な結末はなく、後書きの通り、「どこまでタブーが許されるか?」を手探りで探りながら書いている印象。
0255文字
はる
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ヒトラーの話が面白い。公開処刑のために蘇らせた?のに、悪かったって詫たり反アラブになったり。アンネと幸せになって欲しい。
0255文字
akane
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読書中、ええ!? と声をあげること数回。現地の国情に疎い私でも、ヒトラーとアンネのコンビとか嘆きの壁の移動とか、あまりのタブーに冷や汗をかいた。しかし政情は深く語られず、むしろ個人の人生に焦点を当て、さらりとした筆致で悲哀をかもす。作品の閉めにはほろ苦い余韻が残り、短編の醍醐味を味わえる。最も好きなのは表題作。女が男のためにカクテルを作るシーンが最高。男の目に映るものがそのまま描写の文章なので、女の作る飲み物への期待値が手に取るようにわかる。台詞も短くしゃれていて、ムーディ。ここは何度も繰り返し読んだ。
akane

表題作の中で作られるカクテルがあまりに美味しそうなので、ジンにベルモットにオリーブの実って、絶対有名なやつだ、何だったかなーと調べてみたら、マティーニだった。カクテルの王さまを思い出せなかったとは(汗)。でも驚いたのは、そのレシピ。作品内では、ベルモットが2/3、ジンが1/3になっている。マティーニってジンがベースだと思ってた。女が男に手渡すのなら、配分が逆の方がしっくりくると思うんだけど、著者に何か意図があるのかな。カクテルに詳しい人がいたら、このレシピの味を想像して語ってもらいたい。

04/07 15:44
0255文字
raratiger
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エトガル・ケレットと同じポストモダン世代に属すイスラエル人作家による短編集。ガッツリエンタテイメントな作品もあれば、抒情的だったり、映画のワンシーンを切り取ったような作品もあり、バラエティに富んだ印象。ヒトラーとアンネ・フランクの恋を描く「もうひとつのラブストーリー」!(ヒトラーが目を覚ます場面に鉄腕アトムが目を覚ます最初のシーンを思い出した)「で、あんたは死ね」、「ちょっとした問題を抱えた女」の驚かされるエンディング。キツネにつままれたような話の「嘆きの壁を移した男」。エンタメ系の話が特に私好みでした。
0255文字
ゴ
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アンネ・フランクとヒトラーの恋愛というタブーすぎる短編、「もう1つのラブストーリー」が良かった! 訳者あとがきにあった、兵役についてもイスラエルでどう捉えられているのかなるほど、と思った。現代的で旬の作家。他の短編集も気になる。
0255文字
ccf
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短編集。「奇妙で、哀しい夏」、「で、あんたは死ね」、「ちょっとした問題を抱えた女」、「しあわせ」面白かった。「なあ、行かないでくれ」は辛すぎる。短いが印象的な物語ばかり。
0255文字
ちゑ
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ネタバレイスラエル人作家の短編を精選した日本語版オリジナル短編集。衝撃的なタイトルが目を惹くけれど、表題作すらセンセーショナルな話でもなんでもない。その日の宿にも困るほどの青年が登場し、自分の現状を嘆き…という展開。他の話も同様で、登場人物たちの会話は気怠く茫洋として淡々と話は進む。なのに、自国の政治や世の中に向けて痛烈な皮肉を放ち哀感を残していくという問題作。ただ、イスラエルの国情や、変容するアラブとの関係などをきっちりと理解していたら、もっと楽しめたんじゃないかと思う。私的には少し残念な読書になってしまった。
ちゑ

特に印象に残ったのは、2048年にヒトラーとアンネ・フランクのアンドロイドが遭遇する『もうひとつのラブストーリー』。SFショートショートの味わいで、読後は口の中に苦味が拡がる。

01/11 13:20
0255文字
なつこうへい
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イスラエル作家の短編集。読み進めていくうちにはまりました。ヒトラーとアンネの「もうひとつのラブストーリー」は面白い。最後までどれも面白く読み終えた。
0255文字
のっぽくろねこ
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イスラエルの本!文章が素晴らしい。現地の様子が目に浮かぶ。
0255文字
mikechatoran
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とてもアクの強い短編集だった。印象的だったのは「良識の限界」
0255文字
桃蛙
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訳者ごときが(翻訳者自体を卑下する気は毛頭ないがこの本に限り)あとがきで自己の微妙な政治的思惑を書くことは作品に害でしかない。さらっと書かれているがとげが刺さったように読後後味悪し。
0255文字
星落秋風五丈原
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「もうひとつのラブストーリー」ビッグカップル誕生「なあ、行かないでくれ」しんみり
0255文字
ケンイチミズバ
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世代の違いを嘆く近未来。ホロコーストの記憶は薄れ、ハイテク企業が国にある提案を。ヒトラーのアンドロイドを製造し正しい裁きを受けさせては?初号機はネットに繋がれ過去の記憶を蓄積し、ヒトラーとしての記憶を持つ。故に過去を猛省し、涙し、迷いもなく刑の執行を求めた。が、歴史認識の薄い世間は彼に同情的か無関心で目論見は失敗。ならば、次の歴史アイコンをと。アンネフランクの記憶を充填した2号機が、しかし。こんなあらすじだと興味をもたれるでしょう。が、読んでみるとつまらない。なぜなら私が日本人でイスラエル人ではないから。
ケンイチミズバ

あの事件があっただけに、衝撃的なタイトルですが、首相が撃たれても若者は特にこれといって昨日と変わらない一日を送る。国民≠国家、政治よりも生活、人間は政治思想では生きていない。人の日常、恋愛や妻の病気の心配や若者のモラトリアムが兵役や国家の都合を凌駕する。ロシアの一般国民もその多くがプーチンコを指示していないのだろう。兵役中に届いた彼女からのお別れの手紙を上官が渡そうとしない。上官を銃で脅し手紙を受け取る若者。寒いテントの中で手紙を読み涙する。

11/11 09:38
がらくたどん

政治的プロパガンダより恋人の愛の言葉を生きる杖にする方が自分には大変に健康的なものの感じ方に思えます。例えば初号機が東条英機で2号機が原爆の子ども達だったら何を想うかな~と想像してみました。ご紹介ありがとうございました。

11/11 10:21
0255文字
講釈夫人
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不穏なタイトルは日本の事件とは関係無いイスラエルの作家の短篇集。めちゃくちゃ面白かった。同じイスラエルの作家エトガル・ケレット作品と似たブラックユーモアと、独特のメランコリーと現実の枠組みからはみ出す危うい展開に度々フリーズ「もうひとつのラブストーリー」は、2048年建国記念日を前にアウシュビッツを思い出し愛国心を高めようとヒトラーのAndroidを創り処刑しようとするが…ケレット氏は来日時、高校生の修学旅行?はアウシュビッツなので、イスラエルの10代にトラウマを植え付けると言ったが、本作の近未来予想では
講釈夫人

忘却の方向?どの短篇にもイスラエル独自の問題が影を落とし、非日常に侵食された新たな日常が現れるが、同時にどんな状況であれ日々の平凡な瞬間があり、それらを逃さず描き出す。戦後イスラエルへの移住の理由として、ヨーロッパがユダヤ人の孤児を必要としないうえ、今後もドイツで少数派として生きるのは余りにも怖いからだと、1925年生まれのユダヤ人作家サロモン・ペレル氏は語ったが、それでも現在のパレスチナ問題はイスラエルに非があると(ケレット氏も)欧州の支配層はユダヤ人を追い払い国を与えたが今なお混迷している。

10/29 10:16
講釈夫人

【追記】今現在の状況で、昨年11月に書いたメモをアップ。何処まで歴史を振り返るか?英国始めヨーロッパの責任まででも焦点がぼやけ、復讐とその正当化になるので、あくまで近年のイスラエルの責任とするのが現実的。ハマスが必ずしもガザの人々を代表している訳ではないことなど問題は山積だけれど、難しいから出来ないでは政治の意味は無い。作者が来日して直接お話を聞けたのも今は遠く感じる。どうか一刻も早い和平を願う。

10/29 10:18
0255文字
ヘラジカ
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これまた自分好みの素晴らしい短篇集。テーマや時代背景は様々ながら、どれも現代イスラエルの欠片を核に持っていて、普遍的ではあるもののオリジナルな味わいを醸し出している。魅力はユーモアとペーソスと言ってしまえばそれまでなのだが、イスラエル文学でしか作られない物語という点で記憶に残りそうだ。収録作でのお気に入りは「なあ、行かないでくれ」「で、あんたは死ね」「しあわせ」「ちょっとした問題を抱えた女」の四作。ケレットよりは現実味のある作品が多めだが、あの作家が好きなら是非とも手に取るべき一冊だと思う。
ヘラジカ

2022年10月の新刊。意外と表題作が一番ピンと来なかったかも。作風をつかむ前だったので肩透かしを食らってしまった。これは冒頭に持ってこない方が良かったのでは、という気がしないでもない。

11/18 02:56
0255文字
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