形式:ライトノベル
出版社:アルファポリス
形式:Kindle版ライトノベル
千歳の心の葛藤や拓海の不器用すぎる優しさなど丁寧な心情描写に引き込まれました。拓海の弟・大海視点の「九回裏の魔物、そして延長戦へ」で、いつも兄の拓海と比べられたり、千歳への想いを諦め切れずに延長戦に持っていく大海の心情が切なかった。店長さんが良いキャラしてる。拓海視点の「好きでいるのも諦めるのも難しく」で、鈍感な兄に千歳が好きだったことを言った大海は兄と最後の賭けに出たり、明かされる甲子園での出来事から、好きなものを好きであり続けるのが難しいように、好きなものを諦めるのも難しい。どれだけ千歳のことが好き
なのかすごく伝わって来ました。幼馴染みの拓海はもちろん、恋敵から徐々に打ち解けていく華と千歳や恋心をひた隠してずっと千歳を支えていた大海など、周囲のキャラクターにも好感が持てて読後感のよい作品でした。千歳が苦しい思いを乗り越えて成長していく姿が眩しかったです。すごく遠回りしたけど、二人が約束を守れて本当に良かった。大海は一見、おちゃらけているように見えて実は観察力に優れている。今回は損な立ち回りばかりをさせられてきた彼が報われるスピンオフ作品が読みたいです。
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