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林達夫評論集 (岩波文庫 青 155-1)

感想・レビュー
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アザッス
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マジで面白い。領域横断的な無数の引用=「剽窃」によって不定形かつ流動的な、それでいて豊富に教育的でもある不思議な文章が読める。ジャーナリズムの人でもあった林にとって「剽窃」が人間の重大な存立条件のひとつであることは深く身体化された当然の感覚だっただろう。あと、どの文章も読むと語学のやる気がわいてくる。
アザッス

たしかに「大正教養主義」的部分は多く見出せるだろうが、そういう評価を超越する魅力を備えている。

11/28 04:25
0255文字
seer78
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領域にこだわらぬ自由な精神の軌跡。プラトンはまず戯曲として読めという意見はもっとも。まず芸術として味わうこと。そこから翻って近代的な芸術定義が揺るがされる展開になる。ベルクソン『笑い』についての間に四十年近いブランクがある二篇の解説では、バフチンやサルトル他文献案内、今では古くなっていようが、知的好奇心の粘り強さに驚嘆する。ヨーロッパの説話「三つの指輪」、中世から近代直前までの諸異本の比較・分析から、寛容論へと至る。さいごの「精神史」。美術と文学、古代とルネッサンス、現代を跨ぎ超す、凄い脚力の知的自叙伝。
0255文字
Akito Yoshiue
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内容見ないで買ったら、平凡社の林達夫セレクションに入っている文章ばかりだった…
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壱萬参仟縁
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父と息子との対話:賞味期限の件でまた私は怒ったが、日々の友だちとしての対話は1日の最も純粋な愉しい時間であることも事実(21頁~)。無理無理。認知症外来を奨めないと。著者はアメリカ人の家庭教師に就いた(24頁)。ある一国の文化史には、社会的原因から先進国文化の継承、摂取に努める時代がある(57頁)。それだけではまずいけれど。学説所有権の擁護の叫びは学問泥棒に対する学者の生活権擁護の叫び(62頁)。剽窃と小保方問題か。教養とは魂が形態を得ること。人間は落ちついたところの芸術品であってはならぬ(74頁)。
壱萬参仟縁

可変的。大切なことは貧しい家庭の子弟ですぐれた素質と強い志向をもつ青年を多く大学へ送り、新陳代謝を行なうこと(76頁~)。批評の貧困は、批評のヴァラエティー、批評のジャンルの貧困(117頁)。古代人は国家の大事、社会危機、個人生活の死活瀬戸際の危急存亡には必ず神から指示を仰ぐのを建前に、夢は神とのコミュ手段だった(326頁)。現実界を芝居の舞台として眺めるのは彼の一貫した観点(解説353頁)。

03/04 06:46
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NICK
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批評家にして批評家にあらず。「批評家棄権」で批判されているスノビズムと林達夫は無縁である。例えば、学問的アプローチによって日本の問題を暴くというような言説は溢れかえっている。ところが林は鶏の飼育から文化が定着しないという日本の性質を見出すのだ。林のような知性は何らかの立場に束縛されない。敵対もしない。その立場に擬しながら正反対のこともやってのける。「反語的精神」の通り生粋のアイロニストなのだ。党派性に与しないアイロニー精神こそ精神の自由の獲得であり、林が「精神史」という領域横断的な文章を書けたゆえんである
大ふへん者

私の追い求める批評精神かもしれません。非常に興味を持ちました。

07/10 23:23
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ますのまちこ
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林達夫の評論集読み終わった。ものごとに潜む二重性・複合性を見抜く鋭さ、私は感心するばかりで真似すらできそうにないけど、いつかまた読み返す時にはついていけたらいいなと思う。解説読んだら「思想のドラマトゥルギー」読みたくなった。
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zumi
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友人がいつかなんかの際に勧めてくれたのをふと思い出して、そそくさと「十字路に立つ大学ーー困った教授、困った学生ーー」だけ読んだ。今でも色褪せない。これ読んでから大学入学した方がいいかもしれない。
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うろたんし
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これを編んだ中川久定に興味がわいて購入。瀬戸内寂聴の秘花やったか、その解説に載ってあった川上弘美の言葉を思い出す。本を読むということは、その著者が何年もかけて学んだものを、僅かな時間で知ることのできる貴重な経験だとかなんとか。評論なんて、その最たるものではないか。
0255文字
goldius
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林先生が和辻哲郎の「尊皇思想の伝統」を批判していて溜飲が下がりました。
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jima_1965
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林達夫入門として、よくまとまっている。自分的には文献上に出てくるハーブを取り上げ、それが当時のフォークロアとどう結びついているのかを述べている「ラベンダー」に林達夫の真骨頂が出ているななどと貪るようによんだのが懐かしい。
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ボタ落ち
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数多いる評論家のなかで、林達夫が一番好きだ。評論家としてみた場合、質量ともに小林秀雄のほうが優れた仕事をしていると思う。しかしより好きなのは林達夫で、「歴史の暮れ方」を読んで一目で惚れてしまった。これは理屈ではないのだろう。
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