読書メーター KADOKAWA Group

おばあさんになるなんて

感想・レビュー
15

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
いくえ
新着
想像に違わず、チャーミングな方。 かなり苦労されたみたいやけど聞き書きの文章ということもあって、暗い印象は全く受けない。神沢利子さんのお人柄もあるやろうね。 幼少期を樺太で過ごしたらしく、アイヌやイヌイットが話の中に出てきたりアラスカに行ったりもされていて、星野道夫好きのわたしは嬉しくなる。 最後のクジラの短いお話、特に『クジラの天窓』は素敵やったな〜。 こういう作家さんのエッセイ大好きなのよね。五味太郎さん、かこさとしさん、中川李枝子さんとかよく読んだ。子どもの本を書く人は、子どもを子ども扱いしない。
0255文字
翡翠
新着
あっという間だ。もうおばさん。そしてまたあっという間におばあちゃんになるんだろう。でもそうなった時、たいしたことないわ!なんて言えるだろうか。彼女の人生を振り返ると苦労の連続。それでも夫を支え文学の道を歩み続けた。ふと読み出した本だけれどあまりに胸を打つ言葉に度々考え込まずにはいられなかったし、深い感動が全身を包み、時間をかけて昇華されるまでページをめくれなかったことが何度もあった。
0255文字
ykazmah
新着
タイトルに心奪われ、引き寄せられるように手に取った。佐野洋子さんのイラストも素敵。私にとっての神沢利子さんといえば、ふらいぱんじいさん、くまのこウーフ。いずれも幼い頃に出会った大切な物語。お腹のあたりがすぅすぅして、心がわくわくそわそわする、そんな主人公たちの一日のはじまりに自分を重ねた昔々が鮮やかに蘇る。神沢利子さんの半生には様々なご苦労もあったようだけど、それでもなお少女の頃の自身をしっかりと内包したまま歳を重ねて来られたことが、ことばの端端から滲み出るようだ。こんなおばあさんに、私もなりたいな^ ^
ykazmah

p13『年輪の輪のまん中に木の幼い時間があるように、わたしの中にも子どもがいて、年輪の年月をついとぬけて、往き来しているのかもしれません』p151『でも不思議ね、どうもこの目で見て、実体験して、満ち足りてしまうと、作品には実らないことが多いって思い始めたの(略)楽しいことなんてなかなかできない欠乏の時代のほうが、やむにやまれぬ表現への渇きがあって、たくさん作品も書けたって思うの』

12/03 21:31
ykazmah

p166『年をとることだって、初々しい初体験なんだ。だからだらしないけど、あまり気張らず、楽な生活にするの、楽にね(略)今でも「わからない、わからない」って私の中の小さな女の子がいい続けているのだもの、「わからない」ところに腰をすえておしまいまで行くしかないでしょう。なりゆきのおばあさんでしょ、わたし。歳をとったからといって、特別のことはないのよ、女の人のなれのはては、みんなおばあさんですものね』

12/03 21:36
0255文字
Gotoran
新着
『流れのほとり』、『同じうたをうたい続けて』に続き、本書へ。読友レビューに押されて。今年96歳になられた児童文学者神沢利子さんの75歳時に著されたエッセイ。子ども時代のこと、学生時代のこと、結婚してからのこと、作家であるということ、楽しかったこと、苦労させられたこと、いろいろなことが語られている。淡々と語られていて、とても瑞々しい。”若い頃には自分がおばあちゃんになるなんて想像も出来なかったが、いざなってみると簡単で、思ったより良かった”と、著者の「在り方」に共感した。
0255文字
ふう
新着
写真で拝見すると華奢で創作一筋の印象ですが、淡々と語られる人生は家族の関係でも経済面でも苦労の多いものでした。前に『同じうたをうたいつづけて』を読んでいたので、重なる部分もありましたが、胸に秘めていた思い、お金を稼げない夫、書くことを始めた頃の生活など、こちらの方がもう少し深く自分を語っているます。年齢が近い身としては、がむしゃらに生きているうちにおばあさんになり、なりゆきに任せる日々だけど心騒ぐこともあると、先輩に教えられ励まされるような読書でした。大変なことの多い人生だけど心は豊かな人生です。
0255文字
りるふぃー
新着
不思議な余韻を残す自伝だった。唐突に、短い物語が入る。過去の思い出を物語仕立てにしてあるが、作者と一緒に時空を旅しているような、蜃気楼の中にいるような気持ちになった。作者の神沢さんは、樺太に育ち、北方民族からの影響も受けていることもあるからか、自然と一体化する感覚があるらしい。第六感のようなものかもしれない。生活の為に始めた文筆業の才能が花開く。そうなると、どうしようもないところがあった旦那様と結婚することも必然だったという運命を感じる。お母様が、「感謝」と言って合掌して亡くなられたのは素晴らしい
0255文字
ochatomo
新着
75歳時の人生聞き書きが4章と佐野洋子さんの挿絵入り3掌篇 「ふらいぱんじいさん」「はらぺこおなべ」は未読だけれど、『寺村さんのお話の、たまごやきを焼けなかった感じって、ああいう時の気持ちじゃないかなあ』と飾らず率直に苦しい生活を明かし、『楽しいことなんてなかなかできない欠乏の時代のほうが、やむにやまれぬ表現への渇きがあって、たくさん作品が書けたって思うの』と語る 御主人が手掛けられたキャンドル、ハーブを続けていらっしゃる様子が素敵だが、結婚は重荷であったろうとも思う 人生の不思議を体現 1999刊
0255文字
at@n
新着
切なく身を切るように描かれた思い出の数々。辛い境遇のなかにあっても想像力を羽ばたかせて物語を紡いできたのだなと思わされた。樺太の地の炭鉱技師だった父親の写真に映し出される顔が、ゴールデン・カムイに出てくるような美丈夫。
0255文字
め
新着
児童文学作家、神沢さんの自伝。聞き書きなので、話し言葉で書かれていて読みやすい。表現が豊かで、さすがに若い頃詩を書いていた人だと思う。神沢さんの素直な思いがスルスルと伝わってくる。幼少期を樺太で過ごしたことが、数々の作品生みだしている。大正生まれの神沢さんが体験してきた貧困や闘病、夫の裏切り、明治生まれの母親との関係性など、たくさんの苦労。心の中に抱え込んだ想い。そういったことが、この本のために語ることですうっと軽くなった感じという。今は一人暮らしで自由と言う、とても綺麗な人。
0255文字
びー
新着
くまのこウーフの作者さん。子供に読んだ思い出があるので、どんな人かなと読んでみた。樺太での少女時代とか今では経験できない話が面白い。
0255文字
びー
新着
くまのこウーフの作者さん。子供に読んだ思い出があるので、どんな人かなと読んでみた。樺太での少女時代とか、今では経験できない話が面白い。
0255文字
ゆりこ
新着
くまの子ウーフ、あらどこだ、で大好きな神沢利子さんの聞き書きの自伝。戦争も経験してることも含め壮絶な人生を送ってきていることに驚きでした。女の人らしい、やさしい物語の中に凛とした哲学があるよなぁと、ウーフを読んでいて思うのですが、その点ではイメージ通りといえばイメージ通り。ただ、想像よりもかなり芸術家気質だなぁという印象をうけました。お写真のお顔も素敵、佐野洋子さんの挿絵もピッタリです。
0255文字
Tomoko Ohta(もこ)
新着
神沢利子さんの「くまの子ウーフ」は何度読み返したかわからない童話。今、大人になって、この話が生まれた背景にあった当時の神沢さんの状況や思いを知りました。「童話作家」って純粋無垢でメルヘンチックな人間像を作り上げてしまうけど、もがきながら生きる一人の人間なんだなと。でも、やっぱり感覚とか空想力とかは私とは全然違う。そんな心の中のほんの一部なんだろうけど、覗き見ることができて、また新しい形で小さい頃に読んだ話をなぞることができておもしろかった。この人の生き様を聞き書きで残したいと企画してくださった方に感謝。
0255文字
kazu_tea
新着
「くまの子ウーフ」など、神沢利子さんの童話の根底に流れる考えや思いのようなものに触れてみたくなった事と、「おばあさんに なるなんて」というタイトルに惹かれて手に取った本です。神沢さんの辛かった体験や内なる闇の部分も真っ直ぐに語っていらっしゃるので少し驚いたりもしましたが、繊細で類いまれな感性の持ち主なのだという事が、ひしひしと伝わってきました。
0255文字
全15件中 1-15 件を表示
おばあさんになるなんて評価82感想・レビュー15