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アーリヤ人の誕生 新インド学入門 (講談社学術文庫 2821)

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へくとぱすかる
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歴史の教科書でおなじみの記述で、定説のように思っていた「アーリア人の侵入」が、どんな経緯で唱えられるようになったのか。ヨーロッパの人々の、インドについての関心を歴史的に追及していくと、サンスクリット偏重という学問の態度に行きつく。比較言語学ではおなじみの「印欧語族」という用語が、印欧祖語を話していた民族という概念を生み出し、後にナチスに取り入れられたというから、言葉の一人歩きは慎重になるべき。著者が言うように、それが「印欧語『属』」ならば、結果は違っていたかもしれない。それが日本語の用語であっても同様に。
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Go Extreme
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インド学の誕生: ウィリアム・ジョーンズと言語学の誕生 ベンガル・アジア協会とウィリアム・ジョーンズに対する評価 東洋への憧憬: オリエンタル・ルネッサンスをになった人々 印欧比較言語学の確立 アーリヤ人侵入説の登場: 系統樹説と印欧語族の故郷 マックス・ミュラーと「アーリヤ民族」 反「アーリヤ人侵入説」の台頭: インダス文明の発見と南アジア考古学の発達 1990年代以降の反「アーリヤ人侵入説」とヒンドゥー・ナショナリズム 私のインド体験: インド少数民族研究 私のムンダ語・ムンダ文化発見 出版二十年後に
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プリン
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「アーリア人侵入説」の見直しは不可避らしいと学んだ。
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よっち
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近代言語学の双生児「アーリヤ人」は、なぜこれほどまでに人々の心を捉えて離さないのか。言語学誕生の歴史からすべての起源インドに取り憑かれた近代ヨーロッパの姿を浮かび上がらせる1冊。ヨーロッパのラテン語・ギリシア語とインドのサンスクリット語に共通の祖となる、失われた起源の言語としてのアーリヤ人。インドでなくヨーロッパで発達してきたインド学、その背景となった東洋への憧憬、「アーリヤ人侵入説」の登場から台頭とヒンドゥー・ナショナリズムに至るまでの経緯に、言語学がいろいろ絡んでくるあたりがなかな興味深かったですね。
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いと一
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アーリア人に関する本筋の話も興味深かったが、何より我が国の研究界における現状、文系の受難についての話が面白い。面白がっている場合ではないのだが。
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さとうしん
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西欧での言語学の成立、あるいはインド・ヨーロッパ語族、「アーリヤ人」概念、「アーリヤ人侵入」説の誕生の経緯について。ダーウィンが言語学から影響を受けていたということや、考古学の立場から「アーリヤ人侵入」説に疑問を死すのに「言語学の暴虐」が持ち出されたという点を面白く読んだ。第Ⅴ章で展開されるインド学がテキスト偏重という問題や、補章で言及される固有名詞のカタカナ表記の問題などは中国学でもかなりの程度あてはまるのではないか。
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