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Kai Kajitani
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「情報」の収集と伝達という観点から毛沢東期の中国共産党の統治機構を分析した力作。圧巻は農村集団化を分析した第7章である。これまで、人民公社化の中で起きた大飢饉は、毛沢東らに農村の窮状に関する情報が伝わっていなかったから起きた、というのが一般的な見解だった。しかし本書によれば共産党が作り上げた強力な情報システムにより、毛のところに農村の窮乏の状況はしっかり届いていた。問題は毛がその情報に疑いの目を向け、むしろ相対的に良好な農村の報告だけを信じ、そのことによりますます自身の見解に固執するようになったことだ。
Kai Kajitani

つまり毛は情報が不足していたから誤ったのではなく、むしろ彼に集まる情報が多すぎたから誤ったのだ。これは、インターネットにより情報が氾濫する中で、トランプやプーチンといった強権的な指導者、あるいはその熱狂的な支持者が、自分たちの考えに沿った情報だけを信じ、それと異なる情報に耳を貸さないことによって、ますます政治的立場を先鋭化させていく、という現象とも通じるものだ。その意味で、現代のポスト・トゥルース的な民主主義の問題点をより深く考えるためにも、本書は有用な視点を提供しているといえるだろう。

03/22 17:22
0255文字
Kai Kajitani
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首都圏を中心とする在日中国人コミュニティーの実態に関しては取材記事も増えてきたが、舛友氏は対象のバラエティと取材の深さの点で群を抜いている。本書で扱われる「潤日」中国人もプチ富豪から体制に不満を持つリベラル知識人、子供に良い教育を受けさせたい中間層、老後に不安を抱えるたたき上げの起業家まで、実に多様である。本書はそのような多様な「潤日」の背景に、濃淡はあれ現在の習近平政権への不満、また日本社会に溶け込まず、価値観を同じくする中国人同士のネットワークで対処する姿勢、という共通項があることををあぶりだす。
0255文字
Kai Kajitani
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Kai Kajitani
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大阪維新の会がなぜ地元大阪で支持されるのかをその財政面を詳細に検討することで明らかにした好著。地方債の償還を優先させた財政健全化志向、長く続いてきた福祉・文化予算のカット、県立大の授業料無償化など教育の普遍化への志向など、現在話題の斎藤知事の下での兵庫県財政の運営も、本書で描かれた大阪府の財政運営との共通点が多い。県職員に対するパワハラ問題の多発も、この観点から理解する必要があるだろう。その意味で本書で描かれた財政ポピュリズムは、「大阪だけの問題ではない」というのは正鵠を射た指摘だろう。
0255文字
Kai Kajitani
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著者は本書の中で、毛沢東時代より続いてきた「都市vs. 農村」という中国社会の二元構造が、農村人口が旧県城を中心に開発された「県域」に吸収されることで、「中・大都市vs. 県域」という構図を示すようになっていると指摘する。そして政府は、激しい競争社会である中・大都市の住民と、「大きな田舎」である県域に住んで「まったりと人生を送る」人びとを区別し、ダブル・スタンダードで統治しようとしているのではないか、と述べている。ゼロコロナ政策などの失政にもかかわらず現体制がなぜ盤石なのか、その答えがここに示されている。
0255文字
Kai Kajitani
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歴史的な慣習として多様な成り立ちをしてきた「所有」は、近代以降社会の根幹をなす普遍的な権利として、あらゆるところにその影響を及ぼしてきた。その結果人びとの生活を守る盾であるはずの「所有権」が、社会の「よき習い」を破壊するという矛盾がうまれる。本書はこうした近代的所有権を相対化するヒントとして「所有は、それを放棄することによってはじめて可能になる」というヘーゲルの議論に注目する。そして、あるものを誰かから「受託」し「適切に保つ」ことをそのオルタナティブとして提唱する。所有の奴隷にならないための優れた指南書。
0255文字
Kai Kajitani
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読んだ本
69

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読書データ

プロフィール

登録日
2011/11/09(4903日経過)
記録初日
2011/11/13(4899日経過)
読んだ本
69冊(1日平均0.01冊)
読んだページ
24240ページ(1日平均4ページ)
感想・レビュー
53件(投稿率76.8%)
本棚
0棚
性別
年齢
54歳
血液型
O型
職業
教員
外部サイト
URL/ブログ
http://www.facebook.com/kaikaji
自己紹介

1970年大阪府出身。牡牛座。専門は現代中国経済論。
ウェブサイト:http://www.econ.kobe-u.ac.jp/~kajitani/
ブログ「梶ピエールの備忘録。」http://d.hatena.ne.jp/kaikaji/

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