形式:単行本
出版社:講談社
形式:新書
見事に解くその手腕と論理に魅了される百鬼夜行シリーズは、京極堂から広がる派生読書を重ねた後に本書再読を繰り返す度に物語の強度を増し、ここが作家としてのスタート地点である京極さんの異才に圧倒される。宗教とは脳が心を支配するべく作り出した神聖なる詭弁であり、心理学は共感出来る者にのみ有効な、科学の産んだ文学とは蓋し名言。見えないからといって存在しないとは限らず、目を、耳を、閉じていなくてもその存在や音が届かないこともある。(⇒)
「考えるのが脳で、考えさせる意志が心」その原理から起こる大いなる誤謬を膨大な物語を通して丁寧に開き、人間の意識と無意識を興味と好奇心を以て理解へと導き、観念の枠を取り払った先にその正体を見る。視覚で捉えることのできない思考という宇宙の如き壮大で未知だらけの世界を、掌に乗せて見せてくれるようなこのシリーズは、書痴なる店主・京極堂の蠱惑的な書への誘いともなり、浅学な自らの現在地を教えてくれる指針ともなる。再読することの意味と歓びも教えてくれる不朽の名作。
怪奇を怪奇のままで投げ出したらホラーですが論理的に明快に謎は解かれますから本格ミステリーと自信をもってジャンル分けしていいと思います。本書のトリックは常軌を逸して思い込みが強くないと成立しないのでそのためには関口のキャラクターが必要なんですよね。心情的にキャラクター読みしてしまうと普通関口を「好き」にはならないですよね。
映画も阿部寛がもう少し若ければ、暴れまわる榎木津を演じられたのに。 映像化は映画もアニメも魍魎の匣まで何ですよね。
ホントですよねー!阿部寛の榎木津も悪くなかったんですが、やっぱりドンピシャではなかったですよね…。奇天烈な感じがイマイチ出なかったのが残念でした!京極作品の映像化ってなかなか難しい…。そして、アニメをまだ見ていなくて悔しいこの頃笑。
しかしラストは映像的にちょっとグロいのでリアルに想像してしまったことを後悔した(*_*; 怖いというよりグロい。
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