形式:文庫
出版社:河出書房新社
続き 江戸中期、大阪町人の価値観を前提としないとバカバカしくて読み進められないのであるが、コレは古典と呼ばれる物を鑑賞する大前提なので仕方がない。微笑ましい語呂合わせもご愛嬌。でも胸を打つドラマが隣とか裏にある。「ただ読むだけでも」十分満足できる一冊だった。蛇足ですが、二十代の頃古本の全集で原作は読了済み。無学者には敷居が高かったが、義務感も伴った読了。コレも若さ。
追加でつらつら。実はこの人は誰それの変装した姿でした、とか、それが義経には全部お見通しでした、とか、えーっ!と読者を驚かせる仕掛けが江戸期の作品だなあと思いました。また、貴族の英雄がむしろ脇役で、市井の人々が話の中心になっていくところもしかり。悪役が改心したり倒されたりする勧善懲悪および大団円もしかり。この前に読んだ馬琴の八犬伝と非常に似ている。だから、舞台はもちろん平安時代なんだけれども、江戸時代に生きる義経って感じがしました。以上、語訳ではなく内容に関する感想でした。
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