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犬が星見た: ロシア旅行 (中公文庫 た 15-4)

感想・レビュー
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ニケ
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とことん叙事的な旅行記だ。しっとりした叙情はなくて、乾いていて、客観的な描写が続く。よく、ものを見ていて見たものをよく覚えていて詳しく書けたものだなと感心した。武田泰淳や竹内好の言動をユーモラスに書いているので、彼らを知っていた人々、その時代の文人たちは面白く読んだのだろうなと思う。さらに、銭高老人をはじめとする同行のひとびとの描写は、そのまんまの様子を書いていて、既視感と親近感をいだかせる。 現代では、YouTubeの旅行記に慣れてしまっているけれど、文章だけの具体的でくっきりした輪郭の旅行記に感心。
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taneko
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昭和40年代に、夫婦でソ連への団体旅行へ参加した記録。この著者の、ちょっと距離を取りながら冷静に、でも面白がって描くところが好きだ。その視点は夫に対してもそうで、この時代の妻としては独特で面白い。夫だけでなく、団体旅行の仲間、旅で出会うソ連人達、皆への視線が温かい。
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justdon'taskmewhatitwas
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とてもかわいらしいひとが書いた本(解説で色川武大は"天使"と言ってる)。かわいらしいが故に楽しかったり、ちょっとさびしかったり。昭和44年のソ連ではベトナム人が人気で、「У моря, у синего моря(Каникулы любви)」がヒットしてた。パッケージツアーなんて窮屈、と思ってたが今は何かいいかも、と思ってる。
justdon'taskmewhatitwas

旅の話はもっぱらGoogleMapが読書のお供になった。ネイティヴの発音をカタカナ表記する時の誤差を踏まえ、地名を検索探索するのも楽しいのだが、旧ソ連は名前そのものが変わってしまって、ちょっと大変だった。

08/06 20:58
0255文字
東森久利斗
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目にしたもの、聞いたこと、食べ物の味、鼻にした匂い、五感で捉えた対象を、飾り気と屈託のない寛容でフラットな視点で描写。私小説風の旅の記録。涼しい顔で卑下する姿がキュート。夫武田泰淳のぎこちない亭主関白ぶり、それにこたえる著者の献身ぶり、愛情たっぷりのやり取りが微笑ましい。旧ソ連、社会主義国家のイメージとは異なる街の風景、人々の生活が新鮮。日本の国技、昭和な団体ツアーの生態が生々しく距離を置きたくなる。三度三度の食事のメニューが食欲を刺激。
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8bunbun
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淡々と旅の毎日を綴る、風景や買い物、同行者の小さな行動。感想や取り上げる事柄が面白くロシアを旅した
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す
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淡々と少し悲しい日記だった
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はり
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ネタバレ美しいあとがき 生身の人間の体臭や生活が次々とよみがえる。絵というより写真を読んでいる感覚。
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you
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この時代のソ連は興味深い。もっと行っておけばよかった。購入したものの価格が細かく書いてあるが、ドル払いは当時のレートで換算すると。。あれっ?今の値段と同じ水準。なぜ?ルーブル払いは換算レートがよく分からない。なぜこんなにソ連のデータがないのか不思議。そんな大昔でもないのに。全般的には斜め読み。。。旅行しながら紙とペンで日々これだけ記録を取っていくって大変だなあ。
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Kano Ts
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僕にとっては全く面白くなかった、、、残念だ。惹かれるのは銭高老人くらいかな。つまらない連れと行く、つまらない旅行の淡々とした日記を見せられているよう。どこを読んでもおんなじことしか書いてない、灰色の旅行日記。読むのが辛くなり途中からは飛ばすように読んだ。この人旅好きじゃないのでは?旦那からのポチ呼ばわりも時代とはいえ流石にキツイ。
Kano Ts

この夫婦は有名な夫婦だったのか。そこ踏まえて読めばまた違って見えたのかなぁ。でも周りの捉え方からして多分俺と感性が合わないんだろうな、少なくとも旅に関しては。

10/04 23:04
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紫電改
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高山なおみの「ロシア日記」の中に書いていたので、読んでみたら面白い!著者の感性が好きですね、もう半世紀前のロシアから北欧までの旅行記なんだけど、著者の視点がすこぶる楽しかったです。銭高老人はええなぁ、ああいう老人になりたい。知らない漢字がたくさん出てきてiPhoneの大辞林でいちいち調べてました。
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漣
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時折剥き出しの著者を感じてしまうところを除けば、読んでてずっと良い気持ちだった。私が著者と同じ光景を見ても、絶対に同じことは書けないだろうな。旅の同行者たちもみんな愉快。お金持ちで我儘で愛嬌のある銭高老人、その我儘に振り回される山口さんや江口さん(江口さんは面倒くさくなると寝たふりをする)が特にすきだったので、別れたあとはとても寂しい気持ちになった。かれらを見ていると、私ももっと大らかに生きてみたいなと思わせられる。あとがき含めて良い余韻を残してくれる作品だった。
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yuko
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出だしからいきなり血まみれの同行者の話で心掴まれる、旅ってそういうのから始まることがよくある 淡々と綴られた文章、だけど一度目を合わせると離せなくなるような生き物のような文章で読みだすと体が硬直してうごけなくなる、だけどとても心地よくてずっーと読んでいたくなる 「文は人なり」、武田さんの文章が頭のなかにどんどん積もり積もっていき、読むことをとめられない
yuko

この本はバスよりも飛行機よりも船が似合う、とても長い時間を過ごすことになる船のなかでうつらうつらとずーっと読んでいたくなる 旅行の移動時間の普段の生活の場所からどんどん離れていく感じが好きで、それを感じるために、そして何にも邪魔されずにずーっとこの本を読み続けられる時間のためにわざわざ時間のかかる海路で旅に出たい、そしてそのときの目的地は少し暑いところが良い

06/01 19:30
yuko

(本作のなかの彼の地は私の思い描くロシアやスウェーデンよりやたらとずっと暑そうである)、みたいなことを考えながら日常の通勤電車内で読んでいたら、またもや降りる駅を通り過ぎていました

06/01 19:31
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0sanada0
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中盤まで読んで挫折。富士日記をぱらぱら読んだかんじ、行けると思っていたのだけど、ずーっと同じような描写が続くように感じられてページをめくる速度がどんどん落ちてしまった。著者がチャーミングな人なのは分かった。
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ましろ
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旅先での人々の姿や言動を捉える細部に、百合子さんならではの魅力を思う。夫泰淳からの言葉への返しが、毎回何とも絶妙な可笑しさを含んでいて、夫婦の関係性が少し覗く。どうだこの旅行は嬉しいか、面白いか、と泰淳が百合子さんに言うたびに、普通ぐらい、と返す箇所がとりわけ好きだ。あれこれ記録を指示され、日記を続け、こうして後から読むことのできる、これだけの旅の詳細が残っている。今は亡き人を想い、様々に巡る。ときに滲む自意識も本音を隠さない言葉も、ありのままの声を感じるほどに、どうぞそのままに、と受け止める思いになる。
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ナハチガル
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タイトルと装丁に惹かれて手に取ったが、もう一つ入り込めなかった。文体はきらいではないが、著者の関心事と私の関心事とが一致することがあまりなかった。同じテーマの本を村上春樹や司馬遼太郎が書いていたら、はまれただろうか。ウィキペディアで武田花の母親と知る。あっちは猫の写真があったからかなり楽しめたのだが。タイトルはすばらしいの一言。「何ておいしいんだろう。輸入しないで皆が我慢して頑張って働いている国の食べ物だ。粗末に扱ってはいけないな‐そのしんみりとしたおいしさのせいか、二宮金次郎のような気分になった」
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くりすたー
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ロシア旅行記。旅の間に見たもの、食べたもの、買ったものを率直に記録してある。ひたすら正直に書いてある。早速、文体にはまる。読んでてスカッとする。読み始めた頃はこの夫(武田泰淳氏)はどうしようもない人だなぁと呆れたりしていたのだけれど、筆者の夫への愛情、哀れみみたいな感情が底に流れてて、微笑ましく眺めてる自分に気づく。だいたい旅行記読むと行ってみたい気持ちになることが多いけれど、不思議なことに読んでてロシアには行きたい気持ちには全くならない。あとがきがまた秀逸で、亡き人たちとの永遠に続く旅に誘うようだった。
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Lisa Tada
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才女である。そして、チャーミングである。この言葉選び、圧倒されるほどの感性である。素朴で、情感あふれる描写が、最小文字数で端的に表現されている。★またロシア旅行とあるが、ロシアだけでなく、1969年当時の、ソビエト連邦自治区のウズベクやグルジアなど広く旅した旅行記である。当時の彼の国々の風情を知る貴重な内容である。★私もこのように 聡明で可愛げのある人間であれば、とっくに結婚の一つもしたかもしれないと思いました。旦那(武田泰淳氏)さんも可愛い。泰淳氏、亡くなる前の最後の旅行、貴重な思い出を拝読させて頂いた
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頭痛い子
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てっきり小説と思って取り寄せたら、随筆というか旅行記だった。こちらは富士日記と違ってバッタンバッタん人が死なないし、言葉も洗練され読みやすい。ただ途中、避妊具スキンの話が出てくるけど当時避妊具あったなら、なぜ武田百合子は泰淳との子を4回も堕胎したのか。5回目が武田花である。百合子のおつむが弱かった、というよりは武田泰淳が暴君だったように思える。あと、この本がきっかけで天山山脈麓にあるウイグル自治区の問題にも興味をもち(作中で百合子はウイグル人を男前と言う)知識が得られたので、そういう意味では良かった。
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KUMAPON
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「星に驚く犬のような心と天真爛漫な目とをもって、旅中の出来事・風物を克明に伸びやかにつづり、二人の文学者の旅の肖像を、屈託ない穏やかさでとらえる紀行。」裏表紙の紹介文がすべてを言い表していると思う。本当に本当に面白かった。これまでに読んだどの旅行記よりも面白かったかもしれない。私自身も同行者になった気分で、楽しみながらもページを繰るごとに旅の終わりが近づくのを寂しく思いながら読み進めた。あとがきと解説も旅の余韻を感じさせて最高だった。
KUMAPON

「公演中止の自粛期間中にウエクミ先生が真風さんに勧めた本」という、わかる人にしかわからない超ミーハーな理由で購入した1冊。恥ずかしながら、先日読んだ『ひかりごけ』の武田泰淳氏のお連れ合いだということすら読み始めてから知った。ここで描かれる泰淳氏はあの作品からは想像できないくらいとぼけていて可愛らしい。偶然とはいえ、泰淳氏の著作を読んでからこちらを読めてよかった。

08/07 20:00
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m_book
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武田百合子、武田泰淳、竹内好のロシア・北欧旅行の日記。やっぱり武田百合子のストレートな物言い、正直な言葉選びがすごく特徴的。この旅行のあと数年内にご主人も竹内好も亡くなってしまうとわかっていて読むからか、言葉の端々に切なさも感じる。富士日記しかりで、この人の食べ物の描写がすごく好き。
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snijeg
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当時の共産圏の状況が伺え、大事な記録だと思います。 しかし、ご主人の奥さんに対する甘えっぷりが少し意外でした。 百合子さんの文章は合う・合わないが分かれるかと思いますが名文です。 他の方も書かれてありますが、後書きはしみじみと感じ入りました。 他の登場人物も個性豊かで、さくっと読み終えられます。
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まーくん
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何と自由奔放な、天衣無縫・天真爛漫…もう何と言っていいか、著者百合子さんの文章に引き込まれてしまう。夫の小説家武田泰淳とその親友、中国文学者竹内好の海外旅行に「つれて行ってやるんだからな。日記をつけるのだぞ」と武田に言われ、書付た走り書きを元に、旅から9年後、夫も竹内も亡くなった後に発表されたロシア旅行記。旅したのは1969年。横浜から船でナホトカに渡り、シベリア鉄道、空路を乗り継ぎ、当時ソ連領の中央アジアの諸都市を巡るツアーに参加。実に新鮮な目で、余りにも率直に語る現地の人々との交流につい笑ってしまう。
なおこっか

百合子さんの文章の魅力を簡単に説明できないのがもどかしいです。須賀敦子さんが『本に読まれて』で書いてくれた『富士日記』評に勝るものはないかと… 私が旅したのは10年ほど前でしたが、エルミタージュのトイレはなかなか勇気がいりました。でもガイドブックに載っているようなホテルやレストランはまずまずだったので、もう変わっているかもしれません。エルミタージュはピカソやセザンヌの絵もなんでもない風に置いてあり、一日居ても飽きなかったです。目移りしすぎますが。

06/07 21:23
まーくん

なおこっかさん、こんばんは。『本に読まれて』と『富士日記』は是非、読んでみたいですね。それにしても、向田邦子、須賀敦子、米原真理そして武田百合子と、いいなと思う女性作家がもう皆、故人というのは残念です。

06/07 22:03
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ぷひぷひぷー
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目にしたもの、思ったこと、素直に簡潔に記す文体はすばらしい。だけど僕は作者が感じたことに共感できず肌に合わないブログを読んでいるようで厳しかった。内容よりも、他人の目なんか気にせず思ったことをそのまま書ける作者を羨ましいと思った。
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さっと
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今年もステイホームGWなので作家の目を借りて旅する。武田百合子さんは『富士日記』しか念頭になくマイナーと思われた本書(失礼!)も手元の奥付で2015年22刷(初版は1982年)、2018年には新版も刊行されているという人気ぶり。半世紀以上も前のおよそ一月にわたるロシア探訪(ソ連領+北欧のユーラシア大陸横断記)であるが、初海外とは思えないほど百合子さんはハツラツとしている。添乗員をして"奥さんは日本語をしゃべるのと同じに、平然とロシア語を話されますなあ"と言わせる。犬が星見たような新鮮さと感動に満ちている。
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にゃるねんnnn
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淡々と、でも細かく描かれた文章で私も一緒に旅してる気分に。なかなかのボリュームだったが楽しく読んだ。だから書かれた時の著者の状況をあとがきで知り、自分も友をなくしたかのように思えてとても切なくなった。
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moyin
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目に焼き付けるシーンが多い。その中の一つ。二人がデンマークの港に立ちながら、対岸がヘルシンキだと泰淳は教えた。ガイドの話を聞き損なったのだ。後で竹内に指摘された通り、ヘルシンボリのことだ。百合子はこう書いた。「別に変わったところでもなさそうなその町を、少しの間、二人とも見つめていた。」
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hitotak
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著者夫妻と夫の友人とで参加したロシアでの旅日記。昭和44年当時の共産圏への旅ということで、移動やホテルなどで様々なトラブルにも見舞われるが、そこも織り込み済みという感じで不平不満も殆ど出てこないのがタフだなと感心する。旅先の観光地や現地の人々、同じツアーの面々などが優れた観察眼で綴られ、その鋭さと自由さが読んでいて楽しい。不愛想でやる気もない女性ガイドにニッコリ握手しながら日本語であなたブスねえ、という場面には思わず笑った。
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レモングラス
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色川武大さんが、文は人なり。もうその見本がこの一冊だと書かれているとおり、読むほどに魅了されていく。著者の夫で作家の武田泰淳さんと親友の竹内好さんとのソ連への旅。タイトルは、掃除の合間にしゃがんで本を読み耽っていた著者の姿が犬みたいで「やい、ポチ」と武田泰淳さんに言われてとのこと。乗船して「百合子。面白いか? 嬉しいか?」と聞かれ「面白くも嬉しくもまだない。だんだん嬉しくなると思う」にご夫妻ならではのなんとも言えない良さが伝わって、そこばかり読んでしまう。図書館で借りたのでざざっとしか読めず購入したい。
ハナハナ

レモングラスさん初めまして(^_^)vお気に入り登録有難うございます。私も以前この本を読み文面から伝わってくる百合子さんの天真爛漫少女の様な心持ちにすっかり魅了されてしまいました。内容はもうあまり覚えてないのですが(笑)また読み返したいと思います。レモングラスさんのレビューも楽しみにしています。どうぞよろしくお願いします(^-^ゞ

03/24 11:28
レモングラス

こちらこそありがとうございます😊 「チェーホフの生涯」などハナハナさんのレビューには読みたい本が沢山でワクワクします。これからも楽しみに拝読させていただきます。どうぞよろしくお願いします。

03/24 12:21
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0255文字
minamimi
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夫婦の会話通りに「百合子、面白いか、嬉しいか」「面白くも嬉しくもまだない。だんだん嬉しくなると思う」私もだんだん嬉しく面白くなっていった。後書きに涙。色川武大さんの解説を読めば、言いたいことは全て書いてあった。銭高老人は忘れられない。
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oo8wy
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憧れのひとが推薦されていたので読んだ。旅のメニューは簡素なものが多いけれど、読んでいるとお腹がすく。ゆでたまごが食べたい。
0255文字
井笹一子
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富士日記と同じく淡々と。著者によるあとがき、帰りの飛行機が2人と旅を共にしたあの老人を乗せて永遠に飛んでいくイメージに泣いた。すべての旅は別れの前の思い出。
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lotte
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めちゃくちゃ自由な文章で、読んでて楽しい。 著者が奔放な性格なんだろうなと伺える。旅を一緒に体感できたような気がする
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Saki
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武田泰淳の奥さん・百合子さんの旅行記。中国文学者の竹内好さんと一緒の旅行。最初は大勢でウズベキスタンなどを経由してロシアへ。最後は旦那さんと竹内さんと3人でアンカレッジ空港から日本へ。とても長い旅行。食べ物の描写が正直全然美味しそうじゃなくて、文章も淡々としているんだけれど、不思議と一緒に旅行をしているような気持ちにさせられる魅力のある文体。旅行メンバーの銭高老人が個性的で好き。「ロシアはエラい国だ」と何を見ても大袈裟に驚く様子が愛おしい。レニングラードの夏の嵐と呼ばれる綿毛が一面に舞う様が見たくなった。
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量甘
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夫武田泰淳とその友人竹内好と共にロシアを旅した紀行文。異国の文化に触れた驚きや戸惑い、何気ない街中の風景や人々の様子が、著者ならではの視点で生き生きと描かれていて面白い。ツアー参加者の一人である銭高老人の存在も際立っていた。読み終えてしまうのが寂しくなるような…。あとがきが心に沁みた。
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リカ
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箇条書きの様な簡単な文章で綴られた旅日記なのに、風景が浮かんできて旅気分が味わえた。 著者はとても魅力的な女性だなと思った。
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あつ子🐈‍⬛
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#蔦屋書店 #コンシェルジュ文庫 積ん読消化。とても良かった。百合子さんの自由な振舞や、気取らずに綴られた文章が楽しくて、私も無性に旅に出たくなりました。 気難しそうなのに、ちゃんと百合子さんを大切に思っているような泰淳氏。言動が面白いツアー同行者の銭高老人。 出会いと別れ。可笑しくて、寂しくて。 ああ旅とは、本来そういうものであったなあと。 少し悲しいあとがきも、私の胸を刺します。百合子さんも泰淳氏も、竹内さんも銭高老人も、宇宙船と化した機内で賑やかに酒盛りしているのかな。そうだったら、愉快だ。
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韓信
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夫・武田泰淳とその親友である竹内好との三人でのソ連諸邦から北欧へかけての旅を綴った日記。淡々と毎日の食事を記録し、酒を飲み、泰淳と竹内がキャッキャウフフしてるのに混じったり、天真爛漫な目をもって旅先の景観やできごと、出会った人々を訥々と綴る。ただそれだけなのにやたらと面白いし、著者自身や、ツアー同行者の銭高老人がやたらと可愛いくて萌える。銭高老人のモノマネをする泰淳と竹内からも、老人の愛されっぷりがうかがえて微笑ましいが、何より夫とのやり取りから、著者が非常に可愛がられていたことが読み取れてほっこりする。
韓信

しかし武田百合子は素朴ながら味わい深くて可愛げもある文章を書くなあ。失礼ながら武田泰淳の小説や評論を面白いと思ったことはないけれど、百合子さんの文章はいっぱいちゅき。「こんな長い日記読めるか!」とスルーしていた『富士日記』にも手を出してしまいそうでこわい。

02/16 19:17
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しゅん
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夫、武田泰淳の偉そうな駄々っ子っぷりを書き連ねる百合子。交通事故の遭遇や、毎回毎回の食事をこともなげに筆する百合子。見ているものをひたすらに書き連ねる百合子。可愛げしかない。銭高老人も可愛げしかない。
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fitzgerald12
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武田泰淳と、その妻百合子、友人の竹内好。ロシアツアーに1969年参加。素朴ながら味わい深く、なんともおもしろい本だった。特に錢高老人がいい味出してる。「ロッシャはえらい国や。わしゃ、よう知っとったんじゃ。」もだんだん可愛く思えてきた。大手ゼネコン、錢高組の会長さんという事だが、あのキャラクターはこの本には欠かせないだろう。パン、目玉焼き(卵二つ)、チーズ とか 絵葉書二枚 とかちょこまか書いてあるのがまたいい。
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晴天
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日本から船で出発してソ連極東部に至り中央アジアを経てサンクトペテルブルク、モスクワへ至り、北欧に抜けるソ連旅行であることも、単純に50年前の日記であることも興味深い。私が先日行ったブハラの光景が目の前に蘇るような筆致も、私よりも間違いなく拙いロシア語を話す度胸も、同行者のエレベーターや飛行機で煙草を吸って怒られる当時の様相も、なにもかも生き生きとして楽しめた。
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