読書メーター KADOKAWA Group

富豪に仕える: 華やかな消費世界を支える陰の労働者たち

感想・レビュー
13

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
きょうたん
新着
仕事で労働関係の本を物色中に見つけた。序章からしていちいち面白い!!
0255文字
takao
新着
ふむ
0255文字
songbird
新着
☆☆☆
0255文字
羽
新着
著者の博士論文をもとにした、大富豪とフルタイムで大富豪に仕える人々にスポットライトをあてた本。フランスの給与の中央値の十倍を稼ぐ執事がいる一方、法定最低賃金の三分の一で一日一八時間働かされる使用人もいる。褒め言葉、ボーナス、プレゼント、住居、食事、医療費などが支給されるかどうかは、雇用主である大富豪によりけりだ。対照的な人物へのインタビューから、持てる者と持たざる者の隠れた本音が暴露される。
0255文字
hitomi
新着
読友さんのレビューを読んで。フランスや欧州の富豪と、彼らにフルタイムで仕える使用人へのインタビューを軸に、労働や格差などの問題を掘り下げた好著。著者自身も富豪宅でナニー(子供の世話係)として働いた経験を持つそうです。移民や女性差別、貧困といった問題が背景にあり、現代の奴隷としか言いようがないケースもあります。富豪たちは節税や法律に詳しいため、どうしても使用人は立場が弱くなってしまいます。法で守られることがなく、気が休まることもなく、富豪にいいように使われる使用人たちが多く、悲しくなってしまいました。
0255文字
ぽつねん
新着
ネタバレ華やかな貴族と彼らに尽くす忠実な使用人たちは、映画や小説上ではすっかり見慣れた関係である。持てる者は持たざる者に救済を、持たざる者は持てる者に忠義を。もしそんな関係が現代も続いていたとしたら?フランスの社会学者が自らの博士論文を大衆向けにリライトした本書。最初こそ富豪の執事になったことで一財産を築いた使用人のサクセスストーリーで始まるが、作中で「黄金の鳥カゴ」と表現される通り、使用人は高い給金や気まぐれな高級品の下賜、教育を受ける権利とのバーターで富豪の絶対的な支配にさらされて概ね人権がない。引き換えに⇒
ぽつねん

なるのは、1日12時間超の稼動と献身、一個人ではなく人種や性別や見た目といった属性で個性を丸められる日々。成功者の甘い蜜を吸える一方で雇用契約書すら結ばれない社会的なヒエラルキー… この一方的過ぎないアンビバレントな搾取は富豪の自らに対する正当性(恵まれない人を雇ってあげている自分は素晴らしいといった具合)を強めていそう。 そもそもこの現代で、自分を支配するのが自分ではない時点で疑問に思うべきだった。別にWin-Winなんじゃ?と甘い考えで読み始めたが自分に人権についての素養がないことを痛感。面白かった。

03/04 23:37
0255文字
ブロッコ・リー
新着
本書は富豪と使用人の閉じた世界の扉をこじ開けてその秘密を興味本位に暴露するのではなく、著者の博士課程論文テーマとして使用人とその雇用者である富豪とにインタビューした事実の記録である。一方論文とも異なり様々な人の目に触れることを前提としたルポのテイストを帯びていて、興味深く読了した。使用人は多くが中南米、アセアン諸国、中東、アフリカ出身で、富豪にすれば恵まれない境遇の者たちを手厚い待遇で雇用しているとの自己正当化を構成しやすい。事実、住まい、使用人家族の教育費や医療費までも現物支給する富豪もいる。
ブロッコ・リー

使用人は富豪の私的な部分と強固に結びつき、富豪から「家族」と甘い言葉を囁かれながらも、富豪と一緒のテーブルで食事をすることはなく、衣服は地味なものに制限され、中には富豪の女主人から女装を強制され、加えてトイレに行くことを禁止されてオムツ着用を義務付けられた奴隷のような例も紹介されていた。労働契約が無いので年中24時間戦えますか状態に置かれ、富豪の税務申告の控除ネタにも使われてしまう。一生面倒を見ると言われるが、いつ気まぐれに解雇されるかもしれない、安定した「不安定さ」の上に使用人たちはいる。

02/12 22:55
ブロッコ・リー

翻って、わが日本。レジ打ち、介護現場の労働力に外国人を雇ってサービスの不足を補っている。著者は「生活に不可欠な作業から逃れて、貧者、移民、女性にそれを押し付けることを目指す社会とは、いかなる意味を持つのか。」と問い、「家事やケア労働を行う人々を犠牲にすることなく、需要がサービスへと移行する社会の条件を考えなければならない。」としている。一方でそうなると「家庭の意味合い」もシビアに問われそうで、一度とことん議論したら良いのかもしれないが、課題を分解するばかりの西欧的な価値観の限界を見たようにも思った。

02/12 22:55
3件のコメントを全て見る
0255文字
sayan
新着
「覗き見」した著者の目に映った富豪と使用人の世界は露骨な搾取/差別関係に終始しない。その事は著者が導出する「ゴールデン搾取」概念を手掛かりに誰が誰の「剰余価値」を搾取するのか、現実の在り様は廓然無聖を彷彿する。マルクス経済学に挑戦、そんな示唆を楽しむも本書の魅力。表紙絵から「家政夫(婦)の(は)」的なドラマを想起するも「ダウントンアビー」が近似。現代舞台では使用人が富豪の社会的立場のパッケージに苦しみ、時に主従関係が逆転する姿、また使用人自身が雇用主に自身を投影し満足感と恍惚感に浸る姿は異様な迫力がある。
0255文字
くさてる
新着
最初のうちは、富豪の生活を支える現代の使用人のプロフェッショナルな働きと豊かな生活……という感じで読んでいたのだけど、その実相が明らかになっていくにしたがって、これは現代の奴隷制、或いは過去からの身分制が持続しているだけではないかという気分にすらなってしまった。貧富の差が生み出す歪み、といえばそれまでかもしれないけど、やはりこれはちょっと。あまりにも。日本でも住み込みの家政婦の方が過労で亡くなった事件があったはずですが、21世紀の現代欧州に存在する搾取の構図にめまいがしました。お勧めです。
hitomi

くさてるさんのレビューがきっかけで本書を読みました。華やかな世界との落差が激しくてびっくりしました。読んで良かったです。ありがとうございました😊

04/24 16:30
くさてる

ほんとに衝撃的な内容でしたよね。わたしも読んでよかったと思っている本なので、読書のきっかけとなったと知れて嬉しいです、ありがとうございました😊

04/24 22:07
0255文字
towerofthesun
新着
使用人と雇用主、お互い納得づくとはいえ、搾取の構造。しかしそれは会社組織でも同じかも。
0255文字
ROOM 237
新着
仏文古典を読んでいると、主人公を陰で支える使用人の確かな仕事ぶりに控えめな佇まい、そこから得られる安心感は波瀾万丈な物語の中でこそオアシス的存在だなあとしみじみ思う。その理由が知りたくて本書を読んでみたのだが、社会の頂点たるご主人に仕える自分を誇らしく思うモチベの一方で、根底に奴隷根性を持つ人でなければ務まらないケア労働であるのは否めず。また雇用主も他人である使用人と同居し、常に動向を察知されるストレスとの折り合いなんかも興味深い。他人の家の中はわからない、もちろん豪邸の中は更にキリングフィールドですわ!
0255文字
massda
新着
金持ちは使用人の待遇改善に自ら動くことは絶対に絶対に な い。使用人にオムツをはかせるような連中である。フランスにおいては、ひどい雇い主の内部通報制度をつくって、金持ち仲間内での評判がダダ下がりするシステムを構築すべきだと思う。行政上部をお金持ちの子弟が押さえる仕組みになってるから無理だと思うけど。
0255文字
かなく
新着
雇用主、使用人の具体的な想いが語られており面白かった。 富豪の生活に携わるがため自身は貧相にも関わらず、感覚だけは富豪と似通ってしまう。サラリーマンでも大きな企画に携わると雑務が億劫になってしまう。また、過酷な労働であるにも関わらず、孤独を恐れて転職することを躊躇して一生を雇用主に捧げる。再雇用で同じ会社に居続ける者がほとんどである状況と酷似している。法定外の雇用であるがため、雇用されるチャンスは多いがセーフティーネットは無いに等しい。 2者の関係性は、主人と奴隷、会社とサラリーマンの中間位だろうか。
0255文字
全13件中 1-13 件を表示
富豪に仕える: 華やかな消費世界を支える陰の労働者たち評価100感想・レビュー13