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ミケランジェロの焔 (新潮クレスト・ブックス)

感想・レビュー
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横溝ルパン
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ミケランジェロが甥に残した手紙という形で、自身の言葉で生涯を語る小説でした。 この本を読むまで、ミケランジェロの作品はシスティーナ礼拝堂の、ETを思わせる^^;天井画くらいしか知りませんでした。そこから感じたイメージ通り、彼の厳しくて頑固な一面が作中に何度も登場します。 私は美術作品に疎く、文章だけでは実際の作品はわからないので、ピエタを画像検索して補完しました。その繊細な美しさに驚きました。これを20代始めに完成させたミケランジェロは、本当に天才だと思いました。
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文読み
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万博に行く予定があり、イタリア館の予習として購入。この本を読めば、ミケランジェロの生涯を体系的に理解できる。彼自身の語り口でその軌跡が時系列に沿って描かれており、作品と人生が結びついて進んでいくのが印象的だ。すでにいくつかの作品を知っている人ならば、「ああ、これはあの作品のことだな」と思いながら楽しめるだろう。一方で、作品がすぐに思い出せない場合でも、「ミケランジェロ 作品」と検索してビジュアルを確認しておけば、より理解しやすく読み進められると思う。
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Bevel
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イタリア語の原文を訳したからか、日本語として読むと笑いを誘う部分が多かった。
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ニケ
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史料ベースにした小説中のミケランジェロの言葉は彼の手紙の中にあるもの。エピソードは手紙の中で言及されているもの。研究者の著者がミケランジェロになって私として書いたもの。彫刻の仕事。システィーナ礼拝堂の仕事で画家としての印象が強いが本人がどれほど彫刻が好きだったか分かった。お金はほとんど使わず、質素に暮らし仕事ばかりしていた人。人生を知って好きになった。
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Tokki
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ネタバレミケランジェロが自身の生涯を甥へ語る小説。イタリアで有名な作品は実際に目にしたことはあるが、ルネサンスの中では個人的にダ・ビンチやラファエロが好みであった。本作品で、作品を制作する時の工程やミケランジェロの人物像がくっきり浮かび上がりもう一度作品を見たくなった。
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takao
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ふむ
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nobi
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ミケランジェロ24歳の時のピエタを前にした時震えるような感動があった。84歳の時のロンダニーニのピエタも見てみたい。その焔のような創造力を生涯発揮しつづけた彼を、ドラッツィオは一人称で描いていく。事実と想像を分けてもらった方がと思いつつ、当時のローマやフィレンツェ、メディチ家の晩餐、ローマの劫掠時に身を潜めた礼拝堂の地下、システィナ礼拝堂の天井画を描く大変さ、力強さと優美さとを放つダヴィデに立ち向かう姿…が目の前に。九十歳を前に「サン・ピエトロ寺院の「ピエタ」が猛烈に見たくなった」との語りもありえたかも。
nobi

《まさにこの時期、仕事に対する新たな信念が熟していった。その数年前まで、彫刻は肉体的活動、つまり自分の身体と大理石の魂との戦いだという考えが常に頭にあった。本能的に石を攻撃し、石はその攻撃におとなしく従っていた。だが、ラオコーンを見たあと、彫刻家の役割は他にあることに気がついた。女性の胎内にいる胎児のように、彫像はすでに石塊の中にある。わしはそれをノミで外へ引き出し、つかみとらなければならなかった。だが、それは、叡智の教えに従うことでしかできないのだ。》

08/29 18:22
nobi

《ダヴィデの顔のように、額の眉をひそめ、目をくぼませた。これまでの聖像には決して見られなかった厳しい顔を表現できたと思う。そして彼の内に潜む力は、まるで火山が噴火する寸前のように暗示するだけにした。わしのモーセはシスティーナ礼拝堂の天井に座る預言者たちに似てはいるが、大理石は彼をはるかに生き生きとさせ、迫真感を出している。ほんの少し光がかすめただけで、波打つ髪は震え、陰影の効果を生み出す。これはいかなる方法でも絵画では得ることのはできない。》

08/29 18:22
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川越読書旅団
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最後の審判、ダビデ像、サン・ピエトロのピエタ、世界的に最も知られる宗教画と彫刻を残したルネサンス期を代表するミケランジェロ。残された多くの資料と、彼が生前家族にしたためた手紙を巧みに引用し、孤高の芸術家ミケランジェロを見事に描く伝記敵小説。同時代を生きたダ・ビンチやラファエルロとの関係性なども垣間見え、非常に興味深く読了。
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ASYURA
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ルネサンス随一の芸術家にして嫌われもの。その栄光と哀しみの人生。 ダ・ヴィンチの才能を憎み、ラファエロの急成長を妬み、芸術を愛すると同時にあらゆる人々と衝突した男、ミケランジェロ。彼はいかにして構想を練ったのか? 日々の苦悩は? 家族やパトロン、友人、ライバルとのつながりは? イタリアの人気美術キュレーターが、その複雑なパーソナリティを、老芸術家の回顧録のごとく描いた伝記的小説。
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takakomama
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キュレーターの著者がミケランジェロになりきり、死の間際に人生を振り返って甥に語っている小説。彫刻に専念したいのに、教皇たちの我儘な依頼に振り回され、ライバルに嫉妬され、作品をめぐって論争が起こります。ミケランジェロは情熱的で、プライドが高く、感情の起伏が激しく、家族思いです。多くの素晴らしい作品を残しました。
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aisu
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ミケランジェロの生涯を虚実取り混ぜて、一人称で、死期が近い時に、甥に語る手法で振り返る。ミケランジェロが書いた手紙や、近い者が「彼はこう語った」と書き残したものが多いので、語った内容などは事実が多いらしい。もう少し小説仕立てかと思ったが、本としては割と淡々としている印象を持った。一応、憎悪だの嫉妬だのといった単語もよく出てくる。彼が他人に向ける嫉妬も他人から受ける嫉妬も多々あって、才能ある人、有名人になると大変だなと。自負心、創作の苦しみ、素材の石を得る苦労、パトロンとの戦いなど…色々あったんだな。
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たま
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著者はイタリアの有名キュレーター、翻訳出版はクレストブックスの一冊とあって文学的香気に満ちた作品を予期して読み始めたが…ミケランジェロ自身が家族や依頼主との関係(おもに金銭の話)と自作をぶっきらぼうに語り、香気はナシ。身体は頑健、人付き合いは下手、石との格闘だけが情熱という人柄がそのまま伝わってきた。メディチ家や教皇らの金の使い方のずさんさ、栄華を誇るための誇大妄想的教会や墓所計画には辟易する。こういう風だったからこそルネサンス期の美術が今日なお燦然と輝いているのかもしれないが。
たま

昔々『華麗なる激情』というハリウッド映画を見たことを思い出した。チャールトン・ヘストンがミケランジェロで足場を組んでシスティナ礼拝堂の天井画を描き、レックス・ハリソンのユリウス2世と喧嘩していた。ヘストンの表情の乏しさがミケランジェロ向きだったんだなと思う。原作はアーヴィング・ストーン『苦悩と歓喜』

03/19 11:45
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ハマのプー
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イタリアルネッサンスを代表する芸術家を三名挙げろと言われれば、まず入ってくる天才の回顧録。もちろん著者が膨大な史料を読み込んで本人に成り代わった自分語りだ。生前から高い評価を得た芸術家によくあるように、嫉妬、誹謗、中傷を浴び、権力者に翻弄される様が延々と展開する。おそらくその通りなのだろう。だけど、ミケランジェロがいかに芸術に心奪われ、その身を捧げていたかも分かる。過酷な人生との引き換えに、芸術の神からの愛に満たされていたと考えるのは、うがち過ぎか。
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Nine
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ミケランジェロの青春、アツいです! ミケランジェロってこんな人だったのかと、もちろんフィクションの部分も混じっているはずなのでそのまま受け取れないですが、複雑でおもしろい人物だったようです。 時代の背景を知っている方がもっと楽しく読めたのかなと思ったので、この時代を勉強してから、また読もうと思います。
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Bonnard
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面白かった。小説としてはわからないが、ミケランジェロの生涯を俯瞰するに役立つ本であり、ミケランジェロの作品と照らし合わせながら読んだので、時間はかかったが、良き読書体験。
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しのぶ
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メアリ・ホフマンの『ダヴィデ―ミケランジェロの美しき“弟”』を読み返したくなったし、同著者の『カラヴァッジョの秘密』、『レオナルド・ダ・ヴィンチの秘密』、『ラファエッロの秘密』も読んでみたくなったし、それよりナニより六田登『獅子の王国』を思い出すなど。あれの最終巻、今からでもいいから出して欲しい! 連載が完結したのは知ってたけど、単行本で読む派なので楽しみに待っていたのに、ついに出ませんでしたよね?! なんなら電子書籍でも我慢するので、最後まで読めるようにして欲しい……。
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(ま)
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大理石から彫像を取り出す 老いたミケランジェロが甥に来し方を激白する伝記的小説
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スイ
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ミケランジェロが自ら自分の人生を語る、というフィクション。 勢いがあって、目の前で語っているのを聞いているようだった(読んでいて太宰治の「駈込み訴え」を思い出した)。 父親をはじめ家族や同業者、教皇などの顧客との複雑な関係に悩みながら、彫刻に真摯に向き合う姿に引き込まれる。 翻訳も良く、とても読みやすかった。
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いっこ
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ミケランジェロが、その人生を自ら語る形をとっている。カラヴァッジョ、ダ・ヴィンチ、ラファエッロの「秘密」シリーズの著者が、ミケランジェロについてはどうして「焔」なのかと不思議だったが、後書きには著者がミケランジェロの「心の中に入り込んだ」とあり、力の入れようが違うのかと期待する。彫刻や絵画の制作過程も詳しく語られ、実物を見た時にはただただ圧倒された作品たちを思い浮かべながら読んだ。ライバル、親族、顧客である権力者に対する思いも、相当なものだ。何事にも「焔」を燃え立たせ続けた人生だ。
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ハルト
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読了:◎ ミケランジェロの生涯を自身が甥へと語る、という体の作品。その過激で気難しく、どこか破壊的で燃え盛る焔のような性格は、彼の手から創られた芸術作品の崇高さとは似合わないくらいに、激情を保っている。美術史家でキュレーターでもある著者の書くミケランジェロは、おそらく史実に忠実で、あまり詳しくなかったミケランジェロの生涯について全体的に知れることが、良かったなと思う。ただ一生の語りを通じて、どこか自分の生き方に言い訳じみた感があったりもする。こういった性格なら、そんな後悔はしないのではないかなと思いもした
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星落秋風五丈原
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ルネサンス期、イタリアは国としては分裂していたのに、天才画家が三人も出そろった。レオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエッロ、そしてミケランジェロ・ブオナッローティ。本編の主人公である。映画『華麗なる激情』でも、権力者にも我が意を曲げない頑固なミケランジェロが描かれたが、本作もそのイメージを裏切らない。ミケランジェロの書簡や同時代の伝記をベースに書かれた小説であり、想像も加味されている。最終章以外全てミケランジェロの独白になるため、その人物像に異を唱える事が難しい。
たま

星落秋風五丈原さん、こんにちは。『華麗なる激情』私も見ました。ミケランジェロ像、共通のものがありましたね。

03/19 11:52
星落秋風五丈原

たまさんみなさんこんばんは。割と古い映画ですけど有名ですよね。最近だと惣領冬実さんの漫画『チェーザレ』で若きミケランジェロを見ました。

03/19 21:01
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信兵衛
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訳者の上野真弓さんが最後に「この本を読むあなたはきっとミケランジェロがすきになるだろう」と語っていますが、まさにそのとおりです。それだけの魅力を含んだ一冊です。お薦め。
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chang_ume
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小説形式のミケランジェロ評伝。簡易的だが作品解説の側面もあって、ミケランジェロの作家人生を概観する際には便利な一冊かもしれない(しかし図版なし)。ただ内容は通り一遍で作品解釈もやや表層的。なによりミケランジェロの才能が所与のものとして前提化されていて、つまりは彼の偉大さがいつ、どのように発現したのか、このあたりがほぼ描かれず。評伝としては未熟で、小説としても読み足りない。クレストブックスらしく達者な翻訳が救い。
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講釈夫人
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数多のルネサンスの巨匠たちの中で、何故ミケランジェロ?と思ったら、作者は既にレオナルド・ダ・ヴィンチもラファエロも書いていた。高齢のミケランジェロが回想する一人称“わし”に先ず引っかかる。翻訳小説を新訳する意味の一つに、過去作の高齢男性の“わし”表記を柴田元幸氏が挙げていたが、私も“わし”には抵抗がある。まして本作は初訳出。内容は、ミケランジェロの生涯を辿るプロットの転換点を、嫉妬、狂乱、向こう見ず(短気)に収斂し、物語仕立ての解説のように、史料に薄く肉付けして駆け抜ける。あとがきで(苦手な)原田マハを
講釈夫人

挙げていたようにライト…読み易くはあるが…で終わった。ただ小説としては物足りないが、作者は美術史家、キュレーターで、かなり史料に忠実なので、基本情報の伝達、ミケランジェロの手引書としては良いかもと補足する。経歴は似ているが、余計な?物語てんこ盛りの原田マハ作品とはそういう点では逆。彫刻家ミケランジェロ本人については絵も非常に上手いが、長年のレオナルド・ダ・ヴィンチファンとしては対岸から見ていた。最近の新潮クレストブックスには色々思うところがあるけれど、時々これは!という作品もあるので完全には離れられない。

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ミケランジェロの焔 (新潮クレスト・ブックス)評価79感想・レビュー24