形式:文庫
出版社:集英社
形式:単行本
形式:Kindle版
あと、全部捨てたつもりで逃げて遠くまで行っても、安い食料を買ったり、好きな色のタオルを買ったり、歯はどうせ毎日磨いたり、気付いたら日本の自室が現地に積み上がるだけで、結局所帯染みてきて日本にいるのと全く一緒だと気づく感じ…自分がいる限り逃避は不可能なんだなと絶望する。完璧な逃げは不可能だ。
私が最初に出会った角田さんの作品は何だろう、と読書メーターを遡ると、が2011年に「さがしもの」「対岸の彼女」を登録している。この辺の作品は文章が既にこなれていて、心理描写も落ち着いていて淀みがない。初期作品には、トゲトゲしい喜怒哀楽が爆発していて、物語が漂流しているような独特の魅力がある。今なら秀逸と評されるだろう題名も、当時は意味不明と不評だったんじゃない?
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