形式:文庫
出版社:河出書房新社
形式:Kindle版
以前からある作品でも筋が異なるのは、ラストに向かわせるため。なぜブラッドベリは一族をちりじりにしてしまったのだろう?私はこの地球上のどこかに一族が住む百本の煙突のある屋敷を残して欲しかった。旧訳とは名前の表記も変わっているが、それは大して抵抗を感じない。旧作ではティモシーを人間とは思わず、一族の特徴を備えず生まれてきたある意味障碍のある子と捉えていた。病弱だった子供時代の自分を重ね合わせていたのだ。
そして旧作に増して詩的表現の奔流!文章を追ううちに自分を見失ってしまいそうなほど。元々ブラッドベリは詩人と言われていたけれども年とともに彼の中で詩が満ち満ちていたように。作者あとがきのチャールズ・アダムズとのエピソードは涙なくして読めないほど。その本が実現していたらどんなに素晴らしかっただろうと思うと!
アンクル・エナーがアイナーおじさんに、シシーはセシーになってるけれど特に違和感ナシ。そしてやっぱり萩尾望都の絵でしか読めない。
“おまえにはたくさんとりえがあるんだ” “人生はいちばんすくなく生きる者にとって最高なんだ”(集会 P74) “夕焼けが愛されるのは、消える運命にあるからだ。花が愛されるのは、散る定めにあるからだ。野原の犬と、台所の猫が愛されるのは、じきにいなくなるからだ”(生きるなら急げ P176)アイナーおじさんとの会話、マドモワゼル・アンジェリーナ・マーガレットの数奇な人生、そして「オリエント急行は北へ」など泣きどころはそこかしこに。
タイトルが「よみがえる」じゃなくて「よみがえり」なの、蘇った後にまた衰退していくっていうことを示してるんかなぁ
読了お疲れ様🎵気に入ってもらえたかな?(^-^)
めるりん、ハロウィンにと思って一年近く寝かせちゃったけど(笑)…やっぱりブラッドベリはいいね!いつもよりファンタジーぽくて好きな作品だったよ(๑˃̵ᴗ˂̵)
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