形式:単行本(ソフトカバー)
出版社:筑摩書房
形式:Kindle版
宗教的にも国家的にもあらゆる党派的な活動には与せず、闘争の危機の接近を察するたび移住を繰り返したエラスムスは、同時代の人々からはいずれの党派を支持するのか立場を明確にしないことを糾弾され、後世の歴史家からは「逃避的人生」、「臆病者」と評されもした。しかし、終わりの見えない争いの時代にあっても国家や宗派の境界を越えた「世界市民」であろうとし、理性的な言葉(彼は「共通言語」としてのラテン語に終始情熱を傾けていた)による繋がりをあくまで求め続けたところに、彼の確固たる「闘い」があった。
また、『戦争はそれを知らぬ者にとってのみ美しい』(邦訳『戦争は体験しない者にこそ快し』)と『平和の訴え』で、戦争を始める権力者や戦争を利用する聖職者、戦争で儲けようとする人達を批判している。現代社会では必読の書と思われる。
この機能をご利用になるには会員登録(無料)のうえ、ログインする必要があります。
会員登録すると読んだ本の管理や、感想・レビューの投稿などが行なえます
宗教的にも国家的にもあらゆる党派的な活動には与せず、闘争の危機の接近を察するたび移住を繰り返したエラスムスは、同時代の人々からはいずれの党派を支持するのか立場を明確にしないことを糾弾され、後世の歴史家からは「逃避的人生」、「臆病者」と評されもした。しかし、終わりの見えない争いの時代にあっても国家や宗派の境界を越えた「世界市民」であろうとし、理性的な言葉(彼は「共通言語」としてのラテン語に終始情熱を傾けていた)による繋がりをあくまで求め続けたところに、彼の確固たる「闘い」があった。