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「認められたい」の正体 ― 承認不安の時代 (講談社現代新書)

感想・レビュー
210

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さんま
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SNS が発展している現代で問題視されている自己承認欲求について関心を持ったため読んだ。この本が書かれた当時は今ほどスマホが普及しておらず、SNS についての言及はなかったが、根本的な考え方は現代にも当てはまると言える。3つの承認の種類を自らの体験に当てはめて考えると納得するところがあった。
0255文字
Missiy
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家族や友人に認められたいのか、会社や学校の集団に認められたいのか、社会に認められたいのか。どれか一つでも承認されればある程度は心が満たされるが、それだけで完全に満たされるとは限らない。一般的他者の視点に立って、自分のする行動を確かめながら、自由と我儘を履き違えないように行動しなければならい。SNSなどで、社会的に認められたい人たちは数多くいる。家族円満で、友人もいるのにそれでも満たされない何かがある。本当の自分を承認してほしいと感じる彼ら彼女らは、SNSで自分の価値を示し一時的な承認を得るのだろう。
Missiy

そんな仮の承認では満たされない。それならば、本書でも書かれている「自己承認」をし、一時的な可燃剤として利用すればいい。なぜなら自己承認はその場しのぎの盾であり、社会的、集団的、親和的欲求を満たすまでに使えばいい。 「俺は俺でいいんだ」「俺は将来成功する男だ」と自身を承認し行動に移せば、社会的承認や親和的承認を得られる可能性が高まる。承認されたいのに承認されない現状に耐えられないのなら、まずは盲目的な自己承認をしてあげればいい。その後に、一般的他者の視点を持ちつつ、バランスよく承認欲求を満たしていけばいい。

03/27 10:25
Missiy

ただ盲目的に自分を信じて疑わないのは間違いだ。 一般的他者の視点で物事を客観視しつつ、社会とのバランスを取りながら、自由を模索するべき。その道を外れると欲しいものは手に入らず、フラストレーションが溜まり、やがて壊れてしまうだろう。

03/27 10:34
0255文字
チシャ猫
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久しぶりに再読した。承認欲求を完全に消して生きることができない以上、かつての社会的共通理念が消失した現代社会では承認不安に苦しむ人が増えている。誰もが了解するであろう一般的承認を深掘りしてそれに立ち向かう論が目立つが、一般的価値観を否定したくなる捻くれ者の自分からしたらいささか食傷気味となってしまった。同じような話の繰り返しが多いし,最近読んでいた著者達と比較して引用の仕方が上手くなく、あまり楽しくない読書であった。
0255文字
ジュリ
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ネタバレ親和的承認、集団的承認、社会的承認の3種類の承認がある。親和的承認は親やパートナーなど親しい人からの承認で、ありのままの自分を認めてもらうこと。集団的承認と社会的承認は、集団や社会のルールに従うことで得られる承認。これは自分の努力で得られることがある。人は他人からの承認を得ることで、自分には価値があると思えるようになる。自分に価値があれば、そこにいてもよい、生きていてよいことになる。だからこそ、認めてもらいたいのだろう。
0255文字
U-Tchallenge
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かなり久しぶりに再読した一冊。また新たな気づきというか考えることがあった。承認不安は現在でも続いているように思う。著者が指摘するように「一般的承認」の再認識が必要だろう。「大きな物語」が失われた現代において、それを改めてつくりだすことはナンセンスだろう。しかし、だからと言って「一般的承認」を得られないというわけではない。なるべく多くの者が共通了解できる道徳的価値を大切にすることに改めて価値を見出すことが必要ではないだろうか。そんなことを考えながら読み進めた。
0255文字
Frapentan
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本著は2011年に出版されたもので、当時はまだSNSの萌芽期であったはずだが、この内容を見るに著者には先見の明があったとしか言いようがない。 承認不安について人間の深層心理を突いた内容で納得した。結局感情の形成は親をはじめとした幼少期の環境に依存してしまうのは、いわゆる"親ガチャ"を外した者を考えるとやるせない。また、過去に植え付けられたトラウマ的呪縛はいざ解放されたとはいえ、真に自由にはならないのが難しいところだ。もし今苦しんでいる人がいるのならその苦しみを打ち解けられる場を作ってあげたいものだ。
0255文字
いのうえかずね
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ネタバレ『求められているのは「自分は価値のある人間だ」という証であり、その確証を得て安心したいがために、身近な人々の承認を絶えず気にかけ、身近でない人々の価値を貶めようとする。見知らぬ他者を排除することで、自らの存在価値を保持しようとする。』
0255文字
ハナさん*
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2011年3月20日第1刷。県図より。現代が「承認不安の時代」になっていることについて、心理学・社会学・哲学的な視点から考察したもの。現状分析にとどまらず、克服法も提示している。親和的承認・集団的承認・一般的承認と分類された承認のうち、現代人が自己価値の承認を確保するために、周囲にいる身近な人間による承認(集団的承認)に固執しなければならなくなった事情を、喝破している。「認められたい」という欲求の暴走や、承認不安に由来する病的な状態からの脱出法として、著者が提示するのは自己了解・自己決定による納得である。
ハナさん*

なるほど確かに。私が「ゴミ出しの自分ルールに固執するあまり、家のゴミ屋敷化が加速している状況」を打破した際などは、このプロセスを経ていた。友人が、職場での承認不安ゆえに、対人恐怖や上司・同僚に「認めてもらえない不満」をつのらせている状況から脱出するには、このプロセスを実行するのがよいだろう(というか、それしかないと思われる)。

12/14 17:52
ハナさん*

本書は2011年発行であるから、SNSや動画投稿サイトでの評価(イイネやフォローの数、閲覧・再生数等)やネット掲示板等での評価(誹謗中傷、毀誉褒貶)を気にする心理には、一切触れていない。こうしたネット上の評価は、承認の3分類からすれば、見知らぬ他者からの一般的承認に入るのだろうが。本来の「一般的承認」とは、性質が異なる気がする。見知らぬ他者・社会からの評価が、「顔も名前もわからないが、確かに存在する個人からのもの」として、ある程度の実体・実感をもって得られてしまう。それが、ネット社会の怖さだと思う。

12/14 18:04
3件のコメントを全て見る
0255文字
銀河帝国
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腑に落ちる点が多かった。承認欲求そのものを不可欠のものとして確認したうえで、承認の源となる他者によって三種類(それぞれ「親和的」「集団的」「一般的」他者による承認)に腑分けして考察。現代は「一般的」価値が力を失ったことで、上記三者の内実やバランスが大きく揺らいでいる時代だと位置付けている。そのうえで、それでもなお一般的通用性が揺らがない点を参照することを、承認不安への対処策として提示する。→
銀河帝国

→解決案として迂遠だと思われるおそれも表明されているが、個人的にはむしろ堅実な策として納得できた。もちろん難しさも感じるが(自分の場合は「みんながそう感じるだろう」とはっきり思えそうな場面やポイントでも、欠落していたり自信が持てなかったりと感じることが多い)、色々な意味で薄氷を踏むような「空虚な承認ゲーム」と表現されるものや、「自分で自分を価値づける」だけ、「自分の見方でいく」だけよりは、得心しやすい。

12/07 13:35
0255文字
jacobee1352
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図書館本。斜め読み。
0255文字
ns
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ネタバレ承認欲求を分解していくと、親和的承認、集団的承認、一般的承認に分けられる。文化の多様性に伴い、何に縋ればよいか分からなくなってしまったという説明に納得した。日本では宗教の話はタブーとされていたりとあまり良いイメージはないが、一神教という考えが大事だということに気づく。
0255文字
しょー
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タイトルを見てSNSのことを想起し、10年前ぐらい前の本ということで、今との違いなどを知りたいと思い手に取ったが、承認欲求はSNSに限らず、親子間、会社内などあらゆるところに存在するっていう当たり前のことを知る。内容は哲学の範囲であり、普遍的であることや、読みながら会社内のことを色々思い出していた。
0255文字
しょーちゃん
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そうだよなー… 自分の生い立ちと重ね合わせていろいろと考えてしまった。
0255文字
ERIN
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承認を与える存在を分けて、ここでは承認を「親和的承認」「集団的承認」「一般的承認」の3つに分類している。現代は承認への欲望の増幅よりも、承認されないことへの不安からくる周囲の過剰な同調や配慮、それによる疲弊が蔓延っている。社会共通の厳格な価値観が失われているからこそ、自分の生き方を他者の承認に委ねてしまう場合が多い。本書は一般他者の視点から物事をとらえ直すことで身近な人間からの承認不安を手放せるとあるが、実際のところどうなのだろうかと疑問が残った。
0255文字
テツ
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よっぽど強い自己中心性(他人からは狂気だと感じられてしまうような)がない限り、人間は他人を介さなければ自らの姿を認識することができず、存在意義を見出すこともできない。大なり小なり違いはあれども、承認欲求というものは誰にでもあるものだし、それは生きる上での支えになったりもする。大雑把に言ってしまえば「正しい承認欲求」を求めて生きていくことが幸福になるためのわかりやすい方法なのではないかなというお話。社会からの一般的な承認。善くあることで認められる自分の姿への満足。そこに気づき至ろうとする意志を育むこと。
0255文字
K
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内容なノートにまとめたので、感想を少し。心理学的説明では、不十分という点に関しては、賛成するし、他者は、「生きる意味」を私に与えてくれる、私の存在価値を認めてくれる存在である、という点に関してもそうだと思う(特に神を信仰していないと、神からの承認は無いから他者に行くしかないというのも分かる)。でもそれが何故か、そして、他者-超越は、必然性を付与してくれるのか、それとも私の生界の中での他者(超越される-超越)は、その見せかけであり、私は一生、必然的意味を得られないのか、その点が考えられるべきだと思う。
K

現状分析、「一般的他者視点」の要請というてんも賛成ではあるが、もっと深い部分、人間存在の存在構造についてまでいつか深入りして欲しいと思う。(或いは既にしているのかもしれないが)

12/03 22:00
0255文字
淡野 直人
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ネタバレ○要約:価値観/基準→承認=肯定的評価→親和/集団/一般。承認不安=排除恐怖→同調。欲望↔️関係/自由↔️承認/存在↔️行為。 ○感想:承認を巡る現象学的本質観取の試み。価値基準や一般的他者等の問題設定はとても興味深いが、抽象化や普遍性の契機を過大評価している印象。
0255文字
KEIJI
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承認欲望(承認欲求)は、「親和的承認」、「集団的承認」、「一般的承認」の三種類あるとされている。 現代社会は、「大きな物語」が崩壊したことにより、「共通の価値観」というものがなくなった。 また、親和的承認を手に入れることが難しくなってきた。 それ故、身近な集団的承認を求めるようになった。 だが、それは精神的もあまりよろしくない。 だから、一般的承認(道徳的に良しとされていること)を求めるような生き方を奨励する。
0255文字
ざっく
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承認欲求を分類すると、親和的承認、集団的承認、一般的承認に分類されるようだ。今の世の中は、家族の強いつながりが薄まり親和的承認が満たされてにくく、多様な価値観の発生により一般的承認もわかりにくくなっている。そのため、集団的承認を強く求めるようになっている、という話だったと思う。承認欲求というとSNSがパッと思いつくが、SNSも集団的承認を得ることが目的になっているのだろうか。筆者は、人を助けることで一般的承認を満たしていこうと主張するが、自分の生き方を確立させ、承認欲求を弱めたほうが上手くいくのかな。
0255文字
🍭
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「自己存在を保証する普遍の社会的コミュニティの不在」を「現象学」「承認欲求」の二つを主軸として考えた本、とはいっても現象学的な要素があまりよく描かれていない。むしろ、フロイト提唱する欲動論での無意識の抑圧とその克服に寄せたテーマの方が多い。各学問の用語の説明は丁寧だと感じるが、現象学、児童心理学、精神分析学と、どれも各学問の精髄をごく僅かに抽出している程度の内容に留まっている。結論である五章でも、引用での根拠を示し、主張を強めるばかりで、著者による問題の解決への主論は微々たるものである。
🍭

本書が示す「承認欲求」とは、特定の関係からの存在の肯定であり、それがどのような関係から獲得できるかによって、承認欲求を得る「私」の在り方が左右されていることが問題だとしている。インターネットを通した関係は、「承認されたい私」を望むがままに目的地へいざなうが、「私」が承認される・承認されたいと思う関係を選択できることが却って、絶対的自己肯定を遠ざけている。他者からの承認に自分の存在価値を預けてしまわない生き方が求められる時代だと言える。自分の在り方がわからなくなったら、自分を客観視することから始めてほしい。

02/10 17:27
0255文字
ケルトリ
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認められたい欲求には 「親和的承認」「集団的承認」「一般的承認」という三つがある。『親和的承認』・・・家族や友人に頼りにしてほしい。相手にとって自分は必要な存在なんだ、と思いたい感覚。『集団的承認』・・・自分の所属するクラス、サークル、同僚の中で優秀、尊敬といった目線を受けたいという感覚。『一般的承認』・・・世間一般で〝良い〟とされている価値(有名会社に就職、大会で優勝する、年収○○○万円)を示したいという感覚。原因には自分が持っている『○○が当然』という歪みがある、それを理解することが脱却の一歩となる。
0255文字
tokotan
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『認められたい』という承認欲求がなぜ起こるのかを分析。『空虚な承認ゲーム(=空気を読む)』は 友人間だけで無く家族でも起こる。それは現代社会では『自分が価値のある人間』であると実感しにくいからだ。 「親和的承認」「集団的承認」「一般的承認」という三つの承認が出来るかどうかがカギになる。 フロイトの『エリザベート』のエピソードを見るように承認不安を取り除くにはありのままの自分を認める事。 他人だけでなく自分自身を認めることが必要なのだ。
tokotan

『認められたい人間は多いが、そのような人間が他人を認めようとする事は少ない』とどうぶつの森にでてくるラコスケが言いそうなことを思ってしまった。

10/19 21:47
0255文字
そろばんや
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ネタバレ社会的に統一された価値観が薄れることで人は自由になったが、裏腹に「○○さえしておけばOK」と言えるものもなくなり、自分で自分を理解した上で物事を処し、生きていく必要が生じた。単に他者からの承認など不要ということではない。むしろ必要であるとの前提で、どのような承認をどのように得るのが自分にとって是であるのか。行き着くところは自己理解だが、それには第3者の目も必要。 一点「一般的他者の視点」は、全世界が一定の価値観的自由を得られている前提でないと観念できないかもしれないと感じた。
0255文字
yamaden
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ネタバレ人間の認められたいという欲求に対する「親和的承認」「集団的承認」「一般的な承認」という3つの承認の関係。承認の不安に私たちは、どのようにむきあえばよいのか。その鍵になるのが「一般的他者の視点」による判断力。なんとなくわかったような気はするけれど、読み進めるのは少し難しかった。
0255文字
天使
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最近読み散らかした本たちにやたらと 自己実現というワードがあったので そういえば〜と承認欲求関連を何冊か積読していたのを思い出し読んでみた。 人間は欲深いので一つ叶えばまた次を叶えたくなりますね。良くも悪くも。なんて。
0255文字
一言多士
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承認欲求の話。成長につれて段階的に拡がる自己承認への欲望の説明。進化の結果としての必然までは踏み込んでないので少し不満。
0255文字
Tenco
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ネタバレありのままの自分が受け入れられているとする親和的承認は、それを得ようと努力した瞬間に矛盾を生む。/共通目的を持つ者たちから得られる集団的承認は、努力次第で獲得可能。家族に蔑ろにされ仕事に励む姿かな。/一般的承認とは?著者は献身的行為についても、心のどこかで他者一般の承認を想定している筈だと説き、その道徳観は幼少期より似たような行いを称賛(承認)されてきた経験が影響しているとする。カント大激怒!(たぶん)。なんだか、ヘーゲルの「人間の欲望は『他者に認められたい』欲望である」ってあたりから、
Tenco

身も蓋もねぇなって気になってきた。全体の論調として、「一般的他者の視点」による承認を重視してるけど、個人的には「一般的と思われる視点」を通じて自己を俯瞰して嫌われない程度に利己心を加えるってのが判断基準になってる。/「一般的他者の視点」で自ら価値判断し行動することで、「自由に生きている」という実感を失わずに居れるらしいけど、それって社会の一員であることを見えない誰かと確認し合う「一般的他者」との「空虚な承認ゲーム」じゃないのかなって思った。それは自由か?って。/

01/26 02:20
Tenco

第5章を読むと、自己啓発チックな印象も受ける。/俺ってストア主義者?分からんことだらけなので勉強したい。

01/26 02:21
0255文字
たか
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承認の形態を「親和的承認」「集団的承認」「一般的承認」に分類し、現代は価値観の多様化により一般的承認が弱くなり、バランスが崩れたことで承認不安を引き起こしていると説く。文章は理解しやすく内容も良かったが、やや繰り返しが多く冗長にも感じた。インターネットの発達は価値の多様化とともに、バーチャルな空間での偏った集団選択を実現し、内輪での承認のみを強め先鋭化し一般的承認から離れていくという側面がありそう。結論では価値観を超えた一般的承認の構築の必要性が語られる。ヴォネガットの「親切は勝つ」を想起した。
0255文字
系
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現代で「空虚な承認ゲーム」が多く見られるようになった背景、承認欲望の形成過程などの考察から、自由と承認の葛藤を乗り越え、承認不安を脱するための方法を考える。共感できない部分が多々あったが、読み進めるうちに言葉の使い方が違うだけだと分かり、最終的な結論には納得できた。
0255文字
Hiroki  Nishizumi
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なるほど、承認欲望は考えさせられる
0255文字
bx
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・自分が行動する以前に、感情こそが自分をやりたいことを指し示している。 ・超自我の歪み(親の承認を得るためにしていたことを、ほかの人にも当てはめてしまう)を自覚し、その原因を自己分析する。 また、そのときに一般的他者の視点を取り入れる。
0255文字
シャン
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ネタバレ承認不安に対処するためには、親和的承認・集団的承認・一般的承認を相補的に機能させること。ただし、承認ばかり求め自分的な感情の自由を抑制しても自己不全感を持ってしまう。自己了解と一般的他者の視点がその鍵となる。自己了解とは自分の不安・欲望に気づき自己ルールの歪みを修正すること。一般的他者の視点とはいわゆる「みんな」が認める視点であり、様々な価値観が存在する中、普遍的に認められる共通了解とは何かを内省しながら考え続けること。それが承認の欲望と自由への欲望を両立させるために必要なことである。
0255文字
むむむ
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宗教や身分などの絶対的な価値観の薄らぐ日本で、なぜ自己承認を求めるのかがよくわかった。他者から認められるには、なにをしないといけないかというのが不確かな中だからこそ、一定の集団内での承認を欲するのは当然のことだ。同時に明治の文豪にも精神に異常を来す人物が多かったのも根本は同じということに強く共感できた。 それでは、この精神の不調を克服するにはどうするか。それは自分の本当の気持ちを理解するメタ認知であるということが示されている。 全体として、同じ話題が繰り返されるのは冗長に感じるが、非常に分かりやすい。
0255文字
ナナシノゴンベ-
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ネタバレ『身近な人間の考えばかりを気にするのではなく、他の考え方を持った人々の意見にも耳を傾け、書籍やテレビ、インターネットを介してさまざまな価値観を理解し、なぜそのような考え方をするのか、その理由(動機)を考えるようにすること。そして、そこに共通する了解を見出そうとすること。その繰り返しが、「一般的他者の視点」による判断力を培ってくれるだろう。』
0255文字
スパイス
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現代は昔と比べ宗教などの万人が納得する価値観(大きな物語)の力が弱まってきている。そのため小さなコミュニティ内のみで通用する価値観に迎合する空虚な承認ゲームがしばしば行われている。空虚な承認ゲームは集団的承認を求めて行われるものである。 空虚な承認ゲームから脱するためには自分の行動を欲望と当為(あるべき)とを分析し、一般的価値観とを照らし合わせ行動を修正すべきと述べられている。 自分の行動が空虚な承認ゲームになってないかチェックする
0255文字
はふ
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現代とは違って、共通した社会的価値が存在していた時は、それに従えばある程度満たされていた。しかし、現代は様々な価値観が存在している時代で、価値基準が曖昧である。そんな世の中をストレスを溜めずに生きていく方法を本書から学べる。
0255文字
noranecocats
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自由と承認の葛藤
0255文字
ナヌ
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フロムの『自由からの逃走』で、孤独と言われていたものはこの本では承認不安と分析される。 承認にも親和的承認、集団的承認、一般的承認とあり、これらは赤ん坊から大人に成長して行く過程で徐々に獲得していく。 著者いわく承認不安の克服には「一般的他者の視点」が重要だと言う。 これは単なる他人への同調ではなく、自己決定を含むもので承認の可能性と自己価値の確信をもたらし、さらには価値観や信念の対立を調停する可能性をもつ(フロムの「愛するということ」に出てくる人類愛の部分と近いと思う)。
0255文字
イプシロン
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有史以来、人間は他者から承認されることに「生きる意味」を求めてきた。ただ生きているのではなく、行為したことを承認されることで、自己の存在意義を確信し、生きることに喜びを見てきたといえる。だが近代以降、社会にあった普遍的価値が崩壊し、階級職業の細分化によって、互いの承認が困難になった。現代はその弊害に満ちている。自己と相性のあう相手とだけ承認しあう。その裏には仲間以外は風景、コミュ外からの意見や助言を攻撃し排除さえする。本書は承認欲求の仕組みとその歪みから生じる不安や暴力性からの脱出方を提唱した良書である。
イプシロン

その方策は、自己省察→当為性(ねばならない思考や、べき思考)がある自己ルールの発見→自己ルールの改善である。ただし、自己ルール改善にはなるだけ普遍的な価値を包摂するものを選ぶことを条件としている。端的に言えば、カントの定言命法の勧めだが、定言命法は当為性が強いので、著者はハンナ・アーレントの「間主観的」な視点でなるだけ普遍的な価値を選ぶことを勧めている。この辺りに著者の繊細な配慮が感じられた。哲学者の言を多数引用し、幼児期の親子関係が承認欲求を正しく、または歪める最大要因ということが語られていのも良い。

09/23 23:39
イプシロン

著作は他者からの過度な承認欲求の改善法に主眼が置かれているが、欲を言えば歪んだ承認による悪弊がいかに恐ろしいかへの警鐘もあればなお良書かと。歪んだ承認欲求は同調圧力に弱く、多数派の作る空気に付和雷同する傾向がつよく、全体主義の温床になるからだ。他方で、歪んだ承認欲求は過激な自己規範を作り、それに従わない者を暴力を用いてでも従属させようとする。同調圧力に弱い人びとと身勝手な自己規範者が融合すると、全体主義への道をまっしぐらに進むことになるからだ。

09/23 23:49
0255文字
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「認められたい」の正体 ― 承認不安の時代 (講談社現代新書)評価73感想・レビュー210