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蟹塚縁起

感想・レビュー
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booklight
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ネタバレ『・・・まくら下から ざわざわ ざわざわ なにかきこえます』と始まる。過去と現在がおぼろにつながり、遠い昔の縁起の話がよみがえる。家来への想いが強すぎて、家来を殺された恨みがいつまでも残っていく。そして家来想いの主人、というプラス要素がマイナスになる。想いも毒になるという仏教思想を絵本に入れ込んでくるとは。そしてそれを手放して『今度はなにか、楽しいことをやろうな』といえるとうきち。なにか視界が晴れたような気持になる。
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わさび
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ネタバレ名主とその息子に心が残っていてなんだかほっとした。絵:木内達朗
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nosso
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ネタバレ「もういい、もういいのじゃ、終わったのじゃ、もう終わったのじゃ」…くるしかった、くやしかった、かなしかった。今なお忘れられず、胸の奥に冷凍している気持ちがある。でも、これを解凍してまた苦しんで、一体だれが幸せになるというのか。そんなことはしなくていい。そんなことは望んでいない。できることなら永久に凍らせて、凍らせたことさえ忘れてしまって、楽しいことをしていたい。ゆるさなくていい。ゆるせない、その気持ちごと手放そう。それは逃げでも負けでもない。苦しみを断ち切り未来を照らす、唯一の方法なのだ。
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peka
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ネタバレ心に波が立つようだった。宿願や宿業、生まれ変わり、そして赦し、赦されること。前世のいかなる思いが今の自分を形成しているかなんて、露ほども考えたことがなかった。何らかの悲願が叶ったのかもしれないし、罪を贖わなければならないのかもしれない。でも願いにしろ恨みにしろ、思いに囚われたまま、また次の生命となるのだろうか。思いの強さに心が凝ると、いつしか歪んだ思いに縛られるだろう。赦しとは双方の心のしがらみを取りはらうもの。解き放たれた心はきっと温かで、身軽く空をも飛べるのだろう。蛍のように、鷲のように。
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みやぎ
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ネタバレ蟹の恩返しと、前世の復讐。になりそうな所できれいに終わった。とうきちの前世が部下思いで部下も七回生まれ変わっても恩を忘れないとは健気。名主も息子もそこまで悪いやつではないので(戦はしょうがないよね)スッキリ。某ゲームでお気に入りの刀の名前出てきて嬉しい。
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shiro
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ネタバレ梨木さんらしい不思議な魅力のあるストーリー。 前世の無念を晴らすべく、命果てるまで懸命に戦う蟹が最終的に夜空に昇華されていくという展開に心打たれた。 こんなストーリーを思いつくなんてすごい。
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よこたん
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ネタバレ“七回生まれ変わっても、わしらは殿のご恩は忘れませんぞ。” こと切れる寸前の、合戦のさなかの主従の強い思いは、時代が流れても静かに受け継がれていた。恨みを手放すことは容易ではない。荒ぶる心でただ家来を、主を助けたいために突き進んだことは決して悔やんではいないが、恨みの連鎖を断ち切らない限り、誰の心も解き放たれない。青い月明かりの下、大勢の蟹たちが列をなし、かつての主のために戦いを挑もうとする姿が切ない。蟹から蛍へと姿を変え、月を指して飛び立っていく彼らの心は救われたのだろうか。仄暗い絵が印象的だった。
ぷく

こんにちは。よこたんさんのレビューを拝見し、早速図書館へ。児童書の棚にあったのでびっくり。心に残る物語と絵。購入リストへ入れました。

03/15 14:36
よこたん

ぷくさん、こんにちは♪ 私のレビューから手に取って頂けたとは、嬉しいです(*^-^*) この本も余韻が長く残りました。漆黒から藍の夜空、蛍のまとう光を私も共に見あげているような気持ちになりました。共読って、楽しいですね♪

03/15 14:50
4件のコメントを全て見る
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あやか
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ネタバレ……かわいそうなことをしたなぁ。あのころは、自分の感情にいっぱいいっぱいで、ついぞ気づくことができなくて、かわいそうなことをした……。そういう風に思うことが、30代も近づいてきて、私にも少しづつ増えてきました。いまからでも間に合うのなら、そういう後悔をひとつひとつほどいていける、とうきちのような人でありたいものです。
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六藤則宗
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ネタバレ月の光は妖しくもあり、優しくも感じる。最近、六部によくあたる。なぜ、七代とか七回なのかなーと、ふと。今度あうなら、楽しいことのがいいわな。
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Gotoran
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ネタバレ挿絵(木内著)と共に紡がれる民話風の梨木香歩独特の幻想的な物語。心地よい読後感。名主の息子に弄ばれている蟹を助けたとうきちは、夜中、蟹の這う音で目を覚ます。漆黒の闇の中、月に照らされ浮かび上がる数多の蟹の群れ。名主の家に向かって長蛇の列を作って進んで行った・・前世で深い因縁で繋がっていた蟹ととうきちと名主。健気で律儀な蟹たち、情念や情愛の深さから生まれる怒りや憎しみと許し。ずしんと心に響く上質の物語。あまり読まない絵本ではあったが、好みの梨木ワールドに浸ることができた。
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mntmt
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ネタバレ前世の記憶。蟹に生まれかわっても、主君を守ろうとする家来たち。胸が痛くなったけど、最後は救われる話で良かった。ぼんやり温かみのある絵が印象的です。特に、蟹たちが蛍になって、月を目指し飛んでゆく絵が素晴らしい。ここだけ切り取って、部屋に飾りたいくらいです。
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テンテン(^^♪
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ネタバレ再読。押し掛け嫁、いじらしい。 名主の息子が沢蟹をいじめたことを反省して謝った時の言葉が妙に大人びていて、親父臭くて気になったけれど、名主もその息子も、そしてとうきちも互いに自分の非を認め 謝罪できて良かった。「腹立ち紛れに憎さげて・・・蟹に無残を働いた」とか「猛々しい思いがよぎった」とか業の深い言葉が続いて身震いする。  「七回生まれ変わっても」って良く聞くけれど、何から来てるのだろう。
テンテン(^^♪

【自分用メモ】●7回生まれ変わっても、あなたを愛します. インドで、男性が女性にいう言葉だそうです 。インドは7回生まれ変わっても 学びきれないと言われるほど豊かな内容をもつ『ヴェーダ』をはじめ、多様な哲学的・ 宗教 ... ●「私は中国を愛しているが、中国が私を愛してくれない」、「親を養い、子供を育て、家のローンを払う。収入は悪くないはずなのに生活は良くならない」「乱れた社会、人が希望を持てない社会。100回生まれ変わっても中国人にはなりたくない」http://kukkuri.jpn.org/boyak

11/28 09:59
テンテン(^^♪

【自分用メモ】●玄奘三蔵は七回生まれ変わり、大般 若経を中国にもたらそうとしたが、その度に深沙 大王が大般若経を国外に出すことをおしみ三蔵を殺した。しかし七回も生まれ変わって 法を求む心に感心し、以後大般 若経の守護神となったという。http://www.nikko-shugendo.com/shinbutsu.shtml

11/28 10:00
3件のコメントを全て見る
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テンテン(^^♪
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ネタバレ「恨みを・・・」といえば「・・晴らす」を連想してしまったのですが、でもどうやら恨みは晴らしたり、買ったり、持ったりはしなくていいらしい!たぶん(*^。^*)ぽっ 。 梨木さんは、「恨みを手放す」という表現をした!!自分の意思で、自分が負の感情に支配されるのを拒否する、そんな潔さがある。好きだな~そういうの。・・・前世の激しい無念が生まれ変わっても残っているなんて、恨みを手放さなければ業が深くなってしまうのだと知った。
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