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よみがえる森鷗外

感想・レビュー
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KAZOO
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森鴎外について、毎日新聞に月1回計42回にわたり特集した記事をまとめたものです。様々な作家さんや研究者が鴎外の作品やその人物あるいは関連することなどについてまとめられています。私も昔からかなり(全集などを含め)読んでいますが、再度史伝三部作(渋江抽斎、伊澤蘭軒、北条霞亭)は読んでみたいと思いました。鴎外については元日銀理事の吉野俊彦さんが書かれた5部作が力作です。
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みつ
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(今回も「つぶやき」欄に感想を書いてしまったので、こちらに若干手直しのうえ再掲します。) 没後百年を記念して、鴎外にゆかりの深い(あの読みにくい史伝三部作を連載)毎日新聞の月1回、計42回の記事をまとめたもの。歴史物を含む小説、史伝、翻訳小説・戯曲、詩、短歌のほか、音楽、美術、衛生学、脚気論争、家族など、各著者ごとにひとつのテーマ、ほぼ一冊の著書に絞る形で書かれている。「物語を生む力は高くない。」(p142)と評される通り、小説に関しては同時代の漱石の人気とは比すべくもないが、幅広い分野にわたる➡️
みつ

➡️業績は鷗外ならでは。掲載される文には「しかるに」(p56)、「星霜」(p93)、「さりながら」(p98)と古風な言い回しも散見するが、これが文章の密度を高めているのも事実。これとても、鷗外の文体に知らず知らずのうちに影響を受けたがゆえか。◉印象的だった部分を書き出したら、B5ノートで20ページを優に超えることに。その中から ①睡眠時間は二時間で十分と語る話(p159)。②そうして時間を作ったとしても、ゲーテの『ファウスト』を多忙な軍医総監勤務と並行してわずか半年で訳し終える集中力の凄まじさ。➡️➡️

10/17 18:29
みつ

➡️➡️③歴史小説の斬新さは、女性の斬新さにある。」「運命の逆境を己の英知で乗り越えてゆく」(p58)という視点。最近読んだ『安井夫人』の佐代の他、『澀江抽斎』の「五百(いお)」、『最後の一句』の「いち」の印象は鮮烈であるが、『ぢいさんばあさん』の「るん」(江戸時代の史実にある名だそうです。p74)は完全に忘れていた。基本的に著者ごとに異なる切り口で書かれているこの本でも、複数人が挙げているほど。この他にもまた読み直したい作、新たに読みたい作(特に翻訳もの)は多数。

10/17 18:40
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amanon
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本書でも言及されている通り、漱石に比べると馴染みの薄い鴎外。それだけに一般的に知られていない様々な側面があることに驚愕。とりわけ、元老山縣有朋と交友がありながら、その対局にある大逆事件の顛末に心を痛めたというエピソードには、社会的地位と素の自分との間に横たわる矛盾に葛藤する姿が想像される。また、子煩悩でありながら、妻との葛藤に悩まされたという鴎外の家庭人としての側面にも、意外という印象が。特に長女茉莉のエッセイを読んでみたくなった。後、気軽に手に取れる鴎外の著書が少ないのを痛感。何とかならないものか。
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あられ
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朝井まかて「類」を読んで森鴎外に興味を持った いくつかは読んでいるはずだが、その指南書になればと本書を手に取った 鴎外を読んでいない身には内容に共感することが難しく流し読みになってしまった 寂聴さんが、太宰治の向かい側にある鴎外の墓にお参りすることを聞いた三島由紀夫の手紙が面白かった
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烏賊天
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ネタバレ鴎外没後100年になるのを期して企画された毎日新聞に連載されたのを纏めたものである。実に多士済々な人が、彼に光を当てている。永井愛の論評が特によかった。私が彼の作品に初めて触れたのは、高三の教科書に載っていた「舞姫」であった。その美しく流れるような文体と豊太郎が注ぐエリスのうなじに対する視線にかなりの衝撃を受けた。しかしその後、よく対比される漱石は多く読んだが、鴎外はつまみ食い程度しか読んでいない。「高瀬船」「かのように」が印象に残っている。現代小説に疲れた時に読んでみよう。思わぬ発見があるのを期待して。
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trazom
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没後百周年記念、鴎外好きにはたまらない豊かな一冊。何といっても41名の執筆陣が素晴らしい。作家としてだけでなく、翻訳家、近代詩の父、歌人の顔や、美術、音楽への影響なども示されている。更に、軍医、衛生学者、帝室博物館長の業績とともに、家庭人としての一面も垣間見れる。印象的なのは、鴎外が女性を描く時のフェアな姿勢を称賛する声。更に、多くの人が絶賛するのが文体。「鴎外は文体は素晴らしいが、物語を生む力は高くなく、多くは元になる欧米の話などを換骨奪胎して小説に仕立てている」(森まゆみ)は一寸言い過ぎだけども…。
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飼い猫の名はサチコ
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2022年は森鷗外没後100年だった。そのタイミングで毎日新聞学芸部が企画した月1回の連載が書籍化されたもの。文京区の森鷗外記念館には2回行ったことがあり、鷗外の幅広い仕事ぶりに目を丸くしたものだけれど、分野の異なる多彩な執筆陣が、様々な視点で森鷗外のことを語ってくれる本書は、記念館10回分くらいの濃度を感じる良書だった。森鷗外を読んでいなさすぎた、勿体ない、と改めて思う。
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kochi
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森鴎外没後100年を記念して、毎日新聞に42回に渡り連載された記事の単行本化。複数の書き手(豪華絢爛)により、重複を厭わずに取り上げられた作品群(人気は『舞姫』と『渋江抽斎』)を軸に、それぞれ鷗外が論じられているが、続けて読むと不思議に各人の真剣さ具合や鷗外愛の程度も透けて見える気がする。小説だけでなく、翻訳、詩歌等、多岐にわたる創作活動や、演劇や美術界との関わり、軍医(脚気論争も含む)や帝室博物館総長としての活動、そして家族との関係など、鷗外の360度をサラッとだけど知ることができ、良い入門書かと。
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katashin86
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没後100年を期した、毎日新聞の連載企画の書籍化。文学者であり、軍官僚であり、そして知識人であった巨大な存在に近づく最初の道しるべたる1冊。
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