形式:文庫
出版社:KADOKAWA
形式:Kindle版
宇治十帖の主人公である薫が誕生する。公的には源氏の子供だが、年齢的には孫のような年齢であり、夕霧と柏木の友人関係からも源氏→夕霧→薫だと直系で源氏の生涯は成功のような印象を持つが、実際には夕霧は不遇で、薫も血族の後継者ではない。源氏の亡くなる直前に紫の上が亡くなるのは綺麗な終わり方だが、実際読むと紫の上の臨終を源氏ばかりでなく夕霧の性的な面影を含んだ視点を入れているのが巧みだ。収まりの悪さは感じるが、中世のおとぎ話と言われないのは、視点の複数性という現代にも通じる手法が用いられているところにもあるだろう。
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宇治十帖の主人公である薫が誕生する。公的には源氏の子供だが、年齢的には孫のような年齢であり、夕霧と柏木の友人関係からも源氏→夕霧→薫だと直系で源氏の生涯は成功のような印象を持つが、実際には夕霧は不遇で、薫も血族の後継者ではない。源氏の亡くなる直前に紫の上が亡くなるのは綺麗な終わり方だが、実際読むと紫の上の臨終を源氏ばかりでなく夕霧の性的な面影を含んだ視点を入れているのが巧みだ。収まりの悪さは感じるが、中世のおとぎ話と言われないのは、視点の複数性という現代にも通じる手法が用いられているところにもあるだろう。