形式:単行本
出版社:晶文社
p13『年輪の輪のまん中に木の幼い時間があるように、わたしの中にも子どもがいて、年輪の年月をついとぬけて、往き来しているのかもしれません』p151『でも不思議ね、どうもこの目で見て、実体験して、満ち足りてしまうと、作品には実らないことが多いって思い始めたの(略)楽しいことなんてなかなかできない欠乏の時代のほうが、やむにやまれぬ表現への渇きがあって、たくさん作品も書けたって思うの』
p166『年をとることだって、初々しい初体験なんだ。だからだらしないけど、あまり気張らず、楽な生活にするの、楽にね(略)今でも「わからない、わからない」って私の中の小さな女の子がいい続けているのだもの、「わからない」ところに腰をすえておしまいまで行くしかないでしょう。なりゆきのおばあさんでしょ、わたし。歳をとったからといって、特別のことはないのよ、女の人のなれのはては、みんなおばあさんですものね』
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