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ソーンダーズ先生の小説教室 ロシア文学に学ぶ書くこと、読むこと、生きること

感想・レビュー
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かげろふ
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「十二月の十日」を読んで大好きになったソーンダーズの本ということで興味を持って読む。ソーンダーズは文芸創作を教える大学の先生でもあって、その流れにある本書はまさしくタイトルに嘘偽りなしの小説教室(養成講座的な)。決してアカデミックな分析をしている本ではない。本来ならもっと簡潔なノートと先生の講義の両方で目と耳を使って吸収すべきものだと思うが、文字しか入らない書で同じ情報量を扱うので読むのはまあまあ大変(仕方ないけど)。その気のない自分なんかには特に。それでも解説のあれこれがなかったら露文学の古典なんか→
かげろふ

→わからなかったろうから得るものはありました。本書の趣旨とは外れるが、訳者さんは七編の短編を原典の露語から直接翻訳してるとのこと。つまり新訳で全て読めたわけでそこはなんだか得した気分になりました。

03/20 08:52
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Takaharu Yanagida
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19世紀のロシアの短編を、逐語的に分析し、構造を平易に論じた講義録。「若手作家がこの時期のロシアの短編小説を読むのは、若手作曲家がバッハを学ぶようなもの」と著者は語る。冗長に感じたり、退屈に思える部分も、こう書かれるしかなかった創作上の必然性が説かれるのは、実作者のソーンダーズならではの視点では。いかに自分が読めてなかったかが、痛感された。章ごとに付された、それぞれの原典の短編は、直接ロシア語から翻訳された新訳なので、ロシア短編小説のアンソロジーとしてお得感もある。ソーンダーズ自身の作品も読みたくなる。
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荏苒 byn
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原題の 雨の中池で泳ぐは、本書中の 「すぐり」 から。 感想人若い頃チェーホフに傾倒してたため、 本書の 3篇 を参照した。 短編三部作 というのがあって箱にはいった男/すぐり/恋について で、 本書にはすぐり が入ってる。 個人的には箱にはいった男が 最も印象に残っている。可愛い人というのは 中央公論版では 可愛い女 だった。 本書では パターン 小説と 分類されている。チェーホフの情景描写の妙が有ると思うが、その点言及は特に無いみたい。
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ポテンヒット
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「はじめに」から心を掴まれ、この授業は面白いに違いないと確信。テキストとなるチェーホフ、ツルゲーネフ、トルストイの短編が掲載されており、それらを解剖学的に読み解き、著者が作家となり本を書くプロセスも惜しみなく書かれている。一番難解と思われるゴーゴリ「鼻」の解説で、ミスコミュニケーションという観点が新鮮且つ現実味が増す。ヘミングウェイ山とくず山の話は作家だけでなく、読者にも当てはまると思う。色んな本を読んで自分の山を築き上げる。読書の楽しさを十分に味わえて心豊かになる授業だった。
マリリン

「主人と下男」は未読だけど気になる~😍 ソローキンがベースにしていたというのは頷けます。ドクトルとセキコフの関係を彷彿させますね。向こうから見て三人がロシア文学絡みの感想続けてUPしていたのが何だが嬉しかった😇

03/01 00:37
ポテンヒット

読みながらドクトルとセキコフを思い出しました。終盤、意外な展開で読ませます。ソーンダーズ先生の解説もとても良かったです。因みに、馬は普通の馬です😁

03/01 19:42
3件のコメントを全て見る
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ハッカ飴
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読み応えがありました。大学の授業を受けている感じで。半分以上評論であるのに、最後のあたりでは涙ながらに読みました。短編小説の読み方をていねいに教えていただいた気がします(自分が「書く」というところまではいたりませんが)。ロシアの短編小説をもっともっとたくさん、たくさん読みたくなりました。軽く、暖かさや優しさを感じる小説を読むことも多いけれど、がっつり「考える」ところまで導かれる短編小説を。
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くさてる
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大学で19世紀のロシア作家の短編を通じて創作を教えている著者(本人も作家)。まるでその授業を受けているかのような読書体験でとても面白かった。トルストイやツルゲーネフ、チェーホフといった有名作家の短編から、創作にとって必要なエッセンスやテクニックを抜き取って解説する手技も刺激的だったけれど、それらの優れた短編をより深く読み込むことができた気がする。創作を志す人はもちろん、ただ小説を読むことが好きな人にお薦めしたい。なぜ、私たちは小説を面白いと思い、読み進めてしまうのか。そんなことを思いました。おすすめ。
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おだまん
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ネタバレひとつひとつの小説の読み方というより、小説を読むということはどういうことか、作者さんと対話することを教えてくれる本。「若手作家がこの時期のロシアの短編小説を読むのは、若手作曲家がバッハを学ぶようなもの」という言葉に私もバッハの聴き方で19世紀ロシア文学を読んでみようと思う。
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ルーシィー
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現代日本との違いがロシア小説の面白みの一つ 知らないことを知る楽しみ
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ハンバーグ
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ネタバレロシア文学から「書くこと」「読むこと」について解説されている本でした。内容としては、歴史的にも残るロシア文学を紹介しながら、その作品を読み解いてどう解釈していくか?が書かれています。およそ600ページにも及ぶ本書は、持っているだけでも大変ですが、読み解くのにも少し大変でした。紹介されている作品は、どれも面白いと感じる作品が多かったです。創造の世界は、いかに想像して世界を広げるのかが大切になってくるということが分かりました。 少し難しい本だとも感じた。
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hitomi
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ネタバレ読売新聞の書評を読んで。著者はシラキュース大学教授として文芸創作を教えている、現代アメリカを代表する作家だそう。その著者が「短編小説の傑作」と考える、4人のロシア人作家の短編7本を紹介・解説した本で、非常に面白かったです。7本の中ではトルストイの『主人と下男』がお気に入り。ゴーゴリの『鼻』は私には微妙でしたが、著者による解説は読みごたえがあり面白かった。「外の世界で起こっているいきちがいは、私たちのなかにも起こっている」…なるほど。小説家志望の人でなくても、小説が好きな人には楽しめる本だと思います。
hitomi

本書は600Pあって重たいので、手に持って読むのがけっこうしんどいです。上下巻にしてほしかった…💦

12/18 17:50
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Yuho Tanuma
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ブッカー賞作家でありシラキュース大学で文学創作を教えるジョージソーンダーズによる、主に19世紀に活躍したロシアの文豪の七篇の短編小説を題材に優れた文学作品とは何かを説き明かす。 個人的2024年No. 1の名著。 チェーホフ、トルストイ、ツルゲーネフ、ゴーゴリといった無学な自分でも名前だけは知ってる文豪の小説は寡聞にして未読だった私ですが、彼らの短編の素晴らしいこと! そしてそれらの素晴らしさとテクニックを紹介するソーンダーズの語り口の面白さ。 後書きでの文学が人に齎すものは何か?という問いの答えに感涙。
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moon-shot
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もちろん読書なんて自己流で読めばいいんだけど、こういう見事な解説を読むと今すぐロシア文学を片っ端から読みたくなる。元々は作家志望の学生向けの講義をまとめたものですが、決してハウツー物ではなく具体的な問いかけと的確なアドバイス(「脱線のようなこの一文がもしなかったら?」「もし物語がここで終わったらどう思う?」)に溢れていてもう眼からウロコ!こんな授業なら受けてみたい。「小説を読むと心のあり方がしばらくの間変わる。世界のことを今以上に意識するようになる。」ソーンダーズ先生、とりあえずチェーホフを読んでみます。
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brzbb
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最高の文学講義だった。チェーホフ、トルストイ、ツルゲーネフ、ゴーゴリの短編を取りあげ、1ページ1ページ、1行単位でその部分が小説のなかでどのように機能しているか精読していく。取りあげられる作品は丸ごと収録されているのでロシア短編小説アンソロジーとしても最高。とくに「主人と下男」。ゴーゴリ以外はぜんぜん読んだことなかったのでもっと読んでみたいと思ったけど、一人で読んでもここまで深く読み取れるか自信がない。著者自身の小説作法、デビュー前はヘミングウェイのような小説を目指していたことなども語られる。
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