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散りしきる花 (春陽文庫 み 18-2)

感想・レビュー
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バーベナ
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ネタバレ旅役者の福之助についていってしまったゆう。幕末から明治という怒涛の時代背景も描かれていて、なんと激しい時代だったのだろうと。場末の旅芸人一行と足元を見られ見事に騙され無一文、愛する福之助は殺され、さらにゆうは身ごもる。住処の汚さにも、私は気が狂いそうになった。やがて、月満ちて子供が産まれてからのゆうは、再び本来の火のような気性を取り戻す。福之助が歩いたあとには染井吉野が咲くように、そっと種を植えつづけたゆう、彼女はまだ30代。このあとどうなっていくのか、とても知りたいし、思わず勝手に想像してしまう。
0255文字
森オサム
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「恋紅」の続編。本作は主人公の20代半ばからの10年間が描かれているが、何とも壮絶な人生でした。しかしそれは自分で選んだ生き方、いや、そうとしか生きられない性の人物と言う事か。全く共感は出来ないのは、男女の性差なのでしょうか?、私には分からない。まあ子供より自分のしたい事を優先する、それはそれで少ない話では無いのかも知れませんが。前作は少女時代の物語だったので、主人公が何を考えているのか理解出来ず読むのに苦戦した。しかし本作は、納得は出来ないが理解は出来た。その分読み進め易かったし、この先も読みたかった。
0255文字
鳩羽
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遊女屋のお嬢さんだったゆうは、福之助について旅役者の一座に連なって行く道を選び、頭取として奮闘していた。政治結社に惹かれた若い役者がいなくなり、興行に失敗、人には騙され、福之助は病んだ。狂ったように福之助を求めて人生の道を変えたゆうは、さらに狂うような目に遭うが…。人の優しさよりも、世知辛さの方が多い渡世をこれでもかと描くが、なぜか醜く酷くなりきらないのが不思議な物語だった。思うに、物語の方が語りすぎていない、節制があるのだと思う。その分、芝居は華やかに、極端な感情を迸らせるものとして描かれ作られる。
0255文字
あるべると
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遊郭の娘から旅芝居、福之助の妻となったゆうの生きざまを描いた物語の後半です。 すっかり幕末から明治になり、旅芝居で生計をたてるようになった福之助一座が波瀾万丈すぎます。 しっかりしているようで、どこか抜けているゆうの人生は大変で、いろいろな不幸が次から次と、と言った感じでした。 どんな不幸か訪れるかは物語を読んでみてください。 明治時代、女性が生きていくのは大変だったようです。 現代の女性は恵まれていますね。 恵まれすぎて、多くを望み、そのために生きにくくなっているような気がしてなりません。
0255文字
イシカミハサミ
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第95回直木賞受賞作、「恋紅」 本作はその続編にあたる。 こちらは名実ともに 遊郭の主人の娘、ゆうが主役。 時代は明治。 激しい時代のうねりの中、 女の身一つ、生き抜く姿。
0255文字
秋良
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恋紅の続編。吉原を飛び出して旅芸人の一座に加わったゆうの、その後の十年。守ってくれていた福之助が死に、立ち行かなくなって一座は解散する。前作ではどこでも周りの者に庇われ物事の一番醜い部分までは見ずに済んでいた彼女に、一気に厳しい現実が襲いかかる。読んでてイライラすることもあった少女漫画のような展開からの落差に驚く。女興行師として立ち、泥くさくもがく姿は桜というより蓮の花。次の構想もあったようだけど、ここで終わってしまってるのが惜しい。
tosca

続編の方が面白そうな感じですね。前作の内容を覚えているうちに読まなくては…

09/24 18:43
秋良

ゆうが強かになった分、話も動いて面白かったです。福之助はあっさり死んでしまいましたが……

09/24 20:58
0255文字
ささぶね
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ネタバレ前作と比べるとだいぶ成長し、それでもどこかハラハラする一面を持っていたゆうが、福之助の死を機に揺るぎない強さを持つ女性になったのが良かった。最後の金太郎は、受け入れる気が無いのに探し当てて絆すのは卑怯でない?思ったけど、ゆうがそんなことにもへこたれない強かな女性になっていて安心した
0255文字
すな
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ネタバレ恋紅続編。 ゆうの生き様が凄い。 一座が解散して、愛する人が無残に死に、誰の子かわからぬ子を産み、再び東京に戻る。 お嬢さんとして産まれた彼女がこんなにも泥臭く生きるとは。 実家がどうなっているのかも知れたし。 あと、金太郎との再会がただの甘ったれた再会じゃなくて良かった。 この後、どうなっていったのか気になる。
0255文字
たけはる
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前作『恋紅』の続編。福之助と所帯を持ったゆう、三十五歳までの物語。福之助は途中で退場するだろうな~と思いましたが、まさかそういう終わり方とは思わなかった。福之助を亡くしたときのゆうの狂い方が圧巻で、胸がつぶれるようでした。そこから先は苦難の連続ながら、それぞれの出来事を通して女として、母として強くたくましくなってゆく。やっぱりこういう少女の成長物語って好きだ~と噛みしめながら読みました。結局さらなる続編は出てないのかな……残念。
0255文字
アーちゃん
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1990年初刊本、2024年復刊。「恋紅」続編は福之助の一座に頭取及び女房として旅に出たゆうの九年後、名古屋郊外の興行から始まる。時は明治十五年。三人兄弟の一座は長兄の角蔵が東京に残り、弟の金太郎が抜け、さらに立女形の牡丹が政治結社に身を投じて徐々に立ち行かなくなっていく。トラブルを予感させる冒頭から、大阪に流れて以降、愛する人の死に己を失くしたゆうの妊娠と前作とはがらりと変わり悲惨な内容が続く。東京に戻り娘ひさを預けて新しい仕事に従事するゆうの前に現れたのは。ゆうの三十五歳までの凄まじい生に圧倒された。
アーちゃん

著者による「初刊本あとがき」には、ゆうのこれからについて書き継ぎつつあると記されているけれど、日付が平成二年なので多分これで完結なのだろうと思う。

06/23 17:14
0255文字
むすび
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ネタバレ福之助を追って旅芝居の一座に加わったゆうのその後。時代の波と世間の罠に苦しみつつも、ゆうの態度が『恋紅』の頃よりもなよやかさを増したようで、読んでいて不安が募った。どこか苛烈な少女性が薄れたような。福之助の死がなければ物語として先の展開はなかったのかもしれない。それでも人のいいのは相変わらずで、娘を預けたところで目を覆いたくなってしまった。その始末に父親を頼れるあたり、『小公女』に覚えるのに似たしょっぱさを感じないでもない。時代を考えれば「良い父親」ではあるのだと思う。 金太郎との再会の場面がとても粋。
0255文字
うさぎや
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「恋紅」続編。ゆうというおんなの花が散っていく、そこに新たな花は咲くのか否か。
0255文字
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