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石井菊次郎――戦争の時代を駆け抜けた外交官の生涯

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バルジ
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戦前日本を代表する国際協調路線の外交官としての石井菊次郎の姿に迫る評伝。「一等国」へと昇華する近代日本外交の問題点と矛盾をこれ程見事に体現した外交官はそういないであろう。小村外交を支え、外相として第一次大戦中の日本外交を主導。大戦後は国際連盟を中心に新時代に対応せんとする外交官の筆頭となるも満州事変後は日本の正当性を主張し対外強硬論を展開する。小村外交を理想とする石井は大陸権益を正当と見做し、これを理解しようとしない国際社会を痛罵する。しかし全てを相手の責に帰したその論は帝国日本の崩壊を導く論であった。
0255文字
コノート
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明治後期から昭和初期まで長期にわたって外交に携わったにもかかわらず、ほとんど研究が進んでない外交官である石井菊次郎の評伝。若手時代に小村寿太郎の薫陶を受けて満蒙権益の維持・拡大を志向し、1920年代は国際連盟代表として日本の国際協調路線の一翼を担った一方で、1931年に満州事変が起って以降は満州国の擁護に回る。石井なりの理屈はあるとしても傍目から見ると一貫した外交思想があるようには見えないが、逆にその時々の政治的要求に応え続けられたからこそ重用され、長期にわたって外交に関われたのだと言えるのかもしれない。
0255文字
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