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化粧 (講談社文芸文庫 なA 2)

感想・レビュー
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Thru Traffic
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熊野、紀州という土地の強烈な個性を背負った彼も、東京に出てしまえばただの人だ。そうやって無感情に人を扱う、それがそこでのならわしであると言うかのように。彼は東京に負け、「東京の象徴」たる妻や娘とろくに向き合えもせず、情けなく熊野に逃げ帰る――そんな物語に読める。全然かっこよくない。伝説としての熊野よりも、現実の東京の巨大さがあらわになってしまったように読めたのは、作者として本意だろうか、それとも不本意だろうか。
0255文字
ハル
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何のことかよく理解できなかった。 赤い血やひくひくと動く雛は鮮烈だった。
0255文字
格
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柄谷行人が解説でほとんど言ってくれているので、こちらとしては困るところ。自分なりの言葉で表すなら、収められた作品はいずれも体験として、私小説としての「新宮」と、概念として、物語としての「熊野」のどちらかに属している。両者を繋ぐのが、主人公である「大男」。イメージとしては、生きている肉体を持つ「新宮の大男」すなわち作家本人の、肉体を離れた意識が、新宮を越えた「熊野の大男」として立ち現れてくるようだ。個、自分、というものを突き詰めていく過程で、その自分を産んだ熊野という世界そのものを突き詰める試み。
0255文字
ss
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シーレみたいな生々しさ、肉体感がある
0255文字
パチーノ
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連作ではないが同時期に各雑誌に発表された短編を収めた短編集。15編収録。似た作品が続くことになるがまた同時に興味深い作品も多い。ただ彼の他作品の例に漏れず読みづらい。夢と現を行ったり来たり。
0255文字
minomushi
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中上健次を読んでいるとなぜか昔自殺したおじさんのことを思い出す、死んだ者が生きている者よりも近く感ぜられるのはどうしてなのか。 何年か前に変な成り行きでこの本を手にした時、中上健次は気安く近寄ってはいけない人のような気がして読めずにいたが今、読むたびドーンドーンと地鳴りのように揺さぶられるものが、ただの感情や感傷といったものでなく(それはただの皮にすぎず)それらを突き破った先に感ぜられるものがある。
minomushi

中上健次の自意識を、自分は冷静にはみられない、中上健次の色々なことが畏しいし、色々なことがしんどい。自然で生きるはずの生き物が人間の手の中で育てられ、その不自然の歪みが異形となってあらわれることへの恐怖。昏い路地の中。

10/30 20:16
minomushi

だから中上健次を好きで沢山読んでいるというひとが少し羨ましい、自分にはこの人の描くひとたちが近しすぎる、どんどん落ち込んでゆく。

04/06 01:19
0255文字
ちひらうる
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柄谷行人の解説(私小説と伝承の先)、井口時男の解説あり。
0255文字
佐島楓
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ひととして生きる苦しさと哀しみを強く感じる私小説であり、物語という日本古来のかたちにそれを当てはめようとするたくらみも見てとれる作品集であった。
0255文字
かいこ
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収録された作品群における所謂「私小説」的な短編に共通するモチーフの反復は流石にしつこさを感じる。『修験』『草木』『浮島』『穢土』『楽土』『紅の滝』『幻火』はとても好き。柄谷の解説は必読。
0255文字
けろ
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「三月」親子関係を小鳥で象徴、人物を色彩で暗示、カタカナ、漢字、ひらがな表記の使い分けで精緻に分類。兄の話は「花郎」につながる壮大な物語。力強い文体にもかかわらず、計算づくされているように感じさせる文学性の高い作家である。
0255文字
hitomi
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中上の比較的初期に当たり、後の紀州サーガの黎明となる短篇集。熊野の森の濃密な霊気に咽せ返る。業に囚われた作者自身の生い立ちと、熊野の土地に潜む亡骸もしくは怨念、神話が交錯する。禍々しく戯れる奔放な女性像が後を引く。蛇の化身か山神の化身か、アニミズムが淫らに母系の血族の因果に纏わりつく。しつこく反復する挿話は反芻するごとに悪夢からの抜け道を封じる。(書くしかなかったろう)。身を落とした人間の悍ましさがぞっとするほどの美しさに色付く幻想的退廃的描写は、既読の中上文学の中でも特異に感じた。エロスが充溢している。
0255文字
ハル
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★☆
0255文字
まころん
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岬に同じ?
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お萩
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同じ男の悪夢を繰り返し、続けて見ている気分。
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じめる
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短篇集。連作となるように編集されている。細部を変えながら繰り返されるモチーフは眩惑そのもので、寝ては起き、眠り、目覚めるうつらうつらとした感覚を備える。一作一作の区切りはまるで空行のごとくメタの次元で大きな意味をなさなくなってき、「修験」での強烈な冒頭が「幻火」で反復されるときに私たちは背後に大きな歴史を背負った巨大な短編という逆説を読まされていることに気がつく。減らされた改行と反復されるモチーフは幻想と現実、作品と作品の境界を曖昧にし、この一冊の書物自体のカオスを体現する。
0255文字
thumoto
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著者の来歴を多少知っていれば、どうやら著者らしい現在の篇と、著者の生まれ育った地、かつて紀伊半島で起きたのかもしれない過去の篇で成り立っている短編である上に、それぞれの時系列は頁順にものなっていない、切り取られた語る口によって細部を変える「物語」のようにある。しかして、彼独特の描写とその私事性によって、「(私)小説」らしさも感じる。短編はその描写文体とことなり、短くできていて彼の著作にしては読みやすいのではないだろうか。
0255文字
s_i
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現代の肉体が剥き出しになるということは遠近法で語れるものとは別の何かを掘り返す?
0255文字
aya7928
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短編集。初めのうちは面白く読めたのだが、同じような設定の話が何度も繰り返し出てくるので、だんだん飽きてきた。。
0255文字
kageaki
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不思議な魅力
0255文字
astrokt2
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未レビュー
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★★★★★
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細部を変えて繰り返されるモチーフが神話的。
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