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つまり毛は情報が不足していたから誤ったのではなく、むしろ彼に集まる情報が多すぎたから誤ったのだ。これは、インターネットにより情報が氾濫する中で、トランプやプーチンといった強権的な指導者、あるいはその熱狂的な支持者が、自分たちの考えに沿った情報だけを信じ、それと異なる情報に耳を貸さないことによって、ますます政治的立場を先鋭化させていく、という現象とも通じるものだ。その意味で、現代のポスト・トゥルース的な民主主義の問題点をより深く考えるためにも、本書は有用な視点を提供しているといえるだろう。
1970年大阪府出身。牡牛座。専門は現代中国経済論。ウェブサイト:http://www.econ.kobe-u.ac.jp/~kajitani/ブログ「梶ピエールの備忘録。」http://d.hatena.ne.jp/kaikaji/
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つまり毛は情報が不足していたから誤ったのではなく、むしろ彼に集まる情報が多すぎたから誤ったのだ。これは、インターネットにより情報が氾濫する中で、トランプやプーチンといった強権的な指導者、あるいはその熱狂的な支持者が、自分たちの考えに沿った情報だけを信じ、それと異なる情報に耳を貸さないことによって、ますます政治的立場を先鋭化させていく、という現象とも通じるものだ。その意味で、現代のポスト・トゥルース的な民主主義の問題点をより深く考えるためにも、本書は有用な視点を提供しているといえるだろう。