形式:単行本(ソフトカバー)
出版社:毎日新聞出版
形式:Kindle版
➡️業績は鷗外ならでは。掲載される文には「しかるに」(p56)、「星霜」(p93)、「さりながら」(p98)と古風な言い回しも散見するが、これが文章の密度を高めているのも事実。これとても、鷗外の文体に知らず知らずのうちに影響を受けたがゆえか。◉印象的だった部分を書き出したら、B5ノートで20ページを優に超えることに。その中から ①睡眠時間は二時間で十分と語る話(p159)。②そうして時間を作ったとしても、ゲーテの『ファウスト』を多忙な軍医総監勤務と並行してわずか半年で訳し終える集中力の凄まじさ。➡️➡️
➡️➡️③歴史小説の斬新さは、女性の斬新さにある。」「運命の逆境を己の英知で乗り越えてゆく」(p58)という視点。最近読んだ『安井夫人』の佐代の他、『澀江抽斎』の「五百(いお)」、『最後の一句』の「いち」の印象は鮮烈であるが、『ぢいさんばあさん』の「るん」(江戸時代の史実にある名だそうです。p74)は完全に忘れていた。基本的に著者ごとに異なる切り口で書かれているこの本でも、複数人が挙げているほど。この他にもまた読み直したい作、新たに読みたい作(特に翻訳もの)は多数。
この機能をご利用になるには会員登録(無料)のうえ、ログインする必要があります。
会員登録すると読んだ本の管理や、感想・レビューの投稿などが行なえます