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世界史のリテラシー 少女は、なぜフランスを救えたのか: ジャンヌ・ダルクのオルレアン解放 (教養・文化シリーズ)

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youmaysay
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事実は小説よりも奇なりを地で行く話。田舎の農民の少女が、歴史にこれだけ影響を与えるというのは、正直逸話的な色が強いと思っていたのだけど、本書を読むとそうでもなく歴史的事実のようだ。
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すい🕊️
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伝説の人のイメージがあったので、ジャンヌ・ダルクってほんとうに実在したのだな…と数多く残された裁判の資料や証言などを読みながら不思議な気持ちになりました。そして「神に選ばれる」ことは人の世において必ずしも幸福なものではないのかもしれない、とも。
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禿童子
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1453年に集結した英仏百年戦争の局面転換に大きな役割を果たしたティーンエージャーの女の子は、歴史を振り返るときにいつも頭に引っかかる存在。異端審問の裁判記録と名誉回復の回復裁判の記録から、神の「声」のままにオルレアンを回復する戦いを指揮して、シャルル7世の戴冠と塗油を実現した少女が存在したことを再確認する。20世紀になってようやく「聖人」に列聖された。中世の信仰から生まれた狂信者による集団幻想という説もあるが、現代に生きる我々にもジャンヌ・ダルク願望があるとつくづく感じる。
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ちゃむ
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1人の人としての強さを感じずにはいられなかった。 その強さとは、あらゆるものへの想い。 国家はもちろん、信仰心をもとに、「声」を頼りに周囲へ働きかける姿に心奪われた。 時代背景が彼女の機動力をさらに高めたと考えられるが、現代でも彼女の与える影響力は計り知れないものだろう。
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kei-zu
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聖女とまで言われながら、一転して魔女裁判により命を落とす。背景にあったという当時の欧州の政治模様に理解が及んだと言えないが、あがめられた要素がそのままマイナスに転じる人の世の恐ろしさをみる。裁判記録など本人の言も含む資料が残っているそうで、解説もわかりやすかったです。
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Sharly
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4 ド素人からすると確かに存在したと感動できたジャンヌ・ダルク。処刑裁判と復権裁判の記録が完全に残っていたことさえ初耳だったので本書はちんぷんかんぷんの所も多かったが勉強になったし興味深く読めた。。フランスの田舎の農民の娘が何故戦の指揮者と成り得たのか?奇跡の塊のような存在だが懸命に「声」に忠実に生きたのだと理解できた。健気な大変利口な女性だったんだなぁとしみじみ。
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はるわか
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神の「声」は執拗に召命を繰り返し、ジャンヌは王太子シャルルを助けオルレアン解放とランスでの国王戴冠という「予言」を実現する「戦士」に。ジャンヌの奇跡的な壮挙と魔女・呪術女としての断罪の背景に、女性の宗教的な「力」への集合的な信仰の拡がり。後期中世は「想像界」と「霊性」が支配する「女預言者」の時代、神の声に直接耳を傾ける女性たち。戴冠後ジャンヌの神通力は跡形もなく消え、遠征で捕縛される。異端裁判で「声」と「男装」がシャンヌの命取りに(悪魔と結託した行為として)。1431年火刑。1456年復権裁判。
はるわか

ジャンヌ・ダルクの「歴史」はその死とともに終わらず、アイコンとしてフランス人の記憶に刻み込まれ、諸党派が政争の具としてジャンヌを自分のものにしようと。「フランスの国家が危うくなると偉大な英雄が奇跡をもたらす」と自己を正当化したい皇帝ナポレオンによる復権。また、共和主義者にとって国王に見捨てられ教会に殺された者として、カトリック勢力にとって宗教的信念に準じた者として、王党派にとってフランス国王のため身を捧げた者として、シンボルとして担ぎ出された。1920年聖女として列聖。

03/25 03:00
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サアベドラ
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百年戦争末期に農家の娘が奇跡というべき行状を成し遂げた理由を西洋中世史の大家が平易な言葉で考察するリブレット。2023年刊。ジャンヌの歴史上の動きと受容史については本書より世界史リブレット人のほうが詳しい。ともすればシャルル7世に都合良く使われ捨てられた悲劇の乙女として描かれがちな彼女であるが、本書では中世末期のツァイトガイストにおいて、pp.90-94でまとめられる4つの要素を体現していたがゆえにかの偉業を成し遂げることができたとしている。答えのない問題の回答の1つとして、まあ参考にはなるかもしれない。
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Junichi  Watanabe
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#読了 。ジャンヌと言えばオルレアン解放や男装の乙女、絵画や小説、映画の題材程度しか知識がなかった。何より驚いたのは、600年前の裁判記録が残っている点だ。日本で言うところの「神懸かり」的な行動に現代人は疑問を感じるが、15世紀の中世欧州では「想像界と霊性」が民衆を支配していた事を見れば頷ける。ジャンヌはその死後から現代まで、何度も呼び戻らされ利用され、特にナポレオンは自己の正当化のために彼女を蘇らせた。
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G-dark
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この本の中で特にわたしの心を打ったのは、処刑裁判の記録に残る彼女自身の言葉です。執拗に失言を誘う尋問に対して、彼女は毅然と答えています。その凛とした態度に比べて、あの手この手で彼女を有罪にしようとする者たちの思惑ときたら醜いものです。「十字架を目の前において欲しい」と最期まで頼んだ彼女と、そんな彼女を生きたまま焼いて晒しものにしたあげく遺骸を捨てた者たちと、一体どちらが「神をないがしろにした」と言えるのか…。つくづく考えさせられました。
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りゅーじ
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百年戦争の経過については、知識が少なく、全く詳しくない僕にとっては難しいものでした。ジャンヌに関することについては、とてもわかりやすかったように思います。
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cocomero
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未だ評価がわかれる歴史的人物ジャンヌ・ダルクを取り上げ、その世界史的な観点からの位置づけが試みられる。フランスが危機的な状況にあるなかで登場したあるいはし続けるジャンヌのイメージは、聖なる乙女、ましてや、イエスよろしく救世主として流布する傾向がある。が、危機が去るや否や、その一介の農家の少女が示した超越性は、健全で道理的な神よりも邪悪で理不尽な悪の仕業とされ、狂信者ひいては魔女として受容され始める。治癒文化論的にみれば、狐憑きの如く何かに取り憑かれ活躍したタイプゆえに、その位置づけはより繊細さを要する。
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くれは
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ジャンヌ・ダルクの事績としては「オルレアン解放」が真っ先に挙げられがちで、確かにそれも重要なのだけれども、本書によればジャンヌがシャルル王太子を「ランス戴冠」へ導いたこともまた同じくらい、あるいはそれ以上に重要だったとのこと。イギリスと百年戦争を戦っていた当時、フランスは王太子シャルル(後のシャルル7世)を担いだアルマニャック派と、イギリスと結んだブルゴーニュ派の間で内乱が続いていた。イギリスにもその隙を衝かれ放題だったらしい。
くれは

あと驚いたことに、実はジャンヌの目的は「フランスを対英戦において勝利に導くこと」ではなかったらしい。”じつはジャンヌは、フランスとイギリスが和睦すれば自分は十字軍遠征に旅立ってエルサレムで死ねると夢見ていました。ポワティエで書かれたベッドフォード港に書かれたジャンヌの手紙は、(中略)あっぱれなこと(十字軍)をするのにイギリス人も協力できますよ、と書いています。(中略)つまりジャンヌは、世界週末を迎えるために聖地回復の十字軍を呼び掛けていたのであり、彼女の使命はたんなる対英戦ではなかったのです(P86)。

08/15 21:24
くれは

長くなるのであとはメモ。ジャンヌが生存している時代から聖人なみの存在としてあがめられた理由は、P92-94 に記載。「教会のインテリ聖職者」ではない者にこそ聖性を認めるメンタリティは、現代アメリカに残る「(本来的な)反知性主義」に通じるものがあると思った。

08/15 21:25
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aika
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シャルル王太子の酷い仕打ちと火刑という最期に、子供の頃に伝記で読んで悲惨な印象が離れなかったジャンヌ・ダルク。純粋な信仰心を原動力にしてフランスの歴史を変えた偉業、オルレアン解放を中心にして歴史的背景から彼女の生涯が辿れます。ジャンヌに今でも人々が魅了される理由を「民衆の一人、田舎娘が決然と行動しその場で即座に、奇跡のように歴史を動かし転換させて、驚くべき人間の可能性を開示してくれるから」と端的に表した著者の見解がスッと腑に落ちました。ジャンヌ亡き後、復権裁判から現代での受容まで知れて興味深かったです。
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アキ
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NHK世界史のリテラシーシリーズ。薄いが共時的と通時的の双方の時間軸での記述があり読み応えがある。イギリスが優勢であった英仏百年戦争にて1429年神の声に導かれ、オルレアンの街を解放し、ランスの聖堂で王太子シャルルの戴冠を成功させた。その後、異端裁判で有罪となり1431年処刑された。しかし1456年復権裁判で復権を認められて、1920年に聖女として列聖された。当時、女性宗教者で女預言者は多く、自然の超自然力を信じることと騎士道文化が彼女の活躍を支えた。フランス革命時に復権させたのはナポレオンであった。
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うさを
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百年戦争の一時期、戦場を駆け抜けた少女についての人びとの記憶を辿りなおすと、明暗2人のジャンヌが現れる。彼女はフランスをなぜ救えたのか?というのが著者の問いだが、著者は、中世末期のイメージとの関係にその答えを求めようとしている。最後に触れられる民衆的抵抗と女性の絆はもう少し掘り下げてもいい気がした。
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