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感染症の中国史 - 公衆衛生と東アジア (中公新書 2034)

感想・レビュー
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Schogo
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タイトルからは殷周の時代から近代中国までの長い中国の歴史の中で感染症に焦点を当てたものかと思っていたのですが、19~20世紀という極めて短い期間を対象としたものでした。ただ、内容は非常に濃く、また、植民地の統治手法としての公衆衛生という視点は非常に興味深いものでした。
0255文字
杜若
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ペスト、コロナ、マラリアなどの感染症に中国がどのように対してきたかを描いた一冊。ほとんどが日本による公衆衛生医療の導入に拠っていた。これについて著者は、衛生観念の向上の反面、そこに植民地圧政の証拠が示されている、と言う。一方で、GHQによる日本への衛生事業は、占領行政を円滑に進めるための手段と、さも善政のように言っている。なにこの二重基準。敗戦により日本が中国から引き上げた後、中国は日本方式で感染症を防ごうとしたとも書いてあり、結局は日本が正しかったのでは?とも思った。変に思想を入れなければ良書かも。
0255文字
Decoy
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感染症の流行を切り口とした、19~20世紀の中国・東アジア史。2009年の刊行だけど古びているところはなく、興味深く読めた(が、コロナも含む増強版は読んでみたい)。感染症が社会に与える影響力の強さ、かつての日本の研究・行政・制度などの面での存在感の大きさが伝わってくる。感染症対策が必ずしも「善政」とは言えないことが繰り返し述べられていて、印象的。
0255文字
アルハ
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感染症の流行から辿る中国の近代化と衛生概念の変化。葬送の風習が災いし蔓延したペストから始まり、日本の政治的干渉が強まっていく反面、衛生概念の近代化が垣間見えるコレラの流行、南方の風土病だったマラリア、古代から人々を苦しめてきた日本住血吸虫症。マラリア以外は現在はあまり馴染みのない病気だが、それも公衆衛生の概念が中国に波及し「不衛生」の感覚が生まれた事、あらゆる面で近代化が進んだ故だろう。 巻末の後書にはのちのコロナ禍に対して先見的な意見も。感染症について関心が高まっている今こそ読むべき本。
0255文字
montetsutsu
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タイトルからは各王朝時代の中国における感染症の歴史と思いきや、中身は清朝末期から第二次大戦後くらいまでのもの。それでも、色々と興味深い事象があったのだと知る。コレラやマラリアはともかくペストが20世紀序盤まで蔓延してたというのは知らなかった。日本住血吸虫症が中国でも猛威を奮っていたというのも。
0255文字
watarum
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内容はなかなか渋い。19世紀末から20世紀前半にかけた、ペストやコレラの感染についての話。ガチの歴史本だけど、ですます調の講義体で読みやすい。1パラで言及されるいろんな疫学者や研究者の群像もおもしろい。20世紀前半、1910年、清朝最末期の中国におけるペスト流行。まるでコロナの話を読んでるようだよ。春節の大移動による感染拡大。政府の強権的防疫体制に対する反発とか。あと感染症にまつわる陰謀論が広まることも。植民地経営と公衆衛生の関係も面白い
0255文字
Tomoichi
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タイトルの「感染症の中国史」よりも副題の「公衆衛生と東アジア」の方が内容と合っています。公衆衛生と近代社会との関係性がよくわかり、また公衆衛生と社会権力との関係も当初より課題になっていたことがわかる。まあ左の方はアナーキーな状態が大好物なので、公衆衛生よりも彼らのいう自由が生む社会混乱の方が都合がいいのだろう。何れにしても公衆衛生と国民性や社会は密接に関係しているため、海外は参考になっても答えにはならない。コロナを通して改めて日本に合った公衆衛生の理念を構築する必要を感じた。
0255文字
guanben
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20世紀初頭の中国における感染症対策について。ペストの流行を背景に列強の支配地域で事業の制度化が進む一方、中国自体もそれを導入しようとしたことを紹介。民間に丸投げだったのを公営にすることで、統治機能の再編、社会制度の転換へ繋がっていったとする。感染症が中国の近代化の歩みを加速させたと言えるかもしれない。習政権、蔡政権下での鉄壁のコロナ対策を、清朝の役人たちは泉下からどう見ているだろうか。
0255文字
Toska
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新書で『○○の中国史』って多くないですか?それだけ関心を持つ人が多く、切り口も豊富なジャンルということなのか。本書のお題は感染症。新型コロナよりはるか以前(2009年)の著書でありながら、「グローバリゼーションと開発を契機とした感染症の流行」「公権力による衛生部門への介入と規律化」「清潔という観念に対する文化・人種論的な眼差し」など、今まさに我々が直面している問題がいくつも出てくる。感染症の歴史の奥深さを思い知らされた。
Toska

前近代の帝国はどこでもそんなものかもしれないが、清朝は基本的には公衆衛生などにタッチしない「小さな政府」で、強力な保健統制を進めた欧米の近代国家に比べると感染症対策に苦戦を強いられた、という話。それがコロナ関連では、有無を言わさぬ力技の対策が(少なくとも表面上は)奏功した中国が欧米に対して自信を持つような構図になっていて、何とも言えない因果を感じてしまう。

06/24 21:54
0255文字
Yosuke Hashimoto
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1800年頃の江戸時代には、すでに予防思想が現れた。集会の禁止、感染者の隔離などが行われるようになった。一方1920年頃の明治期のスペイン風邪対応は杜撰だったようだ。ロシア革命による米騒動の時期と重なり、為政者は国民に負担を強いる策をとれなくなっていた。 「自由」「人権」「民主主義」「情報公開」などが富をもたらし、社会を強くしてきたが、ITやAI技術の急速に発展する中で、「人権コスト」のかからない権威主義的体制のほうが感染症対策を進めるうえで、相応しいのではないかというテーマがまた浮上している。
0255文字
おおかみ
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19世紀から20世紀にいたる、東アジアにおける感染症の流行の歴史を辿った本である。刊行は2009年12月。新型インフルエンザの流行にあわせて書かれたのだろうが、再び広く読まれることになった。歴史から学ぶことは多い。特に、戦火が絶えなかった時代において、政治的対立が常に背景にあったこと、感染とともに偏見や差別が広がってきたことは知っておきたい。軋轢を乗り越えて感染症対策を進めてきた人たちもいた。
0255文字
ManCheeFMW
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いつまでもくすぶるcovd-19。各国ほぼ1年非常事態ともいえる状態で過ごしてきて、交通ルールレベルのマスク着用ルールなどに強制を感じて抵抗するようなひとたちが大勢いて公衆衛生観念が意外と先進諸国に根付いていなかったりすることに気づいた今改めて読んだ。20世紀に中国へ公衆衛生の重要性を啓蒙したのは他でもないそういう(日本を含む)先進諸国なのに、現状はなんという為体なのだろう。
0255文字
fseigojp
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日本の特殊性でいえばペストが流行しなかったこと インドからコレラがパンデミックとなったことなど 勉強になった
0255文字
活字の旅遊人
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これは面白い。2009年の本なんですが、復刊だそうです。あまり売れなかった?でも5版ですね。中国の近代的な感染症対策は、日本の影響をかなり受けているのです。それにしても、帯にある「中国発パンデミックは今に始まったことではない」には、悪意を感じる。
0255文字
鯖
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雲南省から阿片と共に広まったペスト。イギリスのインド支配から世界的な交通網の発達と共にもたらされたコレラ。紀元前馬王堆のミイラからも卵が見つかる日本住血吸虫。台湾出兵、日清戦争、太平洋戦争と戦争のたび大発生するマラリア。人の往来が激しくなると、一地域に留まっていた風土病が抗体をもたない人にも広まり大発生することを繰り返す。
鯖

良書だが「731部隊にはあえて触れなかった」とのこと。日本の植民地医学や日本医師が感染症の封じ込めに貢献したということについて、中国では黙殺されていると批判するのならば、それもまた片手落ちなのでは。毛沢東の「送疫神」という日本住血吸虫封じ込めたぜヤッターな七言律詩まで載ってて面白かった。

06/21 19:44
0255文字
Yu Sato
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ネタバレ淡々と事実を掘り下げ、示唆を与えてくれる良書。学説書として主張が焦点化されておらず、一般受けしないのがもったいない。 植民地化が公衆衛生のもとに正当性を帯び、公衆衛生が身体的な統治を強化すること、国家的な枠組みが差別を助長することは、歴史の学びとなった。国家による公衆衛生へのオルタナティブとして、共助的な慈善団体、WHOのような世界的組織、個人による防御をどのように進めるのか、というのは現代に置き換えて考える価値がある。また、新型コロナも事実に基づく感染拡大の検証を進めてほしい。
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川獺
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過去から現代に渡る、かと思えば、近世に関してだけだった。
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見もの・読みもの日記
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19世紀末から20世紀の中国における感染症対策の歴史を論じたものだが、初期の中国がモデルにしたのは日本なので、感染症の日本史の一面を持っている。警察力で私生活に介入し感染症を駆逐していくやりかたは近代の「統治の技法」であり、単純に「善政」と評価していいのかどうかは難しい問題である。
0255文字
河村祐介
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19世紀後半以降の、グローバリゼーションの第一波からのコレラやペストの感染拡大、そして20世紀に日本の植民地政策、そして戦争がどのように中国の感染症、公衆衛生に影響を及ぼしたのかという。
0255文字
Yanagi
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ペスト、コレラなどを例に、1900年前後に発生した感染症とそれに対する社会の対応について描く新書。台湾、そして中国が社会医療制度の模範とした近代日本の事例も扱われている。感染症を防止し、拡散抑制する装置として公衆衛生が確立されていくが、国民の身体的管理を伴うその制度の普及こそまさに「近代化」だという視点が面白い。それは中国の場合、外国人ではなく中国人による管理をという衛星ナショナリズムと、国-民をつなぐ統治機構の変革として表出する。感染症は教科書ではあまり表に出てこないが、実は近代史を激しく動かしていた。
0255文字
どら猫さとっち
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新型コロナウィルスが中国・武漢から発生したことから、本書が注目されるようになった。読んでみると、その時代も今もそれほど変わってはいないことを身に染みて思い知らされる。著者は新型コロナウィルスの感染について、どのように感じているのだろうか。今だからこそ、本書を通して見習うことが多いのではないだろうか。このメッセージ、政府に届いて欲しい。
0255文字
かみかみ
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コレラやペストの流行に見舞われた清末~民国期の中国を中心とした東アジア地域における感染症の事例と衛生行政の取り組みについて。感染症対策を民間団体に丸投げしていた「小さな政府」の清が感染拡大を機として積極的に民政への介入をするようになった点が「大きな政府」へのターニングポイントとなり、中華人民共和国に至るまでの方針として続いている点が見逃せない。台湾への公衆衛生導入や日中の日本住血吸虫症対策などについても勉強になった。
0255文字
パット
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▼感染症の流行は▽政治的な対立を惹起させる▽人種的な偏見や差別を露呈させる――。確かに現在も米中の対立が激化し、広東でのアフリカ人処遇の問題が叫ばれている。▼「東亜病夫」とは、1920年代までコレラを克服できなかった中国の政治や社会を示す言葉。当時、日本の中国進出に不満を高める中国では日本陰謀説も生まれた。▼毛沢東「送瘟神」は江西での日本住血吸虫病克服を称えた詩。病名の日本は、日本人が発見したことによる名誉的なもの。▼中国、台湾は公衆衛生確立のモデルを帝国日本の植民地医学に求め、戦後日本もこれを継承した。
0255文字
電波時計
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本書は19世紀から20世紀にかけての中国・東アジアでの感染症の流行について検討し、それらが社会に与えた影響を考察している。具体的には感染症対策に奔走する各国の奮闘ぶりが長々と書かれているが、それよりもまずは、感染症の流行が各国の政治的対立を生み出したり、人種的な偏見や差別が存在したことに目を向けることのほうが大事だと感じた。そして現在の混乱ぶりも見ると、感染症の流行は単なる医学的な問題だけとみなすことはできないと感じた。
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ザビ
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たまたま書店でみつけたペストやコレラの感染症史実書。「芝居小屋、浴場、飲食店等を営業停止に」「飛沫感染する肺ペスト、最も危険な場所となったのは患者収容された病院」「感染者家族への差別」「噂(デマ)の横行」など、昔と今とが妙に重なってみえてくる。非常事態下での感染抑止は行政のリーダーシップと強制力が極めて重要、と再認識できた。ちなみに「近代的な水道の整備はコレラ対策が始まり」だそうだ。コロナ対策で新たに整備されるものは何に?やっぱりテレワーク(働き方)か、それともベーシックインカムの先駆けになるか。
0255文字
figaro
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マクニールの「疫病と世界史」を下敷きにして、感染症が社会のあり方に深く関わり、また、政治・経済・文化の行く末に大きな影響を与えたことを、19世紀末から20世紀初頭にかけての中国でのペスト、コレラ等の感染爆発を素材として語ろうというもの。但し、感染爆発とそれへの対策について事実を淡々と述べるという報告書のような内容で、感染症が政治、経済、文化にどのような影響を与えたかについては、詳述されていない。感染症対策として、検疫と防疫の制度化=国家管理、つまり「政治化」は避けられないという方向性が示されている。
0255文字
Jirgambi
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コロナ禍の時期なので読む。「中国史」だが、主に日本の植民地医学の影響を受けた、近現代東アジアが舞台。筆者の関心が後半急にマラリアや日本住血吸虫へと飛び、軸がなんかブレていると思わない訳でもないが、終章は目を通して損はなく興味深い。また、衛生事業の制度化が、統治政策の一環として推進されたとある。そりゃ「公共の福祉」を徹底するならば、小さな政府のままでは居られないわな。敢えて衛生面の生活水準向上、という名目に猛反対する人間(因習的要素を理由とする反対を除く)も普通居ないので、政策の受容も捗るだろう。
0255文字
ゆうすけ
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10年ほど前の作品が、緊急復刊とのこと。中公新書、さすがです。ただし、申し訳ないけど本としては非常につまらない。。こりゃ絶版になるわ。。中国では昔からいろんな感染症がはやっていた、、以上という感じ。科学なのか、歴史なのか、政治なのか、軸足が定まらず散漫な印象。
0255文字
Mealla0v0
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本書では、直接的に言及されていないものの、フーコーの生政治の視座から、中国並びに帝国日本における感染症とその対策の歴史叙述が試みられている。近代化の過程で、グローバルな移動が感染症のグローバル化をもたらし、また同時に衛生の政治化=生政治の実践化が起こった。中国は先んじて生政治化した帝国日本をモデルとしながら生政治化していった。本書で重要なのは、日本の植民地統治の過程で蓄積された植民地医学・帝国医療が「統治の技法」として機能し、それが「戦後日本」にも継承されていったという見解である。非常に重要なポイント。
0255文字
yucco
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また早とちりしてしまった…。ウィルス蔓延に対して、中国地域がどのように対応したかの歴史解説書で、主に近代のペストやコレラの流行で、清が小さな政府から大きな政府へ変容していく様子、また山東苦力と都市部の人民や日本人ロシア人との区別差別の構築など、豊富にある中国の公文書から紐解く。日本はすぐ公文書を捨てる傾向にある、というのは本書と直接的には関係ないが、考えさせられる。
0255文字
さとうしん
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台湾や関東州での日本の植民地行政と公衆衛生との関係、中華民国が日本をモデルとして公衆衛生の制度化を進めたことを議論する。植民地での感染症対策は「善政」とされることが多いが、植民地統治のもとでの開発政策により、赤痢・ジフテリア・結核などは増加傾向にあったとも言う。「東亜病夫」「日本住血吸虫病」のネーミングの由来といったトピックも読みどころ。「感染症は克服されるどころか、むしろ顕在化しつつある」という著者の見通しは、初版から10年以上経って再確認されることとなったが…
0255文字
Satsuki
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19世紀末以降の中国と日本の公衆衛生行政を、「近代性」への対応、国家と民間(個人)の関係、という文脈で読み解いている。台湾統治の経験を基礎にした近代日本の公衆衛生行政は民間への介入の強さが特徴だった。清朝の対応は「小さな政府」だったが、20世紀前半の中国では日本をモデルにより介入的な衛生事業が制度化されていく。本書の内容ではないが、翻って現在のコロナウイルス感染拡大では国家の強い介入が必要にも見える。中国国内の封じ込めが成功と言えるならば、中国モデルの監視社会が正しいという薄ら寒い結論になりはしないか。
0255文字
Kitinotomodati
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歴史を語るのに、いろんな切り口があるものだなあ。 新しく知った言葉。「身体の植民地化」「ロールバック・マラリア」 中国では行政文書をきっちり保存していること。
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レイノー
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2009年刊行。著者は青山学院大学教授。◆「中国史」とあるが、近代(さらにいうと20世紀前半期)の中国史に限定され、かつ「感染症」に関するテーマにつき、感染症に対応する社会システム・公衆衛生システムの成立・発展過程と、中国土着の文化的・慣習的規範との矛盾・相克を解説していく書だ。◇反面、裏テーマとしては、植民地支配の福音とされる公衆衛生事業の真の意味と、その価値の相対化というものを内包していそう。◆ここで黒死病として知られるペストが、20世紀にも猛威を振るっていた(中世欧州の被害規模とは流石に違うが)点。
レイノー

また、マラリア・コレラ・日本住血吸虫病など、感染症対応の黎明期の模様が開陳される。◇ここでアフリカ豚コレラやデング熱など、公衆衛生の点で、アフリカ諸国が未だ黎明期でしかない実情を考えると、本書にある中国近代での公衆衛生の黎明期の模様を参考に供する意味は決して小さくないはずだ。◆ここで、いわゆる植民地における公衆衛生の貫徹、例えば、種痘実施の多さは、反面として支配地域における個人的生活領域への介入度合いの強さと同値だと。自治性の低さ、政治的自己決定権の範囲の狭さに帰着。支配権力の強権性の表れと見ている。

08/29 23:53
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穀雨
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タイトルを一瞥した限りでは、中国数千年の感染症との闘いというテーマがうかがえるが、実際に取り上げられるのはペスト、コレラなど四種類の感染症で、時代も19世紀以降の近現代に限られているため思っていたより中身の薄い印象だった。しかし、植民地における衛生事業の制度化が当局に都合のいい統治体制の確立にほかならなかったことなど、今までの認識の修正を迫られる記述もあり、面白い一冊ではあった。
0255文字
de sang-froid
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風土病であったペストやコレラが、人や物の移動、開発などによって感染を拡大させる。ごく限られた時代、地域でもこれだけ甚大な被害があったことを考えると、人は感染症から逃げられない、共生していかなくてはならないのかと思う。
0255文字
彩也
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『中国史』と題するが、扱うのは近代以降。近代中国が公衆衛生の確立を目指すなかで、流行した感染症、取られた対策、そしてそれらが社会にどう影響したかを淡々と説明する。一般に、衛生対策は植民地統治の「善政」と語られるが、そう単純に言い切れるものではなく、衛生事業は統治の有効なツールであった。また、感染症対策として採られた措置(隔離・消毒・土葬の禁止等)が文化摩擦を引き起こしたり、差別の温床となったことは容易に想像がつく。このテの摩擦の解消は現在も大きな課題であろう。先進国では人権に配慮しなければならないし。
0255文字
中島直人
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感染症予防のための公衆衛生施策が、植民地化推進における、住民掌握策としての側面を持っていたという点に驚き。
0255文字
Meistersinger
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具体的な公衆衛生対策はよく書かれているが、それが植民地行政全体の中でどのような役割を果たしたかについては少し弱い(最後辺りで少し触れられるが)
0255文字
のぶ
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衛生対策と植民地統治との意外なつながりがわかった
0255文字
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感染症の中国史 - 公衆衛生と東アジア (中公新書 2034)評価91感想・レビュー41